灰の月
」のレビュー

灰の月

木原音瀬/梨とりこ

究極の愛の話

ネタバレ
2019年11月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ とてつもなく残酷で甘さのない作品なのですが、それでも読むのが止まらず、上下巻一気に読んでしまいました。
上巻は受けの惣一のヒステリックな描写が多く、攻めの嘉藤に愛されないことに対する我儘にしか見えなかったのですが、下巻での惣一は嘉藤のために理想の組長であろうとするものの、嘉藤に愛されたい気持ちは止められないことが、痛いほど健気で読んでいで胸が締め付けられました。嘉藤はBL作品とは思えないほど恋愛としては惣一になびかないのですが、組長としての惣一には心酔しており、お互い相手に執着しているものの、思いのベクトルが違うことが見ていてもどかしく辛かったです。最後は静かで穏やかな二人なりのハッピーエンドを迎えられて、惣一さん、良かったね…と思えました。
精神的にも肉体的にも受けの惣一がかなり辛い目にあい、エログロな描写も多いので、苦手な人はネタバレをある程度見てから読むことをオススメしますが、男が男に恋してしまった究極の愛の作品だと思います。
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