こういう結末もあるんだ。

ネタバレ

2019年12月3日

このレビューはネタバレを含みます▼ 記憶喪失ものは定番といえば定番。物語にいい刺激を与えてくれるネタではあるけれど、こんなに自然とぽろっと涙がこぼれちゃうお話は初めて出会いました。そうだよね、こういう終わり方もあるよね。
一人で自己完結するんじゃなくて、お互い尊重し合える関係って中々築いていけないよね。記憶がなくなる前は沖野が支え、記憶を失った後は吉永が支える。沖野にしてもらった事を恩返しするように健気に尽くす様子に胸が痛くなりました。ゲイである事、記憶が戻らない事への苛立ちや葛藤、自分が忘れられた事への不安もお互い伝え合う事の大切さ。言わなきゃわからないって本当そうだと思う。記憶をなくしたからこそ、忘れられたからこそ伝える事の大切さに気づき、過去を置き去りにするんじゃなくて二人で抱えて今を受け入れて進んで行こうと決めた二人を、私はずっと応援したいです…本当素晴らしい本に出会えました。心が荒んでいる方にお勧めしたい本です。心が洗われた心地がします。

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黒鯉さん

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