八雲立つ
」のレビュー

八雲立つ

樹なつみ

人の心の光と闇

ネタバレ
2019年12月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ キャンペーンで無料版の1~2巻を読んで先がどうしても知りたくなり、最終巻まで大人買いして一気に読みました。
様々な事件や出来事を絡めながらお話がテンポよく展開していくので、ずっとドキドキしながら読めました。
主人公の闇己がとてつもない力と心の闇・弱さを併せ持つヒーローで、もがき苦しみながらも人間として、ある意味、ひとつ上の境地にたどり着き、使命を果たすところ(最後、とても切ないけれど)、そしてそれを支えていたのが、もう一人の主人公と言える健生との絆であったことにいろいろ考えさせられました。
負のシャーマンである闇己とシャーマンを切ることのできる加治師の健生を並べると闇と火(光)、二人で陰陽の一対(二人(陰陽)合わさって、はじめて完全)のように思えますし、また、闇己を含め、どの登場人物も完璧ではなく、敵味方ともに一人の登場人物の心の中にも光と闇の両方があることが、彼ら自身と、彼らの人間関係をより魅力的あるいは興味深くしていると思います。
とても読みごたえのある作品に出会えて嬉しいです。
続編もあるようなので、そちらも是非読みたいです。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!