陰の間に花【電子限定おまけ付き】
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陰の間に花【電子限定おまけ付き】

ひるなま

薬師×蔭間の深く重い愛情の行く先

ネタバレ
2020年1月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 寡黙な薬師・能之×額に瘤ができて捨てられた蔭間・紫苑。時代考証がしっかりしていて、どっぷり浸れるお江戸もの。ちゃんとBLなんだけど歴史ものの読み物を読んだような余韻が…。ある日額の左右に瘤ができ、周囲から笑われ疎まれ、ついには慕っていた旦那様の計らいで能之の元で暮らすことになった紫苑。深い愛情ゆえに旦那を恨み、それでも忘れられず、また能之も美しい紫苑に次第に心を囚われてゆく。無骨な能之の飾らない想いは紫苑に響いていたと思うけど、恋心はそう簡単に思い通りに操れない。それぞれの気持ちに呼応するように瘤は育ってやがて角のようになり。現代日本では単なるファンタジーで終わってしまうけど、この時代ならこんなこともあったかも…と思えてしまうから不思議。角の正体も、二人の気持ちの落としどころも、ハッピーエンドだけどもしかして…?と思わせるラストも作り込まれていて面白かったです。また二人の絡みが綺麗で艶かしくて見応えあり!読んでるだけで勉強になるけど、作者さんのあとがきも興味深かった。デビューコミックスだそうなので、次回作も楽しみにしてます。
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