今夜は放さない
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今夜は放さない

ケイト・ホフマン/高山繭

数多い出会いの中でただひとつだった

2020年1月12日
ヒロインノーラはスチュワートの助言を受け、プルーデンスの枠の外に自分を投げ出し、女性としての価値を自覚するために変装し自分を試した。それは成功したが、ヒーローピートという予想外の獲物を釣り上げてしまった。プルーデンスと変装ノーラは同一人物であることを知られていないはずと考えているノーラに反し、彼は気付いていて知らぬふりをし、彼女を追いかける。このグイグイ押してくる展開は心地イイ。が、ノーラにしてみれば バレたくないからどうにかしたい、でもどうしたら良いのか分からない暗中模索な状態に苦悩して とんでもない行動に出ていた。彼の部屋に忍び込んでまでカツラを取り返しに行くシーンを 私はそんなことしなくていいよ 見ていられないと 手で顔を覆っていた。結果バレて事実上クビ。失職したのだ。そもそも、プルーデンスとしてあるためには 彼女は経験も浅く若すぎたとみえる。それも可愛いのだけれど。そんな彼女を追いかけて、彼女の実家のパーティーへもぐりこんだピートだけれど、その邸宅の前に立ち、彼女の背負っている家督というものに まったく無関心。それは、愛しているのは彼女自身という表現のつもりなのかもしれないけれど、彼自身の身の置き所について語られていないところには不足感がある。彼女と自分のギャップはどう処理するのだろうか見せてもらいたかった。
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