自信家の彼が真剣にグイグイと。たまりません。
ここ、ハーレクインのレビューで高いレビュー数誇る高山先生の他作品と趣向が被り、その一方で、正体割れ認識は当初から、という対照的展開。
頑ななヒロインは、自分を解き放ったときにテンポ良く彼と親しくなる。その経験により、自分の世界が広がる喜びを覚えるところが、良かった。
実は私はしゃくれ顎が少々苦手。だが、モテ男の自信オーラは女心の読解を助ける経験値となり、反面、彼女の心境を曲解する想像力にも働き、ストーリー進行は楽しい。
遊びのツケ、ではないけれど、企業が造り上げたイメージを守るために、日頃課せられていた立ち居振舞いと異なる行動が招いたことの顛末は、ヒロインの離職を招く。アメリカにもそのようなことが可能性としてあるのか?と、意外な側面も面白かった。
彼のどこまでもヒロインを追いかけるエピソード一つ一つが、悪くないと思っている相手に相手のほうから思いを寄せられるということへの戸惑い、驚き、好きな人ができて接点の増える嬉しさがあり、楽しめた。
最後の、パーティ闖入はその先のことの描写に関して心持ち舌足らずに思えた。