錆のゆめ 左【分冊版】
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錆のゆめ 左【分冊版】

久間よよよ

眠れなくなった作品。

ネタバレ
2020年2月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前作品の上下巻の頃からふたりを見てきました。どの言葉を用いても読み終わった後の感情に当てはまらない気がして、感想を書けなかった作品の一つです。衝撃が大きく、キャパオーバーで一晩眠れませんでした。としおさんは過去の選択を含め研究所に存在することを前提としなければ、進藤さんと今のように家族として生きることはなかった。でもあのとき、今の未来を選ばなければ友達や妹と離れることはなく社会と繋がったまま恋愛も女性としていたかもしれない、記憶や言語を喪ってしまうこともなかった。…たら、れば、を訴えても栓の無いことだとわかっていますがただただ切なくてやるせなくなります。進藤さんが救いですが、としおさんにとっては当たり前にあった人生を壊され陥れられた人の血縁者なんですよね。叔父さんは叔父さんで、進藤さんは進藤さんでも。これからもおそらく研究所とは完全に縁を切ることは難しいだろうし、としおさんに不調がみられたらご近所の病院にかかることも難しいでしょう。妹さんのことは思い出せても、できなくてもどっちでもいいんだよ。進藤さんだけは何があっても最期まで一緒に生きてくれる。責任などではなく、かけがえのない人への想いとして。また河川敷でデートして、一つの鍋を一緒に一つのおたまで混ぜて、ふたりの笑顔が続きますように☘
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