無慈悲な皇帝陛下だったのに花嫁きゅんきゅんが止まりません!
」のレビュー

無慈悲な皇帝陛下だったのに花嫁きゅんきゅんが止まりません!

白ヶ音雪/DUO BRAND.

設定に謎が多過ぎる。

ネタバレ
2020年2月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミカル路線で行くなら、多少の粗は許容範囲なのですが、かなりシリアスな部分もあったので、それなら雑な謎設定は極力減らして欲しかったです。メインのストーリーはドラマチックでしたが、読みながら何で??となる部分がいくつもあって、物語に集中できませんでした。まず、隻眼で優秀な騎士って物理的に厳しいと思うのですが、それはまぁライトノベルのお約束でスルーします。一番気になったのが、皇帝陛下が36歳で独身なこと。ただ歳の差溺愛を描きたかっただけで、その年齢に必然を感じないばかりか、不自然さが目立つ。そもそも、高貴なお方がそんな歳まで独身でいられるの?前皇帝は、何人も妃がいたみたいだし、14歳から結婚できるような世界設定で36歳独身って問題ありすぎ。でも、何の説明も無し(女性嫌いとか戦いで忙しかったとか甥を養子にするつもりだとか)。あと、義父の、ヒロインを通しての皇帝への態度も変。ヒロインを慰みものとして皇帝に差し出すにしても、皇室とのパイプになるかも知れないし、そこで産まれた子供が皇太子になる可能性もあるのだから、バレバレの嘘をついてヒロインの足を引っ張るのは如何なものか。それさえも分からない、愚鈍な人物ということでしょうか?それから、シルヴィオがヒロインの妹の婚約者になるのが分からない。いくら優秀でも、父親が誰か分からない私生児の彼が領主の娘婿って、身分社会で無理が有りすぎる。同様に皇帝も、母の身分が低く、その母が罪人なのに、他の兄弟を押し退けて即位したのも疑問ですが、それは皇帝自身が優秀だったという1文がありました。が、それ以外に皇帝の優秀さを現す描写はほぼ無いので、ただ優しいだけのロリコンに見えてしまう。皇帝はヒロインのことを思って、ヒロインをシルヴィオの元に帰そうとするけど、高貴なお方がそんなに簡単に離婚出来るもの?ヒロイン、傷物だし。無慈悲な~というのは、プロローグで皇帝がヒロインを襲ったことを指すのかも知れないけど、その時シルヴィオが、領主の命令でも(愛する)ヒロインの側を離れてるのも不自然。
シルヴィオに同情的なレビューが多いですが、私は彼にとってそんなに悲惨なラストでも無いと思います。生い立ちには同情しますが、結構利己的な人で、領主夫妻を殺したのもヒロインのためと言うより、ヒロインを奪われた腹いせの八つ当たりに見えます。そんな自分を持て余していたんでしょうが。
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