愛人・失格 ~嘘をもう一つだけ~(話売り)
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愛人・失格 ~嘘をもう一つだけ~(話売り)

仲垣友恵

うざい俺様男と気恥ずかしくて臭い演出

ネタバレ
2020年2月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 所詮、TLのレベルって、こんなものかと思っただけの作品。いかにも安っぽい女性の願望・憧れという印象。うっとりする所か、読んでいて恥ずかしい。それからこの漫画全体に感じる違和感は作者の全体的な感覚の古さ。デビュー年から推測すると作者は三十代くらいだがとてもその世代とは思えない感覚の古さ。どう見てもバブルの感覚。例えば実情は斜陽なのに相変わらず、キラキラとした華やかな業界というブライダル業界の描き方とか。それにインモラルとか刺激的な不倫の恋などという作品紹介の割に純愛を強調したいみたいで、そんなにインモラルで刺激的という内容でもなく。描写自体もそんなにすごくエロい訳でもないし。看板に偽りあり。やたらと特に秋山がハッとしたようにヒロインに何かと見惚れたりするシーンも、恥ずかしいし。そしてどこかエッチシーンも男性漫画みたいな印象。それにヒーローの秋山が既婚者という設定の時点でも、どうかと思うけど。しかも、二人ともブライダル業界勤務。TLヒーローの定番として、仕事もデキるイケメンというのがある。しかし、客観的には全くそうは見えないのが特徴。このヒーローもそうした例に漏れず、他のレビューにもあるように突然、近くに座っていたヒロインと同級生の会話に入り込んたり、初対面で上から目線で偉そうにアドバイスをしたり。ただの失礼で傲慢な男にしか見えない。ヒロインも化粧や服装で突然に言動が豹変し過ぎ。これまで男運の悪い女性というのも、この作者お馴染みのパターンだし。それに秋山は新しい赴任先の職場の部長で既婚者のくせに最初から部下であるヒロインに積極的にアプローチ。そしてこの秋山とヒロインは何かと問題ありの恋に踏み入っていくことへの、葛藤もほぼなし。全体的に話も人物も薄っぺらい。それにこちらも可憐なつもりで描かれている、ヒロインの仕草も何かとあざとい。電車から秋山のネクタイを引っ張って、自分に引き寄せてキスとか。熱で潤んだ目で秋山の顔にキスとか。それにどうせ最後は秋山の妻が離婚してくれ、ハッピーエンドと容易に想像がつく。おそらく、秋山は出世のために令嬢の妻と結婚したものの、やはり気が合わず。そんな中、自分の運転する車が事故って妻が不自由な体になり、その負い目から離婚できずというパターンだと想像。妻が本当は歩けるのに嘘をついてそう。最後は秋山とヒロインが奇跡的に結婚できてハッピーエンドだと思う。
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