薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~
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薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~

日向夏/倉田三ノ路/しのとうこ

面白い。キャラもシナリオも全てが良い。

2020年2月19日
一つの作品を手放しで褒めたり、完璧だとか思うことは滅多にないのですが、この作品に至っては本当に面白いの一言です。
2名もコミカライズ者が現れてしまうことにも納得です。原作がとても良いのでしょうね。
でもまず、この作画担当さんがコミカライズしてくれていることに感謝したいです。
読みやすいし、話の構成・見せ方も良いし、何よりキャラクターを魅力的に描いてくださってるのが伝わってきて、素直にキャラを好きになることができて、作品のファンとして純粋に嬉しい。

まず主人公の猫猫がとても良いキャラクターです。
聡明で、問題の原因にすぐ気づくし、事件を解決する為に動く行動力だったり、その場に応じた最善策を提示できてしまう彼女自身を尊敬するし魅力を感じます。
それだけでなく、普通の人とは違い色事に興味などなくサバサバとしていて、人と違った価値観とか、徐々に明かされていく過去と共に見えていく彼女の内側にもとても興味をそそられ、それもまたとても魅力的です。
薬師としても優秀で、毒にも精通していて、なぜか毒が好きな彼女も面白くて、そんな彼女に周りの人は引いている図とかも笑えて飽きません。

そんな彼女を見つけ出した、賢い宦官の壬氏さまもとても魅力的で、猫猫に見合った良いヒーローを出したなーと思わされます。
賢いだけでなく腹黒く、すぐ猫猫を利用して問題を解決しようとするところがとても面白いです。
そんな彼の期待をいつも上回る立ち回りをしてしまう猫猫が、壬氏という癖の強そうなキャラクターの上を行くことによって、壬氏が嫌な奴になることなく猫猫とこの上なくお似合いな関係性がたまりません。

恐らく宦官ではない、まだ明かされていない秘密を隠した壬氏様の猫猫への恋心も、どのように報われるのか目が離せませんし続きがいつも楽しみです。

最新刊の7巻では、そんな2人の活躍ではなく、思いがけず猫猫の生い立ち等が明らかになるエピソードの詰まった巻でしたが
これがまた本当に良かったです。他の漫画なら、そんなことより現在の猫猫の話見せろなんて思っていそうですが
それどころか夢中で読んで、「そういうことだったのか…」と、頭の中の疑問符が消えると同時に涙してしまいました。
猫猫の素直じゃなさにも納得しました(笑)
言葉には出さないし、自分の思いにすら気付かぬフリをしているけど、幸せになって欲しかったんですね。
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