バディドッグ
」のレビュー

バディドッグ

細野不二彦

心温まるコミカルな「日常系SF」

2020年2月22日
この作品は、自分の意思を持つ犬型ロボットAIの周辺で起きた物語で構成されている、「日常系SF」です。

意思を持つIAといえば終末系SFを連想されやすいのだが、実はこの犬型ロボットは主人公というより、狂言回しのような役割で、それを拾ったサラリーマンの家庭を中心とした話が進展していくので日常的なシーンが多く、「日常系SF」と呼ばれる所以です。

日常的とはいえ、現代社会ならでのAIやIT関係のタイムリーなテーマも多くて、SFチックさも欠けてない、程よい塩梅を感じさせます。

また話としては数話完結の話が多いので、読みやすさというと同作者の「ギャラリーフェイク」と同じ感覚で、涙あり笑いありながらもさっぱりとした読後感。どなたにもおすすめできる良作です。
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