このレビューはネタバレを含みます▼
クスリ漬けになり、殺人を犯し、自分の意志で死んだトシミツ。トシミツの存在が心に深く棲みついたままの、今は小さな洋食屋で働くイッキ、トシミツの従兄弟の龍。三人が一堂に会する機会はなかったけれど、常に間にもう一人を挟んで成り立つような、共依存めいたトライアングル。BL的にはイッキ×龍、トシミツ×龍ですが、BLの枠に収まらない世界観。11年振りに出た新装版だそうですが、絵も内容もまったく古さを感じません(携帯事情だけは懐かしい)。クスリ、暴力、男女関係など爛れまくっているので苦手な方は要注意。どこまでも自由に生きたトシミツを胸に抱いたままの二人の未来が、思いの外優しくて泣けてしまう。完全にモブだと思っていた龍がメインキャラでびっくりしたけど、それ込みでよかったです。表紙等含めて282Pとなかなかのボリュームだけどあっという間に読んでしまいました。