紅玉の蜜事
」のレビュー

紅玉の蜜事

多紀佐久那/TCB

素晴らしいが濃い重い話好きな方向けです

ネタバレ
2020年3月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 292ページでした。この作者さんの『征服者の花嫁』がめっちゃ良かったので、作者買いしました。表紙や挿し絵はちょっと古くさいなと思ったのですが、これは2作品目だそうです。
内容は、この作者さんらしくギッシリ詰まっています!濃い!そして重い!でも感動!です。

ヒロインは、立派な騎士でありながらも、前王に忠誠を誓うあまり裏切り者になってしまった、亡き父の心意気を受け継ぐ可憐な乙女です。ヒーローは、ヒロインの父とは政敵で現王の寵臣である父を持ち、しかし生前ヒロインの父の騎士道に感銘と尊敬を抱いている優男風イケメンです。
いわば仇敵の娘と息子の二人ですが、偶然ヒロインの窮地を助けた縁で、目的地まで送ってくれることになり、旅をする間に惹かれ合います。最初はお互い身分も名前も偽っていますが、後半、それらがバレてからのほうが話がドラマチックで素晴らしかったです!
亡き父に忠誠を誓った臣下の5年間に渡る壮絶な逃亡や、お互いの壁を乗り越えて愛を誓う二人や、大切な人を守ろうとする人達…など、後半からラストにかけて涙が滲んでグッとくるシーンがたくさんあります。 
前半は、あっさり恋人になってしまうだけで特に面白く無かったんですが、後半、逃亡していた臣下がヒロインに接触してきたあたりからのストーリー展開が感動で、文句なく☆5です。
内容が濃いので、ストーリー重視派さんにオススメします。
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