あさひなぐ
」のレビュー

あさひなぐ

こざき亜衣

野心

2020年3月13日
メインテーマは野心。この言葉が出てくるのは物語後半だが、1話目からアメリカンドリームという言葉で明示されている。
中学までなんの成果も残してこなかったなんの取り柄もない主人公が人生で一回でもいいから輝いてみたい。そんな思いで薙刀を始める。
そのため、スカッとすることはあまりない。何せ、野心に目覚めたはいいが能力がないため泥臭く頑張り少しずつ認められる。そんなストーリーだからだ。
主人公の頑張りが目に見えて浮かばれるのはなんと12巻頃…。
キャラクターは全て魅力的といっていいが、長期連載の都合上キャラクターを増やしすぎた感じはある。
ピークは20巻前後にあるライバル高校との戦いだ。
それ以降はだらだら続いている印象。
例えるならスラムダンクで山王戦後を読んでる感じ。後半は薙刀で盛り上がんないので、キャラクターの感情で盛り上げている。そのためのキャラクター、掘り下げエピソードが多くなって物語が冗長化している。
とはいえ、これは古今東西の週刊連載に言えること。派手にクオリティを落としていったナルトやブリーチに比べればよほど耐えられるし心理描写が巧みなので面白い。
読んで後悔はしないだろう。
個人的には部長交代の話は傑作だ。
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