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今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


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ブスの瞳に恋をする2020年3月13日まず最初に、男はブスを妥協以外で好きになることは殆どありません。ましてや、主人公のように太ってたらなおさらです。そして、男側がイケメンなら、ブスに惚れる確率はゼロでしょう。
しかし、この漫画はファンタジーとしてそれが成立しています。
なにより、みんなヒロインのコミカルなキャラが好きになり、親しみを覚えます。ヒロインに惚れているのは読者なのです。そして、読者が惚れたからこそ、イケメン君が好きになることに納得がいくのです。この辺の持っていきかたがとてもいいです。
ギャグも面白く、ときおりキャラクター達が見せる真剣な顔も魅力的です。
地味ながらも良作です。
しかし、私が最初に書いたことが現実だと確信していて、その価値観を漫画に持ち込むブスイな人は楽しめないかもしれません。
心がブスな人には楽しめない作品です。 -
野心2020年3月13日メインテーマは野心。この言葉が出てくるのは物語後半だが、1話目からアメリカンドリームという言葉で明示されている。
中学までなんの成果も残してこなかったなんの取り柄もない主人公が人生で一回でもいいから輝いてみたい。そんな思いで薙刀を始める。
そのため、スカッとすることはあまりない。何せ、野心に目覚めたはいいが能力がないため泥臭く頑張り少しずつ認められる。そんなストーリーだからだ。
主人公の頑張りが目に見えて浮かばれるのはなんと12巻頃…。
キャラクターは全て魅力的といっていいが、長期連載の都合上キャラクターを増やしすぎた感じはある。
ピークは20巻前後にあるライバル高校との戦いだ。
それ以降はだらだら続いている印象。
例えるならスラムダンクで山王戦後を読んでる感じ。後半は薙刀で盛り上がんないので、キャラクターの感情で盛り上げている。そのためのキャラクター、掘り下げエピソードが多くなって物語が冗長化している。
とはいえ、これは古今東西の週刊連載に言えること。派手にクオリティを落としていったナルトやブリーチに比べればよほど耐えられるし心理描写が巧みなので面白い。
読んで後悔はしないだろう。
個人的には部長交代の話は傑作だ。 -
水戸黄門2020年3月13日まず、第1話。とてもうまくかけてます。そこからプロデューサーまでは良かったですが、この辺で「響が今度は誰に鉄槌を下すのか」というのが楽しみになってきて、水戸黄門を見ているよう。サブタイトルの小説家になる方法とはなんなんだろう。純文学をテーマにしているにしては情緒や文学的示唆などは微塵もない。作者から純文学に対する愛が感じられない。
エキセントリックなキャラ達が迷走していくが、なぜか響を立てることだけはちゃんとやる違和感。
芥川と直木を取る天才のわりには語彙が普通。暴力に頼りまくるのが一本調子。後半になるにつれテンプレ化。パターン化の嵐。
作者は圧倒的な天才を描きたいと言ってたけどそんな描写はない。芥川と直木の同時受賞という結果の提示ではなくきちんと描写すべき。ほとんどが他者からの評価で、読者に「これは天才だ」と思わせるエピソードがない。
天才少女ということであれば曽田正人の昴の主人公、宮本すばるのほうが圧倒的に説得力がある。
鮎喰響と宮本すばるのどちらが天才かと言われたら100:0で宮本すばるだ。
作者が女子高生の皮を被ってやりたい放題言いたい放題しているようにしか見えず、展開もご都合主義と陳腐さが後半になるにつれ目立ってくる。作者が響というキャラクターを好きなのは伝わってくる。当然だろう。自分なのだから。ナルシズムを感じる。
主人公や登場人物の過剰に強い言動に普段は強い言動に走れないだろう作者のコンプレックスを感じる。だが、それは多くの人が抱いている感覚であるから読者を引き付ける。そして、感情のままに暴れられない自分の代わりに響が暴れることでカタルシスが生まれる。この作品の面白さはここにある。しかし、そんな根暗な楽しみかたをしている自分のちっぽけさにがっくりしてしまう。
また、作者の価値観はうまく隠しつつキャラに語らせるのが腕だが、それがない。
感情的で乱暴な物言いが心に来ることもあるがほとんどのキャラがそんな表現しかできないのは違和感。人間を描けていない。そもそも台詞に頼りすぎ。絵が下手でも漫画なのだから絵で語って欲しい。ここまで偏っていては得意の台詞を活かしたのではなく、台詞に逃げただけだ。
映画化で騒がれたが、読者を引き込むのが上手い以外は誉めるところの無い凡作。天才は変わり者という点がそもそも使い古された陳腐なテンプレートだ。
所詮、凡才には天才は描けない。