積木の恋
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積木の恋

凪良ゆう/朝南かつみ

不器用な積木

2020年4月2日
蓮と加賀谷の関係は不器用さ、拗らせ具合が「美しい彼」のふたりを思い出します。蓮と加賀谷が再会するシーンは静かな緊迫感と切なさで涙しました。蓮が「透」を捨てて「蓮」として生きるまでの背景など人物像がしっかり掘りさげて書かれていて物語は単純なのに単純にできない人の生き方、不器用さにすごく共感できます。普通に生きていても自分をさらけ出すのは難しいもの。全てじゃなくても相手が知りたい、知ってほしい気持ちに応えられるぐらい寄り添っていってほしいなぁと思いました。本文にある子供の積木に例えた一文とあとがきに書かれていた積木に対するイメージの違いの話は考えさせられました。
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