砂時計
」のレビュー

砂時計

芦原妃名子

強いメッセージ性がある名作。

ネタバレ
2020年4月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 杏ちゃんに、家族がいてよかった。大悟がいてよかった。一度大悟と別れ、何年も自立したのは本当に偉いと思います。絶対に必要な時間だった。それでもポッキリ折れちゃうのも、またリアリティーがある。そんなに簡単に乗り越えられる傷じゃないもんね。疲れ果てて、それでも投げ出さない杏ちゃんに、最後救いがあってよかったです。
現実には、家族も大悟もいてくれない人がたくさんいるんだろうなぁ。過酷な運命の中で、前を向き続けることの難しさを改めて感じさせてくれた作品です。
番外編の美和子について、「あの子はどこへ行っても同じ」というおばあちゃんのセリフが、もうフラグ立っていて辛いです。だけど美和子もまた、美和子なりに精一杯生きたんだと思います。
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