失った子供たち
」のレビュー

失った子供たち

堤翔

これはもっとたくさんの人に読んでほしい!

2020年4月7日
一巻のみの作品ですが、かなり良作だと思います。
少女漫画ものには珍しいテイストのSFで、昏さもあるし重さもあるので、ときめき満載のラブストーリーを期待されている方は、序盤でやめてしまうかもしれませんが、
是非そのまま読み進めてほしい!!
話数が少ないながらに、ストーリーに深みがあり、ラブストーリー押しで繋いでしまって中身があまりないものとは訳が違って、本当に引き込まれる魅力があります。
そして、この少ない話数の中で、これだけの登場人物をよくここまで違和感なく落とし込んでいるな、と思いました。
話が少ない作品で、次々と新たな登場人物を加えてしまうと、そのキャラクターの背景や作品流れが見えず、ブレてしまって陳腐になりやすいものを、逆に物語の核の深みに繋げており、謎が深まり面白さが増したところで、終了。
こうなると、伏線がありすぎてモヤモヤが残って不満にもなりそうですが、確かに続きが気になるものの、不満として残るようなマイナスな感情は抱かせない。
単純に、続編あってほしいよね!続編読みたいよね!という、プラスの感想を抱きました。
これで終わってしまっても消化できるが、謎はあるしこれからどんどん深まっていくだろう物語なので続きが読みたい。
そういう絶妙さが素晴らしいなと思いました。

この深みがあるからこそ、この二人の今後の恋愛要素ももっと見たいと思う。
読み終えて、どうしてこれが続編ないの?!と心で叫ぶほどでした。
本当にこれは続編がほしい。

10代の若年層の方で、ひたすら恋模様を彩った作品が読みたいという方には合わないかもしれませんが、漫画も一つの物語。
物語を読むのが好きという、本好きや漫画好きドラマ好きの方にはとてもハマるのではないかと思います。

まだまだ話が広がっていく要素が盛りだくさんなので、この作品をたくさんの人に知ってもらえたら、続編の話も上がるのではないかと思います。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!