気の進まぬ結婚話にだんだん気乗りし始める





2020年4月12日
別原作者で原先生がコミカライズを担当された「社交界の評判」のへスターが、ヒロインのいとこにあたる。面白い役どころで登場するので、既読であったことで広がりを感じた。順番は逆の方がよかったかもしれないが。あちらでは亡くなっていたパーシヴァル卿、ここでは立派なよきおじさま。
手際のいい展開で、たくさん人物が出てきてもくっきりキャラが立ち、しかも徐々にアンソニーに惹かれていくヒロインのプロセスに目配りしっかり。
器用な先生が安定の技術で見せてくれることが、私には逆にちょっと物足りない。
先生の紙の少女漫画を持っている人間としては、お孫さんも大きくなられたであろう先生が、もっと作品それぞれに、ストーリーの違い以外の新しさをマンガに出してほしいのだ。絵が古いと言っているのではない。そんなこと私は気にしない。どのHQもドレスが同じようで、誰もが似たような胸で切り替えのあるデザインかエプロンドレス風。場面転換時にしょっちゅう葉が使われ、テクニックとして巧みだとも思えるのだけれども、多用されると目に付きすぎて食傷気味。ヒロインの相手のポジションの男性がいつも平面的、チャーミングさが薄く、髪型に作品毎の人物の個性を感じにくい、というのが気になって仕方がない。
大ベテランだからこそ、沢山描いてきている訳なのに、寧ろより若手の方が余程、新作を出す度に挑戦し、難しい表現を見せてくれる。
その時代の貴族や上流家庭の雰囲気をもう少し味わいたいのだ。
絵から離れ、話題をストーリーのほうに転ずると、彼のキャラに、最後まで親近感が湧かない。
彼のことをヒロインにとって信用の置けない人物に置く、ドラマ上の演出と思っても、「悲しい子羊」との表現を言わしめるなんて、なんとなく居心地の悪さがあって、彼のキャラに投げ掛ける黒い感触が残る。これを、ヒロインに有無を言わさぬ為の作戦とは後から思い返しても、やり方が不味すぎる。
第一、百歩譲って彼の照れとしたところで、もっと上手な持って行き方を思い付かないとは、貴族の身ながら失業問題などに目配りできる人物と、少々整合性がとれない。
手際のいい展開で、たくさん人物が出てきてもくっきりキャラが立ち、しかも徐々にアンソニーに惹かれていくヒロインのプロセスに目配りしっかり。
器用な先生が安定の技術で見せてくれることが、私には逆にちょっと物足りない。
先生の紙の少女漫画を持っている人間としては、お孫さんも大きくなられたであろう先生が、もっと作品それぞれに、ストーリーの違い以外の新しさをマンガに出してほしいのだ。絵が古いと言っているのではない。そんなこと私は気にしない。どのHQもドレスが同じようで、誰もが似たような胸で切り替えのあるデザインかエプロンドレス風。場面転換時にしょっちゅう葉が使われ、テクニックとして巧みだとも思えるのだけれども、多用されると目に付きすぎて食傷気味。ヒロインの相手のポジションの男性がいつも平面的、チャーミングさが薄く、髪型に作品毎の人物の個性を感じにくい、というのが気になって仕方がない。
大ベテランだからこそ、沢山描いてきている訳なのに、寧ろより若手の方が余程、新作を出す度に挑戦し、難しい表現を見せてくれる。
その時代の貴族や上流家庭の雰囲気をもう少し味わいたいのだ。
絵から離れ、話題をストーリーのほうに転ずると、彼のキャラに、最後まで親近感が湧かない。
彼のことをヒロインにとって信用の置けない人物に置く、ドラマ上の演出と思っても、「悲しい子羊」との表現を言わしめるなんて、なんとなく居心地の悪さがあって、彼のキャラに投げ掛ける黒い感触が残る。これを、ヒロインに有無を言わさぬ為の作戦とは後から思い返しても、やり方が不味すぎる。
第一、百歩譲って彼の照れとしたところで、もっと上手な持って行き方を思い付かないとは、貴族の身ながら失業問題などに目配りできる人物と、少々整合性がとれない。

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ココ さん
(男性/50代) 総レビュー数:0件