俎上の鯉は二度跳ねる
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俎上の鯉は二度跳ねる

水城せとな

漫画なんだけどリアル

2009年8月7日
窮鼠→バタフライ(シーモアさんでは扱ってませんが)→梟と続いた
今ヶ瀬と恭一シリーズ
堂々の完結編です。

漫画だけど、現実…
こんな想い抱えながら一緒にいる
同性愛カップルはいるんじゃないかなぁと思います。

糖度は本当の意味ではないし
いくら開けてきても
まだまだ偏見は多いし、理解も得られない関係…

多分、兄弟が『パートナーだよ』と同性の恋人を連れて来たら
私も、ああそうですかとはいかないですから。
元々がノーマルだから、恭一の自分なりの常識の最大限で今ヶ瀬を思いやるがゆえの、 突き放しや葛藤

距離を置いた結果
それでも恭一のことは
やはり過去に出来なかった
だから縋った今ヶ瀬

どちらも、第三者的に見たら両想いだからこそ
見てるこっちは胃が痛くなるし
『ああっ!もぅ』とじれったくなるようなもどかしさ

結果…2人の壮大な痴話喧嘩に巻き込まれただけの、たまきチャンは
恭一にはふられるし、読者からは一時、目の敵にされるし
散々だった分、2人以上に幸せになって欲しいです(じゃないと割に合わないし、本当にたまきチャンの同僚が刃物持ってなくて良かったね。恭一…あれは刺されても文句言えない状況だよと)

喧嘩しながらも、今度こそ
結びなおした手を離さないで欲しいです。

今ヶ瀬を愛人にしなくても、
2人が喧嘩するだけで
周りは何かしら巻き込まれ犠牲になるようだから(例・夏生とたまき)

男同士がイチャイチャして、周りも何故か公認して、濡れ場多数あるようなBL見て苦手な意識持った方も
価値観変わる一冊です

ちなみに、単行本の方には、本編の暗さと対象的に
明るいオマケ書き下ろしもありますから 単行本の方も一見の価値ありですよ


ハッピーエンドと言い切れないからこそ、リアルなんだと思います
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