きっとまた会える
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きっとまた会える

ジョアン・ロス/橋本多佳子

これはハッピーエンドか?

ネタバレ
2020年4月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 期間限定読み放題。モンクロワ公国の王子王女三兄妹を扱った三部作のうちの一作。他のマンガ家が担当した、兄の皇太子がヒーローの『王子様はお断り』、姉王女がヒロインの『マイ・ボディガード』とあるが、後者は未電子化。
この王室、現王妃も次期王妃も女優、姉王女はアメリカ大統領警護官と結婚。今作のヒロインは婚約者と別れて、アメリカに渡り父なし子を産む(多分記者と結婚)と、ひらけ過ぎた王室でびっくりするんだが、こんな国あっていいのか? 更にヨーロッパ王家でジプシーの血まで入ってるとか、架空の国とはいえ流石に規範がゆるゆる過ぎない?と序盤からかなりつまずきながら読んだ。
登場時は家族で唯一地味だと言っていたヒロインだが、タイムトリップしてからは、育ちの良さが出るのか周囲からは一目置かれる感じだし、銃は撃つわ、暴れ馬は乗りこなすわ、大した道具もないのに銃弾摘出はするわと、規格外のヒロインの間違いなのではという活動ぶり。ついでに、ジプシーの血で未来視?予知?のようなことまでするし、地味という言葉からはほど遠いヒロインだった。
ヒロインの介入で、ヒーローが絞り首を完全に免れ、生き延びる未来を掴むまでの展開は良かったのだが、ヒーローが助けられたところでヒロインが未来に戻ってしまったのはガッカリ。
ヒーローはヒロインと別れたあと五十年近く独身を貫いたのに、ヒロインはヒーローの転生先と思しき相手と恋に落ちそうな展開なのもモヤモヤ。魂は一緒だよ!と言われても、見た目も人格も完全に別人だし、子供は過去のヒーローの子であって未来のヒーローの子ではないし。
素直にヒロインを過去の住人にする終わりじゃダメだったの?と納得しがたい終わり方だった。いっそ未来ヒーローが前世の記憶持ちならなんとか、かな、うーん。
あと、作画担当者さんの初期作なのか、ヒーローの裸体が細マッチョと思うには薄すぎて魅力が…。しばらく牢にいたにしても、少年じゃないんだから、もうちょっと身体に厚みが欲しかったな。
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