架空世界のなんちゃって身分差の恋愛話

ネタバレ

2020年4月24日

このレビューはネタバレを含みます▼ １巻値引き時購入。
メイド、身分差、ヒーローからの溺愛と来れば萌える要素しかないと思って買ったけど、身分設定がヘンテコだし、ヒーローはママンに逆らえないヘタレだしと、今ひとつ萌えきれない話だった。
ヒーローの家は貴族かつマフィアというのが両立する訳の分からない世界観にまず引っかかる人は回れ右するのが無難。
二人が結ばれるハードルを下げたいなら、貴族設定はなくしマフィアだけにするべきだし、上げたいなら貴族だけにすればいいのになんだこの国の設定は。一大犯罪国家かよ。母親は自家と取引のある成金商人を落としめ、ジェントリ階級の医者はアゲアゲ。マフィアに嫁ぎたがる医者の娘というのにもこれまた唸るしかない。
しかも、ヒロインは没落貴族なのに、現在はヒーロー家のメイドという身分。雇われた経緯は１巻では出てこなかったが、ヒーロー母がヒロインを疎ましく思っていることから、ヒーローが我がままを通して雇ったと思われる。しかし、その職種はメイド。昔から好きだと言いつつ、単に没落貴族でいるより更に下がる階級職にヒロインを追いやり、わざわざ結婚を遠ざけるアホヒーローに読んでて頭が痛くなった。
それでもヒロインを常に庇ってくれるならまだ良いのだが、母親の命に逆らえないところがまたダサい。
ヒロインのことを考えるなら、自宅に雇うのではなく他所のもっと身分の高い家に伝手を求めるべきで、更に言うなら家庭教師か侍女か付き添い人ぐらいにするべきだった。少なくともメイドよりは身分は高いし、良縁も狙える。
自宅に雇ったら、ヒロインと迎えられるのはよくて愛人関係。ヒーローは結婚する気があっても、両親が健在のうちはあの態度じゃ絶対無理だろうし、実際息子がメイドと火遊びばかりしてて困るとしか思ってなさげ。速攻ヒロインを追い出さないだけ温情あるよね。
逆転を狙うなら、ヒーローが実権乗っ取るために裏で活動するぐらいだが、１巻だとヒーロー、親の指示に従ってるだけっぽいし、こりゃ無理そう。ヒロインに構いまくったり、僕頑張ってる慰めてーする前に、もっと男を見せろよヒーロー。
今の段階だと顔なじみ商人くんにヒーローっぷりでは負けてるぞ。
オチだけは気になるから完結したら完結巻だけ読もうかな。
あと、コマ枠の話があったが、1話は飾り枠がうるさいほど使われているが2話以降は一部を除いてシンプルになると試し読みの方向けに書いておく。

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たぬきつねさん

(女性/30代) 総レビュー数：48件

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