血の轍
」のレビュー

血の轍

押見修造

圧倒、圧巻。すごい漫画家。

ネタバレ
2020年4月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ とんでもなく引き込まれる心理描写に鳥肌が立つほど。あまりにありありと、人のどす黒く渦巻くものを描き出すのが上手すぎて吐き気がしてくるほどに刺さってきます。下手なホラーより恐ろしい、生々しい人間の複雑な感情がひとコマひとコマ押し寄せてきます。最新刊ではなんだか説明できない涙が出て止まらなくなりました。漫画という域を超えた傑作だと思います。手塚治虫先生の他にはこの方の作品にその素晴らしさを感じました。
表現力に脱帽。全ての作品を読みましたが、いずれにも共通の評価と称賛です!

寺山修司の、家出のすすめを読んだことがある方なら
ハッとするかもしれません。
愛という皮を覆った、愛というエゴの真綿で
子どもの首を絞める、こういう親は実際多いと思います。親をかわいそうに思い、捨てられない苦しみを
少しでも知っている方には、刺さるはず。
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