エトランゼ
」のレビュー

エトランゼ

紀伊カンナ

大好きな作品(4巻レビュー追加)

ネタバレ
2020年5月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 相変わらずの素晴らしい画力とストーリー構成。そしてリアルな人間模様と心理描写。さすがです。
BL漫画は想いが通じて終わる話が多いですが、この作品はそれが海辺の~の1話で終わります。エトランゼは言わばその後のお話ですね。ほっこり(?)日常BL。
読めば駿と実央の二人の関係がとても愛しく思えることでしょう。
もちろん二人が中心のお話ですが、その他の人間模様も良いんですよね。
「周りと同じでないことの何がいけないのか」「自分と違うものをなぜ人は受け入れられないのか」というメッセージがギュッと込められているように感じました。
完全なハッピーエンドではなく、しこりを残したラストなのがとてもリアルで、でも二人でいればこれからも大丈夫なんだろうなと思える素晴らしい第一部の締めくくりでした。

<4巻の酷評レビューがあったので一応補足>
読む前にBLではなくNLとのレビューを見たので、ふみと桜子のスピンオフになっているのかと勘違いしてしまったのですが、全くそんなことはなかった。
ちゃんと実央と駿のその後の話です。5年も経って初々しさもなくなりすっかり家族に馴染んでる感じがリアルでした。相変わらずのふたりに安心します。
変わってしまったものはたくさんあるけど、変わらないものもたくさんある。そんな当たり前の日常を大切にしたくなる温かい巻でした。
今までは実央と駿のふたりにずっと焦点を当てていたのに対し、4巻はそれだけではなくなっただけの話(それがふみの恋の話)。
というかこの作品は海辺の~の時から、主人公の周りは全員男が好きみたいなBLあるあるとは無縁なので、NLがあるのは普通というか今更というか。GLもありますし。
まあ4巻はとっても健全(もはやセッ○スレス?)だし、今まで以上にドタバタホームコメディ色が強くなっているので、エロがないなんてBLじゃない!と言われてしまったら元も子もないんですが。
あのレビューを見て楽しみにしていた人が購入を止めてしまったら悲しいなと思って書かせていただきました。
いいねしたユーザ11人
レビューをシェアしよう!