山へ行く
」のレビュー

山へ行く

萩尾望都

日常の側にある異世界

ネタバレ
2020年5月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 家族に纏わる短編、一部連作。
親を思う、兄弟姉妹を思う、配偶者を思う、子供を思う、親族の繋がり、家族の絆。
ちょっとした心の引っ掛かり、何てことないすれ違い、徐々にズレていく日常。今までとは異なる状況にシフトする必要性、取り戻すパワー。
不思議な出来事、蟠り、思い出、喪ってしまう人、浄化、結束、再生。
実際に見聞きした人や衝撃を受けたストーリーから漫画化したものもあるようです。
『柳の木』は変化する風景と成長する子供、優しく切なく変わること無く寄り添う母親の愛情を的確に表現しています。別の見方をすれば、執着や呪縛にも捉えられる。流石の描写力です。
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