愛人 [AI-REN] 特別愛蔵版
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愛人 [AI-REN] 特別愛蔵版

田中ユタカ

色々考えさせられる作品

ネタバレ
2020年5月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ もう20年ほど昔に描かれたものですね。当時コミックを持ってましたが久し振りに読みたくなり購入。わりとエロの印象が強い作者さんですが、本作はほぼありません。ゆっくりと終わりへ向かう世界が舞台です。死期を間近に控えた主人公と仮初の命を与えられた少女との恋物語。終わりが来るのが分かっているからこそ、今を精一杯に一生懸命に生きる姿が切ない。人は何故生まれてきて、何のために生きるのか。何気なく生きている当たり前の毎日を当たり前にしないようにと、気付かされる作品。人類は自分達の手で地球の環境を変え、生命にさえも手を加え思いどおりにしようとしている。いつの日かこの物語のような世界になってしまっても不思議じゃないと思えてしまって少しゾッとしました。世界からはいつまでたっても暴力は無くならない、無慈悲なこともたくさんある。でもきっとそれ以上に優しさや愛もたくさんあるはず。そう思えました。価格はかなりお高めですが、買って良かったなと。
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