読み終わりまで緊張した





2020年6月6日
木原先生の作品は「灰の月」を最初に読んだせいかめっちゃ身構えて読んでしまう(笑)なんか突然ヤクザに売られるんじゃないかとか窮地に陥りそうで怖い(トラウマかw)結局、怖いことは何もないんですが嘘から始まっていることですごい緊張感があります。浩一がさほど魅力的でない高橋をだんだん好きになっていく心情の変化と葛藤に、暴走する若い恋心に二人が壊れてしまうんじゃないかと最後までハラハラしました。作中、高橋を男と表現することに意図があるのかないのか読了後も考えています。続編で高橋が初恋の人の前で泣くシーンは良かった!後に高橋がプレッシャーを抱えていたんだな、とわかるのがまた…(泣)多感な頃の刺のような欠片のような思いは大人になって傷となるか宝物となるかわからないけどずっと抱えて一緒に生きていく。作者は一番書きたかったのが何か忘れたとあとがきされていましたが私はそう受けとりました。総じてドライな部分を描いているのもリアルで良い。素晴らしかったです。

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