ホッと力が抜けるラスト





2020年6月9日
一生懸命生きているのにうまく行かない。大切な人を大切にしたいのにうまくいかない。自分に欠けている何かをどう補ったら良いかわからず、全てを諦めたように生きる加瀬。前作ではひどく暴力的な役だったらしい加瀬が、別れた恋人に買ってもらったレモンイエローのシャツを宝物に、息を殺したように生きている様子が切なく哀れで、その不器用さが痛ましくて仕方ありませんでした。対照的に明るく前向きなように見えた阿木もまた、過去の痛みに囚われていて。2人の出会いが、周りとの関わりが、少しずつ加瀬の心を、そして阿木の心を変化させていく。凪良先生の心理描写はいつも細やかで何度も胸が痛くなります。今回、ラストはホッと気持ちが解放される甘々も嬉しい!

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savva さん
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