毒母~私のママは世界一~(分冊版)
」のレビュー

毒母~私のママは世界一~(分冊版)

あしだかおる/渡辺やよい

代理ミュンヒハウゼン症候群

ネタバレ
2020年6月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 過干渉と価値観の押し付け·強制で主人公の自主性を奪い支配する母。そしていつまでも純粋無垢でいてほしいために娘が「女」になっていくのが耐えられず、可愛い下着をつけることを許さず、男女交際もおぞましい、はしたないと価値観を押し付けて同意を求める。
ここは母親の私も理解できない心理でした。
娘を自分から離れないようにするため、自傷するなど、支配のための行動が次第に狂気を帯びてくる。そして主人公に火傷を負わせて「甲斐甲斐しく世話をする母親」として医師や看護師に誉められたときに「代理ミュンヒハウゼン症候群」になり、その狂気は更に加速する。
幸い主人公を気にかけて探す人物のおかげで、主人公は生命の危機を救われる。
しかし、母親は自分の病理に向き合うことなく、娘に罪悪感を植え付けるための最悪な行動に出る。無意識かもしれませんが。
唐突に終わった感じがあり、母親の結末にはモヤモヤが残りましたが、あれもある意味「救い」かもしれません。主人公には自分の人生を取り戻して生きてほしいです。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!