働かざる者たち
」のレビュー

働かざる者たち

サレンダー橋本

逆境の主人公

ネタバレ
2020年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ バブル期でさえ、入るのは至難の技と言われた「社会の木鐸」たる新聞社に、まぐれで?入れた主人公。彼を待っていたのは、理不尽な上司、分社化、納得のいかない人事異動等々、読んでいてつらくなりますが、屈折しながらも、もがきくるしみながら、前進していこうとする姿勢には、一定の評価があってもいいと思います。同期にも、少ないながら、理解者がいて、救われるところも。/ バブル絶頂期入社世代の、管理職たちの、手柄横取りなどの、汚い方法を使っての出世レースや、それにハメられてしまい閑職に追いやられた人たちの姿を見るのは、これまた、つらい。しかし、どこの会社でもあることで、よくまあ、次々と、入社2年目くらいで、こんな「濃い」人たちに巡り合うものだと思いますが、それも、のちのち、糧になるかもしれません。/ ハッピーエンドとはいえませんが、同じ作者さんの「三流大学生」を描いた作品よりは、いくらかの救いはあり、同じ世代の、もがいている若い人たちが読めば「こいつにくらべたら、まだ、俺は…」と思わせてくれる、教育的作品だと思います。
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