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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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  • 解体屋ゲン

    石井さだよし/星野茂樹

    現場のドラ〇もん
    ネタバレ
    2023年2月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 青年誌で、これほどの長期連載がされるのはスゴイの一言です。
    時折、過去の名作のビッグネームだけで、あまり内容のない作品がダラダラと続けられていることがあるけど、ゲンさんはいまだ現役バリバリです。

    学生が青年誌を読み始めて、いまでは定年を意識する「熟年世代」に差し掛かるような、それほどの時間のながれで、これだけコンスタントに連載を継続できているのは、作者様も超人なのでしょう。

    その時代ごとに、技術環境の進歩や、世相がわかるのもいいですね。

    生活のため、会社を維持するために、かならずしも「解体業ひとすじ」ではなく、スキルがもったいないような仕事に終始している時期もあれば、国内屈指のゼネコンの社外取締役になったり、人命救助のスタッフの先頭に立ったり、まさに七転び八起きのスーパーヒーロー、それがゲンさんです。

    ただ、人助けのためだからといって、奥さんの独身時代の貯金にまで手を出すのは、ダメですなあ。
  • SE

    此ノ木よしる

    「変女」のビジネスモード発展版かな
    ネタバレ
    2023年2月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 変女より、叡智さがパワーアップした感じですね。男女の体の接触が多い。それでも、作者様の品のよさで、いやらしくなく、甘酸っぱいキュンキュンした叡智さがビシバシ伝わってくる作風は、さすがというほかありません。地区Bを絶対に出さないのに、身体のラインだけで「艶」を表現する技巧は見事です。変女も抜群におもしろいけど、本作では脇役が「はわわ系」だけでなく、とんがった「悪役」(それでも味方)もいい味出していて、パワーアップを感じます。ビジネス展開もおもしろい。疲れた平日の夕方に、おすすめの一品です。
  • 【推しの子】

    赤坂アカ×横槍メンゴ

    まちがいなく「令和初期の傑作」になる作品
    ネタバレ
    2023年2月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 現在配信されている10巻まで読んで、またかえってきました。

    最初は、主人公と、彼を慕うアイドル好きの少女が「夢にまで見た本物」と出会い、繰り広げられるサスペンス劇かと思いましたが、いい意味でめちゃくちゃに裏切られました。

    作品名も、すこし読み進めると「あ、そういう意味で?」と感心しきり。
    中盤にさしかかるころには、初期キャラの印象は消え去り、芸能界の群雄割拠モノになっていきますが、それもまたおもしろい。

    一度、消えかかった、もしくは完全に消えたと思ったキャラが思わぬ復活や成長をして、物語の幅が広がったり、ひとりひとりの「ルーツ」をソコソコ掘り下げていく過程もまた、おもしろい。

    半グレ系の作品でも、そういうルーツたどりはあるけど「こういう環境だから、道を踏み外さざるを得なかった」的な、胸ク〇な言い訳ばかりが垂れ流されて辟易することがあるけど、この作品のキャラの掘り下げは本当に見事であると思う。

    そして、圧倒的に、絵がカワイイ。青年誌に連載されているから、男性ウケを狙ってのことかと思わせるも、女性が見てもカワイイ顔立ちのツボを本当によく抑えている。

    途中から、芸能界出世物語に、またサスペンスの要素が加わってきた。正直なところ、もうそこはいいんじゃないかと思うところもあるが、まだ実現していない「まさかの再会」のためには、そこのところも展開も必要なのかと思う。

    アニメ化も、おかしなイジリをされなければ、大ヒットになるのではないかと。

    将来、令和初期の大傑作のひとつにかぞえられるのは、確実。おすすめの作品です。
  • なみだ坂診療所 完全版

    宇治谷順/向後次雄

    その時代ごとの医療情勢を
    ネタバレ
    2023年1月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 素人ながらかいつまんで知ることのできる作品です。

    ただ、話の「ぶった斬り」が多いです。
    普通ならば「ここから、まとめの1話があるかな?」と思うような、起承転結の「結」の手前で数話のストーリーがおわってしまい、まだ先があると思って読み進めると、まったく別の話が始まっていてぽかんとしてしまうことが何度もあります。

    医療界の方々には失礼になってしまいますけど、理系として最低限の学力があって、体力に問題がなくて、学費に困らない環境さえあれば、たとえ性格が相当にねじまがっていて、どれほど常識に欠けて異常な言動をとる人間でも、お客様から「先生」と呼ばれ、高額の収入が得られる仕事って、世の中に存在するんだなあと、しみじみわからせてくれる作品です。
    (そう思わせる「悪役」たちが凝りもせず何十人と出てきます。)
  • ヤンキーJKクズハナちゃん

    宗我部としのり

    ヒロイン群雄割拠
    ネタバレ
    2023年1月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作品名だけだと「クズハナちゃん」だけがヒロインのように想像してしまいますし、連載開始前の「読み切り」ではそうだったようです。

    しかし、読み進めると最初は敵だった同級生も主人公「早乙女くん」の理解者となり、味方となり、やがて恋する存在になっていきます。以後、これが6人くらい繰り返されながらも、随時メンバーがからみあい、いがみあうわけではないけど、無防備に仲良しというわけでもない、理想的な緊張状態かつ友好関係を続けて、主人公を中心としながらヒロインたちの成長を見ていくことができます。

    やはり、最後には「クズハナちゃん」とゴールかと思わせながら、いいタイミングで新ヒロインが誕生します。早乙女君は、けしてヒロインたちを天秤にかけることはしませんが、優柔不断なところがあり、親・兄・姉目線で「しょうがないねえ」と楽しむことができます。

    最初は、クズハナちゃんをヒロインに限定しての作品名だったのかもしれませんが、結果としてはヒロイン大量発生でよかったのかも。

    「加茂井さん」のようなシリアスな部分は無いので、頭をからっぽにして楽しみたい時におススメの作品です。
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  • へうげもの

    山田芳裕

    大河ドラマが期待される作品
    ネタバレ
    2022年3月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 一部の漫画マニアからは、もうずっと言われていますね。
    信長、秀吉、家康の三人に、運と目利きでタイミングよく仕え、生き抜いた「織部正」の生きざまが、大河の重厚さと、月9のいい意味での軽さをあわせ持った感じで、スケール大きく、描かれています。

    誰もが知る、歴史の大転換点となる出来事に、独特の「新解釈」が施され、さすがにソレはないでしょと思わせながらも「これがホントだったらすごいね」と納得させていく、話の運びも、お見事です。(個人的には家康公の「願掛け」が、笑えて、泣けた。)

    数十年の物語なので、各々のキャラも随所で「賞味期限」が切れてくるのですが、そこに、じつにうまく新キャラが入り込んできて、思わぬ人物が作中で成長する、これまでのイメージを覆す人物設定がされるなど、飽きさせません。
    (とかく、小物キャラに書かれがちだった秀忠が、不器用な性格で、公私に悩みを抱え、それでも前進していこうとする姿を描いたのは、素晴らしい。)

    関ケ原を終えて、家康公が幕府を開闢した時点から、時の流れはスローになり、あえていうなら「消化試合」的な展開になるので、ここでフィニッシュにしてもいいかもしれません。その時点でも、残りが7・8巻あります。

    そのマンネリを打破するために、織部正が、天下泰平を目指しての「仰天プラン」を打ち出し、さすがに無理がありすぎではと思いますが、これによって諸大名の「浪費に苦しむ平和がいいか、ワンチャンありの合戦の毎日がいいか」のジレンマが如実に表されもします。

    ほかのキャラが、随所で代替わりするので、主役である織部正も、嫡男に心強い盟友ができた時点で(驚くような人物)引退すればよかったとも思いますが、数寄者の強引さで乗り切った姿は爽快とも言えます。

    デカスロン、ジャイアントなどなど、度肝を抜く身体の描写に惹かれ、山田先生の作品を読んできましたが、この作品で、後世に確実に大きく名を残す方になられたと思います。(小山ゆう先生に並んだか。)

    ドラマ化するには、まともにセットをつくれば、毎回、1億円はかかりそうですが、ぜひ、どこかの局で、年単位で放送してほしい、平成の名作です。




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  • 深夜のダメ恋図鑑

    尾崎衣良

    下僕とお姫様
    ネタバレ
    2022年2月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 三人の恋愛模様がおもしろい。

    同棲中のダメ男を毎回、容赦無くたたっ斬る展開はスカっとする。

    ただ、ほかのキャラが、付き合う相手は王子様みたいじゃなきゃ嫌だとか、いい年をしてサイコなことを言い、彼氏が苦労してそのとおりになろうと尽くすも、逆に「下僕気質みたいでひく」なことを言い出し、キャラ設定だとはいえ、嫌悪感がある。

    まあ、そんなことを言っていられるのも20代のうちで、こういう女の成れの果てが、どこかの40代半ばの中年オバサンが好き勝手なことを言い、醜態さらしながら、一部からは大絶賛を受けているあのマンガのパターンになるのかと。

    ここの登場人物の女性三人組は、ふたりはマトモですよ。
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  • 先生で○○しちゃいけません!【単話】

    武者サブ

    つくりこまれた作品
    ネタバレ
    2022年1月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ これは、素人が簡単に世間に出せるレベルのものではありません。保健の先生か、お医者さんが作者さんか、もしくは監修されているのではと思うほどの完成度です。

    生徒たちを見ていると、かなり「アホっぽい」「性欲魔人」もいるのですが、国立大を目指して「B判定」をもらっているような生徒もいるので、底辺校ではないようですね。そうかといって、県下有数の進学校というわけでもないようで、だからこそ、こういう大切な授業に割く時間があるのかもしれません。

    お子さんが、中学生になるあたりの親御さんにもおすすめの一冊です。
    実際、ここまであけすけに、親子で語れることはないと思いますが。(^^;)
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  • わざと見せてる? 加茂井さん。

    エム。

    セイシュンの名作
    ネタバレ
    2021年12月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルや表紙から、ありがちな、中学生の性欲解消の作品かと思いきや、笑いあり、せつなさありの、王道の名作でした。エロ要素というよりも、健康的なお色気は、ところどころありますが、中学生たちが主人公なんだから、これくらいは許してくれるでしょ?という程度です。3巻あたりから、ぐっとシビアな展開も含まれてきます。

    たしかに、中学生の時には、人生への不安や、現時点ですでに「とても到達は無理」だとわかる「高み」にある世界への劣等感、家族や友人への愛憎に苦しんでいたんだよなと思い出させられます。

    かなりのイケメンの脇役キャラの少年が、外見はそれほどでもない塾の女性講師と「win-win」で関係を持ち、以後性欲解消の相手になり、転校を機にあっさり「別れて」しまうところなどは、震えるほどの現実味があります。

    主人公の「スキル」からすれば、これほどの美少女たちと友人以上、カノジョ未満の関係になるのは現実にはほぼ無理とは思いますが、そこは漫画です。

    休日の前の夜など、なにかどっしりとしたものを読みたい時におススメの作品です。
  • 転移性恋愛~精神科医のタブー~

    咲間はち子/小野寺ひかり/木原飛鳥/都築みやこ

    罹患中の方は
    ネタバレ
    2021年9月20日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 読まない方がいいと思います。毒親や、ろくに知識もないのに対処法を押し付けてくる知人など、身につまされます。なお、プロとしては、失礼ながら、画力が… 精神科医さんが、がんばって描いておられるのかと。
  • ミュジコフィリア

    さそうあきら

    隠れた名作なるも未完
    ネタバレ
    2021年6月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ さそうあきら先生が得意とする、音楽に身を捧げる若者の、切なくも可憐な世界観が広がります。

    あまり知られていない、音科生(主人公は美術科)の日常の描写も、興味深く、地元では神童扱いされても、音楽科に来れば只の人になり、美術科よりも遥かに身を立てることが難しい、少しでも緩むと置き去りにされる、そんな現実が展開されます。

    主人公は、ありがちではある、名作曲家の婚外子で、同世代の嫡子との愛憎に苦しみながら、才能を開花させていく設定です。

    中盤、登場人物も増え、盛り上がりますが、主人公の恋人となるキャラが、大出世してしまい、いつのまにか、主人公が傍観者のような立ち位置になります。

    最初は脇役だった人物が、どんどん出世して、主人公と逆転してしまう展開は、まるで、森の中にピアノがある、あの作品のよう。

    それでも、なんとか自分を取り戻した主人公が、人生を切り開いていこうとしたところで、完結した、そのように感じました。

    大出世した恋人と、同格になるまで自分も成長する、そんな王道の展開も見たかった、未完の佳作と言えましょう。
  • 大阪ハムレット

    森下裕美

    これぞ森下ワールド
    ネタバレ
    2021年6月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 西日本にすんでさえ、ガサツで平気で人にズケズケとモノを言ってくるというイメージで見られがちな、大阪の人。

    それは、半分ホントで、半分間違いかもしれないが、本作では、大阪にも、ふんわり優しい人たちがいることを教えてくれます。(当たり前なんですが)

    心が、少しつらい時に読みすすめると、涙が流れてきます。何度でも、心の汚れを、洗い落としてほしい。

    全編、主人公はピュアな人たちばかり。救いようのない悪人や、事情あれども許されない登場人物があまり制裁されなかったり、それどころか幼少期に救ってくれた友人が困窮していても助けの手を述べず、かつての共通の敵と仲良くなったりと、必ずしも全員ハッピーエンドではないことも。

    それもまた、現実で、だからこそ、おお甘にならない展開に、心を刺されながら、プラマイゼロからの、ややプラスで救われる、そんな感じの珠玉の名作です。
  • わんぴいす~美少女捕獲し、日本一周~

    クジラックス

    こんなものが販売されている?
    ネタバレ
    2021年5月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 知人からの情報で、資料として思い切って購入しましたが、ありえない展開ばかりで…吐いてしまうほどでした。

    ただ、男女が逆の作品、すなわち「年少者好きの女性たちが少年を囲んで…」といった内容のものが、「ふ」の女性方には受け入れられて「現実世界と性欲は別だから」という主張のもとに、それなりに許されていることを考えると、こういうものを購入する男性の読者ばかりを、責められない思いもあります。

    何巻とはいいませんが、単なるネームのものもあります。
  • きせかえユカちゃん

    東村アキコ

    東村ワールドの原点
    ネタバレ
    2021年4月16日
    このレビューはネタバレを含みます▼ これまで、先生の略歴にて、その作品名を目にしていましたが、ついに読むことができました。

    ぶっ飛びの連続に、大爆笑です。

    課金もいとわず、読み進めました。

    あえて言うなら、序盤が猛スピードのおもしろさのため、6巻あたりから、すこし、落ち着いた展開になり、若干の物足りなさを感じてしまいます。

    季節が何度もめぐりますが、ユカちゃんは、永遠の小学6年生です。

    脇役キャラもどんどん出できますが、みんな濃ゆいため、ゲスト的立場に収まらないで、閣僚クラスで絡んでくるため、すこし「大味」に感じてしまうかもですね。

    こんな娘がいたら、逆に、こんなお母さんがいたら、楽しいだろうなあ。
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  • 3.11東日本大震災 君と見た風景

    平井寿信

    これが被災体験記?
    ネタバレ
    2021年2月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ まもなく、震災から10年となる日を迎えるにあたり、この作品が「体験記」としてクローズアップされていくかもしれません。

    しかし、この作品は、被災県に住む人からすれば、この程度の苦労で「被災者でござい」と、ドヤ顔でビジネスしてるのかと、眉をひそめるような内容であると、個人的には思います。

    たしかに、仙台市中心部に住む人たちも大変でした。ライフラインはとまるし、買い物は3時間まちとか普通になっていたし。

    それでも、家を失った人、家族を失った人からすれば、震災当日に家族全員がそろい、特に食事にこまることもなかった作者さんの環境をもって「わたしはこんなに大変な体験をしました」と、まるで東北地方の代表のような売り出し方、売り出され方をしている姿には、疑問を感じるばかりです。

    あまりになまなましい描写は、多くの人に受け入れられるのは難しいかもしれません。

    ただ、これで、被災地のリアルを語られては、たまらんのですよ。
  • そもそもウチには芝生がない

    たちばなかおる

    同じ女性として…
    ネタバレ
    2021年2月4日
    このレビューはネタバレを含みます▼ わが国の男女平等における「女性の勘違いぶり」を、とてもよく表現している作品だと言えます。

    ぜひ、ジェンダーについて学ぶゼミの学生、男女ともにテキストとして読ませたい。

    男性も女性も、いくつになっても若々しさを保ち続け、人の道に外れないのなら、いくつになっても恋をしたい、そういう気持ちは、とても大切です。

    しかし、ここに出てくる、三人の40代半ばの女性たちは、自分たちの幼さを「若さ」だと勘違いしてすり替え、いまだに自分達には一流芸能人なみの「市場価値」があるかのようにして、分不相応な男性側への要求や「格下認定した男」への不満をぶつけます。それはまさに「人のふり見て…」というものですが、笑ってしまいます。

    40代の「おともだち3人」が共同生活をして、合計4人の子供(全員男子)を育てる姿に、ほかのアプリのコメント欄では「理想的な共同生活」と、大絶賛されています。

    しかし、これがもし中年男性3人が共同して娘3人を育てていたら?
    そんなコメントが出たところ、なぜか投稿者が「気持ち悪い」とバッシングされていました。

    これこそ「女はなんでも許される。男はダメだ。」の典型的なものですね。

    ただひたすら、いままでの男たちへの不満を並べ立て、自分は不運だと嘆き、いい男がいれば、どれほど分不相応な相手でも、自分に好意があると思い込み「つきあってやってもいい。」という滑稽な態度をとる姿には「はずかしから、もうやめて」と言いたくなります。

    所詮、自分のレベルに「お似合い」だっただけの、元カレ、ダンナたちを批判してて、傷をなめ合っているのは御勝手にどうそ。

    しかし「男はタネさえ残してくれたら、あとは死んでほしい」との発言や、別居中の夫の服を一式売り払い、お金をふところに収めるとか(犯罪)社会的にそれってどうなのと思うような展開が少なからずあるのですが、コメント欄は賛辞のあらしです。

    ぜひ、各国の言語に翻訳されて、日本ではこういう作品が絶大な支持を受けるのですよと、日本の多くの女性が「レディーファースト」(本来の意味はひどいもの)とあこがれる、欧米の方々にも読んでほしいですね。

    全編に「女性は40代でも50代でも、何でも許されるオンナノコなの。なんの努力をしなくても、ナイスミドルのエリートや10代のアイドル級の男性に求愛される権利があるの!」という空気が蔓延する名作中の名作です
  • 1年後の3.11 被災地のオフレコ話

    ゆうみ・えこ

    エセ被災体験記より…
    ネタバレ
    2020年12月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ なんか最近いろいろなアプリで、仙台市在住のイラストレーターが身内賛美バンザイで被災地に足も運ばない「体験記みたいなモノ」が出てるけど、あんな眉唾ものに比べると、こちらはかなりマシと思いますよ。主人公の気構えのなさを
    指摘する意見もあるかもですが、当時は皆こんなものだったはず。指輪の件は、どう考えても日本人のしわざではない。福祉を受けている人の一部が、受給したお金で、タクシーで都心部に行き食べ物を買いあさり、避難所でこれみよがしに食べて高額で転売していた脱力エピソードも描いてるほしいと思いました。
    いいね
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  • 大正処女御伽話

    桐丘さな

    震災…
    ネタバレ
    2020年11月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作品のすばらしさは、ほかの方が十分に説明されていますので…

    個人的には、関東大震災に遭遇して避難するシーンが数話にわたって続いたところを読むのがつらかった。

    阪神大震災、東日本大震災を経験した方には(私もそうです)、当時の様子がフラッシュバックして、涙を流すほどに、その悲惨さ、くやしさ、絶望が克明に描かれています。

    ふわふわした感じのストーリーの出だしですが、親子きょうだいでありながらも憎しみあう様子が随所に現れ、かわいい絵柄のキャラクターだからこそ、中和されて読めるのではと思うほどに、展開は重いです。

    ラストはハッピーエンドで安心。作品途中から、珠彦(主人公)の妹の珠子が敵から味方に変貌していく、その兄妹愛が見事です。
  • 兄の嫁と暮らしています。

    くずしろ

    理想的な姉妹
    ネタバレ
    2020年11月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 夫を亡くした義姉と、兄を亡くした義妹の同居ストーリー。実際にはありえない展開とも思うが、そこは漫画。すなおなきもちで読み進められます。妹(主人公)の学園生活が成長につれて奥深くえがかれ、共学校ならではの男女の友情、女子どうしの友情、部活の先輩・後輩の関係が微笑ましいです。義姉は2年目?のまだまだ若い小学校教員で、時折サービス時間外業務や、学校行事にプライベートを制限される場面もあり、この職業の実情をよく表現している。義姉は若干メンタル的に事情をかかえているようで、それはそうだろうなと共感させられる。夫(義妹の兄)を想うときの、ドキッとさせられるような、はかなげなまなざしが切ない。親族を亡くした人には、胸が引き裂かれるようなシーンがあるが、お勧めしたい作品です。
  • 私、スケベ以外興味ないので

    井手美貴

    究極の生徒会長
    ネタバレ
    2020年11月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 頭を空っぽにして笑いたい時にオススメです。飛び出す目玉は、あの「どおくまん先生」の画風を彷彿とさせ、とにかくエッチな妄想にからみつかれる主人公の敬(けい)が堂々としているのはたのもしい。全国1位の模擬試験順位をとるほどの超秀才が、ほかのダメダメ成績の生徒たちが多数を占める学校にいるかいな?なんて疑問は棚の上にあげておいて、妄想ワールドに浸りましょう。サブキャラは、敬のパパがおもしろい。どのくらいおもしろいかは、みてのお楽しみです。わりと最近の作品なので、時事を取り入れた妄想ネタも時々あり、おもしろい。よくこれだけの暴走ギャグを考え付く、作者様は天才です。
  • めぞん一刻 〔新装版〕

    高橋留美子

    お若い響子さん
    ネタバレ
    2020年7月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ まだ黎明期のスピリッツを中三で買い、朱美さんがダメ彼氏からふられる話が、初見でした。この時は、伍代と彼女のやりとりが中心で、まだ響子さんと彼の関係は知りませんでしたが、徐々にはまっていきました。当時は、はるかな大人で「おねえさん」とも呼べない響子さんでしたが、長期連載のうちに年齢が追いついてきて「なんかいろいろこだわってめんどくさいところが多いけど、若くして苦労して、けなげな女の子」になりました。

    最終回の、前夫(故人)の父からの花向けの言葉に、すべてが集約される昭和の名作です。
  • 監獄学園

    平本アキラ

    後半…
    ネタバレ
    2020年7月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 最初から終盤までグイグイ読ませてくれました。コミックス8巻で、ハナさんが大人のチューを知る展開は、かなり遊んだ経験のある男性でも「反応」してしまったとか。

    おしむらくは、終盤の「運動会」が、一年以上?の連載で、長すぎたことでしょうか。

    そして、まさかまさかの、ラストシーン…

    キヨシと花さん、大人になってから、結ばれてほしい。
    いいね
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  • 中卒労働者から始める高校生活

    佐々木ミノル

    主人公の心の中
    ネタバレ
    2020年7月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ とても、まだ18歳とは思えないほどに、成熟した精神を持つ主人公。

    しかし、育成歴、学歴に関しての、コンプレックスともまた違う、空虚な感覚というか、そういうところから、少し「世間離れ」した印象があります。

    週に1回、登校することが条件の通信制高校に、妹とともに入学。

    その日、超お嬢様の新入生と初対面し、恋に発展していきます。

    ある事件により人間不信となり、学校に通えず、こちらの高校に入学したお嬢様ですが、現実には、こう言ってはなんですが「庶民の通う学校」よりも、よりハイソなスクールへの、なんらかの方法があったのではと、中学生の親戚の子供でさえ言ってますが、それを言ったら、漫画になりませんね。(なんと、子供のころからの「お付き」の少年まで、一緒に入学してきます。)

    通信制でも、さまざまな行事があり、高齢者、シングルマザーと、さまざまな背景を持つ「同級生」らと親しくなり、人間的にも成長していく主人公の姿には、好感が持てます。

    中盤「トミー編」は、キャラの独特さもあり、少し、読み進めるのがつらいところもありますが、それで離脱するほどでもなく、一定の評価ができるシリーズでもあります。

    妹と天涯孤独のように思っていましたが、どうしようもないクズの父親が存命で、カネをたかりにくることも。ここは、読み飛ばしてもいいかもしれません。

    さわやかな読後感が残るという作品ではありませんが、壮絶な復讐劇など読んだ後の「中和薬」として、おすすめの一品です。























  • 姫乃ちゃんに恋はまだ早い

    ゆずチリ

    こんなむすめがいたら
    ネタバレ
    2020年7月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 毎日、たのしいだろうなあ。(母目線)

    小学四年生の姫乃ちゃんは、お隣の席の「オージ」君が大好きで

    いろいろと「しかけ」をするも、天然標準の4年生男子の彼には、スッカスカにはずしまくり…

    それでも、めげずに、アタックしていく。

    まあ、好きな子が、同じクラスの隣の席になるだけで、女子にとってはミラクルであり、

    さらには、席替えまでも、再度おとなりになるというメイクドラマ…

    (ふつうは、先生の権限でノーカンになるはずですが、野暮はいいますまい。)


    いまさら、姫と「オージ」なのだと、気がついたころには、美人の女子大生の姫乃ちゃんのお姉さんが登場。

    このお姉さんがまたいい味だしてる。全面的に助けてあげるわけでもなく、からかうわけでもなく…

    作中では「美人!」「美人!」と言われてますが、まあ、そこそこの美人さん?

    姫乃ちゃんが成長したら、格が違うほどに美しくなるとは思いますが…

    作中、男子グループにも平気で中に入り、男勝りの遊びを展開する「ライバル」の女の子も登場します。

    その子は、オージ君には男子としての視線ゼロなのですが、自分よりもぐいぐい近づいていく彼女に、やきもきする姫乃ちゃん。

    昼休みに、1話、こころのセンタクに、おすすめの一品です。
  • 怨み屋本舗WORST

    栗原正尚

    連載開始当初は
    ネタバレ
    2020年7月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 失礼ながら、顔のパーツ構成すら「?」な画風でしたが(主役の唇がヘンに突き出して

    いる。等)、飛躍的に画力が向上されて、今や青年誌作品で屈指の美しさと思います。

    どちらかというと「モラル犯」のレベルの社会のクズどもに鉄槌を下す展開が多く、も

    う、目を覆いたくなるような悲惨な事件と、それに対しての同等の復讐という場面は、

    少なめです。(上級国民一家の末路は、グロ描写がありながらも、かなりスカッと

    しましたが。)


    たびたび、生活保護不正受給者の問題が出てきますが、主人公は一貫して「私は、

    この制度自体は、社会に必要と思う。それゆえに、不正を犯す者は許さない。」旨

    を述べて、ダニどもを地獄に落とすところは、何か背景があるのかと、時折、感じ

    ます。

    (主人公は、かなりの裕福な家庭の出身のようですが…)


    個人的には、十二月田(しわすだ)君の存在があるから、読者も「息抜き」ができ

    て、キツイ展開にも対応できているような思いがします。愛すべきキャラクターで

    すね。あとは、役所勤めの、主人公の弟くん?「役所は情報の宝庫」と言い切り、

    情報を「公務外で不正に」ゲットして作戦を立てたりしますが… 市役所のレベル

    では、限界もあるのではと、野暮なツッコミもしたくなりますが、OKです。


    野獣の犯罪には、野獣扱いの報いを!まではいかない、それでも、十分に悪の領域

    にいる奴らへの復讐劇が、毎回楽しみです。
  • 正直不動産

    大谷アキラ/夏原武/水野光博

    どこの業界も…
    ネタバレ
    2020年7月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ある程度は「客をだます」ことをしなければ、稼いでいけないのは、事実です。

    ただ、不動産屋さんについては、学生の時から、一定の不信感というか…

    「退去の際に、シンク、バスタブの新調も、当然に借主が負担していくこと!」なんて、家主と不動産屋がタッグを組んでの、ありえない要求など、当たり前にされていましたからね。

    敷金は、1万円でもかえってくれば「やった!」と喜ぶ「無知・無垢」な客が、どれだけ、ボラれていたことか…

    本作は、途中から読み始めていたので、主人公を「誠実な、信用できる営業マン」として、ずっと読んでいたのですが、1巻から読んでみて、仰天!

    なんと、仕事も私生活も、すべて自分本位の、かなりのドクズであることがわかりました。

    とにかく、ちょっと、いくらなんでも、ここまでヒドイひと、いないでしょってくらいです。

    それが、ある日、かなりのばちあたりなことをしでかして…

    その罰?として、肝心な場面で「正直」なことを話さずにはいられない「体質」になり、業界の悪習慣や知識のなさにつけこむ悪徳同業者から、お客さんを救っていくという初動展開でした。

    現時点では、もうすっかり、善人になった感のある主人公ですが、じつはまだ、腹の中には一物を持っているのではと、ついつい、勘ぐってしまいます。

    宅建を持っている人なら「常識」ともいえる、ギリギリの嫌がらせの手法が、次々と「敵」側から繰り出され、主人公もそれに知識で対抗していくというパターンですが、実際に、カネをかけて、ここまでやるか?な展開もありますが、奥の奥を知っておくには、読んで損はありません。


    この作品にて、「契約の説明?失礼ですが、あなたは、宅建の資格をお持ちですか?ただの事務員さんではないですよね?」くらいは、堂々とカウンターで言えるような

    (実際、宅建ホルダーでなければできない、契約と重要事項説明を、ただの事務員に説明させている不動産屋はかなり存在する。)

    なめられない「店子」になる人が、この作品を読んで、増えればいいなあと思います。いまだに、都市ガスが十分にゆきわたっている地域でありながら、業者からリベートをもらい、プロパン設置にしている、または、単身者向けの部屋なのに、電力会社から何かあるのか、家族向けの50アンペア設定(基本料金がケタで違う)にしている家主など、何万人単位でいるのですから…
  • ハロー張りネズミ

    弘兼憲史

    最高傑作!
    ネタバレ
    2020年7月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様の、若き時代の作品にして、最高傑作と思います。

    同じ作者の作品として、代表作とされる、スケベと運でのしあがっていくサラリーマン漫画より、よほど、好感が持てると思います。

    たしか、70年代後半から、80年代前半にかけての作品なので、いま読むと、絵柄や設定は、当然のようにふるいですし、探偵にしては「捜査道具」が「そんなものも、持っていないの?」と、驚くこともありますが、楽しく、ドキドキ、読み進められます。

    個人的には「特別なビリヤード」台を準備して、関係者の潜在された悲しい記憶をよみがえらせる作品が、秀逸で好きですね。

    スケベサラリーマンに、負けず劣らず、すぐに、情報を得るために、女性と寝てしまう主人公ですが、そんなに、イケメン!というわけでもないのに、そういう関係になれるのは、先生の作品特有のうらやましい展開でもあるのですが、相手も割り切っている感じで、スケベサラリーマンのように、まだ心が残っている相手を、出世したから、もう君とはバイバイな非情さはなく、ほんとに、割り切って読んでいけます。

    個人的には、あの「矢印」が、すきですね。
  • 課長 島耕作

    弘兼憲史

    稀代の「クズ人間」の出世物語です。
    ネタバレ
    2020年7月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 実際に、それなりの立場で社会活動をしている女性たちからは、この方、かなり評判が悪いのです。

    まだ、昭和50年代という、はるか昔の物語であるとはいえ、とにかく、簡単に社内外の女性と情交をかわします。

    すべて女性と合意のことではありますが、いくら「ふんいきイケメン」な上司が相手だからと、こうも簡単に、うら若き女性達が、二次会にカラオケに行くような感覚でベッドインする様子には、この時代はそんなに娯楽がなかったのかと、理解できないところです。

    初期の頃は、とにかく、出世していくために、敵が多いです。中には、かなりたちの悪いやつもいるのですが、なにぶん、このスケベサラリーマン、けっこうお間抜けで、脇が甘いため、すぐに致命的な弱みを握られたりします。

    それを解決するために「どうすれば?」と条件交渉すると、大概、ヒヒジジイどもが「お前のオンナを差し出せ」と、これまた、この時代ならではの吹っ掛けをしてきます。

    普通の感覚の持ち主ならば、毅然として断るところですが、この方は「そういうわけなんだ。でも、僕は…」と、視線チラッチラで、そのときの情交相手に話します。すると、聖母のような女性たちが「わかったわ」と、その敵キャラに抱かれに行きます。

    そして、事後にすべてが解決すると「すまない」で済ませて終わりです。そして、またミラクルにより出世です。犠牲になった女性は、自分から身を引いていくと、いう、まさに男性目線の極楽展開が繰り広げられます。

    こんなことの繰り返しで、自分は順調にのし上がっていく一方、理不尽な切られ方をする同僚や部下がいても「決まったことは、仕方がないことだね。」と、いっさいの救いの手もさしのべません。

    本当に、時代と、そこそこのルックスに恵まれただけの人なのでは?と、深く考えさせられます。

    今なお「相談役」として連載は続き、日本の経済界の要職にもつき、人格者たる好々爺として活躍していますが、とんでもない、いったい何人の女性を踏み台に、犠牲にしてきて、その椅子に座れているのかと、怒りさえわいてきます。

    言われているほどの男ではない、でも、こんな男でも、運だけで、出世していける時代があった、と、女性管理職の方々の反面教師のテキストとして、大おススメの、評価「5」を差し上げたく思います。
  • 流行唄

    柳沢きみお

    イケメン?か
    ネタバレ
    2020年7月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 微妙なところの、たしか、レコード会社の役員の物語。

    時代が、昭和末期に、レコードが壊滅的に売れなくなったところから、CDの開発により、若干、息を吹きかえし、さてこれから音楽業界は、どうなっていくのかと、とても不安定な時期でした。

    そのうち、プレーヤーにかけたら、映像が浮かび上がるCDができる、音楽と映像を一緒に見ることのできる「媒体」が生まれるはず!なんて、言われていた時期でも…

    そんな中、なんとか、国民的大ヒットを出そうと、役員である主人公が、(自分から見て)実力次第での人事の入れ替え(下剋上)をするなどして改革をこころみますが…

    中盤以降、登場する「天才作家」の個性が、とにかく強烈で、この人に、かなり主人公が「食われて」しまった感があります。


    ミニ島耕作というか、アチラのように「自分のオンナ」を、弱みを握ってきた敵に、条件として差し出すといった非道はしませんが、そこそこ「自動的にモテて」、けっこう、羨ましい展開もあります。

    最終的に、彼は、メガヒットを、出せたかどうか…


    柳沢作品の中では、かなり、地味な印象ですが、某嫁探し物語のように、ダークサイドに落ちたままずるずると何十話も引っ張ったのに比べれば、潔く、完結を迎えた作品ともいえます。
  • 健康で文化的な最低限度の生活

    柏木ハルコ

    公務員の苦悩?
    ネタバレ
    2020年7月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ それを、よく描いた作品だと思います。

    警察官・自衛官・消防官・国税専門官・労働基準監督官等は、本人が「一生その専門職で生きていく」ことを、自ら志願して試験を受け、合格して就く公職であり、採用された日から「専門養成機関」に配属され、かなりの時間をかけて関連法令や「実技」を叩き込まれ、卒校後は、相当の「公権力」を持たされ、現場に配属されます。

    一方で、生活保護のケースワーカーは、あくまで「一般事務職」として採用され、「定期の人事異動で配属された『ただの』事務官」であり、業務知識「ゼロ」の状態で配属されます。この主人公のように、新卒で、そもそも公務員というか、社会人としてのイロハもわからない状態での配属もあります。

    よく「ケースワーカーって、福祉職でしょ。甘えるな。」という方がいますが、たしかに「保健師さん」がいたり、また嘱託の支援員さん、中には「県警OB」がいる事務所もあるようですが、それはほんの数人で、ほぼ全員が、別に上記のような訓練など受けていない「一般事務職」の方々です。

    これは、たとえば、都市計画課から水産課へ異動…などとは、比較にならないほどに大変な異動のようで、大抵は「連休明けまでに、法令を抑えてほしい」などとう悠長な期間などはなく、初日から100世帯のケースのファイルを渡され、次々とくる相談者や電話に対応し、とても「勉強」などしている暇はないそうです。

    主人公を未熟として批判される方もおられますが、そもそも、新卒に生活困窮者家庭の「救済」を任せるなど、研修医に脳外科手術のオペを医師単独でやらせるようなもので、無理がありすぎます。

    あとは、「公権力」ですかね。ある程度、もっと持たせるべきではないかと。警察官など、自分に暴言を吐いてきた住民が、制服に手を添えただけで「公務執行妨害」で現行犯逮捕も、その気になればできます。その一方で、CWはただひたすら暴言やセクハラ発言にも耐え、隠し財産が疑われる時も「捜査権」などなく、受給者の「任意」に頼るしかない… 公費で生活を保護されている人(下に見るわけではないですが)に、どこまで、頭を下げて心を開いてもらう努力をしなければいけないのか…

    公務員なんて、税金泥棒!と、公務員も給料から税金を天引きされていることすら知らない方々に、ぜひ読んでほしい作品と思います。
  • 前科者

    香川まさひと/月島冬二

    タイトル…
    ネタバレ
    2020年7月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「保護司」では、普通過ぎて、ダメだったのかな?

    主人公は、まさに「世の中における究極のボランティア」とされる、まだ若い「保護司」さんです。

    役所からは「先生」と、持ちあげられるも、報酬ナシ(わずかながらの「手数料」が出ることもある。)、交通費ナシ(担当予定の、出所が近い受刑者に、刑務所や少年院に面会に行く時の実費が出るだけ。)で、面倒を見る対象は「元犯罪者」であり、だれもが改悛して出てきたとは限らない。本当に、どれだけの人徳があってやっているのかと思うほどです。

    全体として、平均年齢は、60歳と少しで、女性は4分の1だとか。そうすると、本作の、まだアラサーくらいの独身女性が保護司を務めているというのは、かなりのレアケースといえるでしょう。

    序盤は、出所者よりも、その周囲の人物に相応のクズがいて(元のヤ〇ザ仲間でもない、近所のワル爺)、身の危険さえ感じることもある主人公… 本当に、こんなわりにあわないこと、なんのためにやっているのか…

    幸いにも、どの指導対象者にも「恵まれ」?、自身も成長していく様子が描かれていきます。

    一方で、どんなに改悛しても、「前科者」への風あたりは強く…

    また、その、一方で、犯罪者により、家族が二度と戻らなくなった被害者側も出てくるなどして、読み進めるには、かなりの精神力が必要と思います。

    絵柄に、少々、特徴があり、また「現実には対象者とこんなことにならんだろう」という描写もありますが、人間の心の深さを抉る、佳作といえるでしょう。
  • そしてボクは外道マンになる

    平松伸二

    超生き残り、一握りの…
    ネタバレ
    2020年7月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 才能と運を持ち合わせた、そして、なにより、ご本人の努力により、昭和50年代から現在にいたるまで、第一線で作品を描き続けておられる、日本で十指、いや、五本の指に入るであろう、超「長命」一流作家である、平松先生の、デビュー期の「人として扱われない感」に、涙せずにはいられない、ど根性物語です。

    あの、ハードボイルドに満ちた「ドーベルマン刑事」で鮮烈かつ強烈にデビューした方とは思えないほど、ガラスのハートの、純情な青年である、若き先生が、あまり「人権」という言葉を知らない、超一流出版社の編集部の皆様に、クソミソにされながら、また、年上のアシスタントにバカにされながらも、実力でのし上がっていくさまは、まさに、快作!

    正直なところ、ここ10年くらいの作品は、過去の「財産」をリサイクルしていたり、かなり、独特な路線にいってるなあと思うものが多かったのですが、ここから、また、新境地を期待したくなるところです。

    脇役の、かつての大作家の先生がたも、いい味だしていて、好感が持てます。今で言うなら、いまだジャンプの帝王である、鳥山明先生よりも、はるか「高み」におられた中島先生が、平屋の公営住宅のようなところにお住まいであったり、

    男一匹ガキ大将の、戸川万吉の恰好そのもので登場する、本宮先生が、作家の人権を無視する言動をとりつづける編集部に乗り込み、なんと日本刀を振り落として、業務用デスクを真っ二つにしてみせたり


    また、かなりマジな描写として、過去の担当編集者の、あまりに社会人としての礼節を欠いた行動を取り上げ、1ページを「文字」のみにて、いかに失礼な行動であり、自分はいまでも怒っているかを、大真面目に訴えておられたりと、いろいろと考えさせられるシーンもあります。


    まあ、北斗の原先生でさえ、デビュー時は、クソノロマ呼ばわりされていたらしいですからね…

    「人権啓発漫画」として、図書館に完備されてもいいほどの作品です。マジでね。
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  • トモちゃんはすごいブス

    森下裕美

    傑作!
    2020年7月6日
    先生の作品は、1984年発売のデビュー短編集「荒野のペンギン」以来、愛読しておりますが、本作は、その復活を思わせるほどに、人間の持つ業というか、深い心理背景に惹き込まれました。

    その数年後に「少年アシベ」と、コミカル路線で大ブレイクしたのは、当時、意外で、それでも、そういう作品も好きでしたが、やはり、こういうのを、ずっと待っていたという気持ちです。

    個人的には、全国の人が集まる機会にて、みんながアクセントありながらも、標準語で話す中で、かたくなに?自分たちの言葉で押し通す、関西の一部の方は苦手なのですが、本作は関西(大阪?)が舞台なので、気になりません。

    みんな、幸せになってほしいなと思いながら、読み進めます。
  • イケメン外国人たちとベッドで異文化交流した結果。

    音咲椿

    日本人女性が…
    ネタバレ
    2020年7月3日
    このレビューはネタバレを含みます▼ それこそ、イケメン外国人さんたちの間で「イエローキャブ」すなわち「黄色いタクシー」まあ、つまるところの「公衆便所」と呼ばれていることを、作者さんは、ご存知でしょうか。

    ネタバレになりますので、どのような御交流をなさったかは、ここでは、伏せますが。

    黒髪ストレート、小柄、従順、こちらが何を喋っているかわからない…

    ワンナイトラブ、どころか、ワンタイムプレイのために「本国の女性達には全く相手にされない」、イケメンさん達(に見える、白人デフォルト勝利の冴えないオトコたち)にとって、交流パーリーに「コスモポリタン」気取りで。おめめギラギラでやってくるイエローキャブちゃん達は、これ以上ない、お手頃な「スナック菓子」程度の存在なのです。お金まで、払ってくれるという、おまけつき。

    もちろん、マジメな国際交流な男女交際をしているカップルも、たくさんいます。知り合いにも、よくいます。

    ただ、それ以上に、あまりにもたくさんのイエローキャブちゃんを目にするのも、事実です。

    日本人男性が、世界各国の女性に、無条件で「モテる」ことなどありえず、また、

    この主人公のように「黒髪と、本国のそばかすだらけの女性とは違う、キレイな

    肌」を強みにして、出会って早々に「ベッドイン」することなど、ありえないもの

    でして…


    女性の視点からしても、あまり、日本人女性、ひいてはアジア人女性の価値を下げ

    ないで~と、ひやひやハラハラぷんぷんしながらを、楽しめる人には、おすすめで
    す。

    白人さんて、いいな!
  • ワタシ以外みんなバカ

    かたおかみさお/egumi

    いますねー
    2020年7月2日
    こういうヒト科の生物。

    でも、実際、外見に恵まれなくても、努力を重ねて、重ねて、女子御三家から、旧帝へ、上場企業や中央省庁へ、とステップアップしていく人もいるわけで、一概に全否定はできないかと。

    まあ、本人も、人望ゼロを自覚しているようなんで、やれるとこまで、やってみれば?と、少し応援したい気持ちにさえなります。

    まだ、読み始めたばかりですが、彼女、ここまでイキるからには、一部上場企業ですよね?

    失礼ながら、中堅どころで、これだけ自分礼賛してるなら、かなり痛いなぁ…
  • 報復刑

    トータス杉村

    報復刑に賛成です。
    ネタバレ
    2020年6月29日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 冤罪があったらどうするのか、現代の仇討ちをして、本当に遺族は救われるのか、そういった問題は、また別次元の話として論ずるべきもので、この「被害者が受けたものと同等の方法を以て、加害者遺族に死刑を実行させる。」報復刑制度は、画期的なものです。

    「なんとなくセッ〇スがしたくなった」などという、理由にもならない、獣の本能で、女性の尊厳を冒涜し、死に至らしめておきながら、弁護士の助言で「いざ、未知の性の世界に身を置いたら、夢を見ているかのような非現実的な感覚に包まれ、自分が犯罪をおかしているという実感がなかった。」などという信じられない供述が通り「加害者には更生の余地がありー」などとし、数年で出てくる…

    こんな、馬鹿な話があっていいものか。

    本作では、救いようのないクズどもに、悲しみの遺族が、国家公認のもと、思う存分に復讐の鉄槌を下してやる姿は、爽快の一言です。

    中には、あまりに残虐な方法であったため(数十か所メッタ刺し等)、同様の手法で報復している最中にクズ加害者が絶命してしまったり、執行後に「目標を失った」遺族が命を絶ったりと、やりきれない場面もありますが…

    遺族に何通も反省の手紙(ウソ)を書き、「許しました」の返信を受け、内心狂喜乱舞するものの、それこそウソで、手渡された数時間後に、「天国から地獄」の絶望のもとに刑を執行される回などは、まさに傑作。

    野球少年の息子が、所有するバットをクズ不良どもに奪われ、嬲り殺しにされた父親が、報復の前に、体を鍛え、野球の「経験者なみ」のスイングのスキルを身につけてから、加害者どもの頭部をジャストミートしていく様子は、爽快の一言です。(未成年も報復刑の対象となります。)


    これまで、被害者が受けたものと同等の残虐さを以て、犯人に制裁を下す(場合により遺族にも見せる)「裏」の復讐代行業の作品もありましたが、遺族が刑務官らの目の前で、公然と死刑執行の手を下せるこの制度は、多くの人をやりきれぬくやしさから、救うことでしょう。

    唯一の盲点?は、被害者の遺族にのみ報復の権利があり、婚約者を殺された青年などには、報復が許されないといったところでしょうか。

    実際に復讐の事件が発生すると「こんなことをして、亡くなった被害者が、天国で喜んでいると思うんですか。」などと言っているコメンテーターなどにも、ぜひ読んでほしいと思います。
  • 夢王【合冊版】

    成田マナブ/倉科遼

    安定の展開
    ネタバレ
    2020年6月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ この原作者の先生の、王道ともいえる、出世物語です。(批判ではないです。)

    ほかの作品にくらべると、「サポート側」である、スカウト兼ボーイの、田舎育ち(高校時代の風景の描写等から、そう思われる)の少年が、実はスカウトとしての「天賦の才能」を持っていて、上層部からも気に入られ、どんどん、上にのぼっていくという、シンデレラ?ストーリーです。


    ただ、これは、九州、特に、福岡の人であればこその、違和感なのですが…

    天神・中州・博多と、地元では、完全に「分離独立」した繁華街が、すべて「博多」というおおきなくくりの中で存在しているように描かれ、かなりの「?」な感じがあるようです。

    たとえるなら、ちょっと「規模」と「それぞれの距離」は違いますが、渋谷と、池袋と、歌舞伎町とが、「新宿」とよばれる、日本最大の繁華街のエリアのなかにあるような、そういう紹介の仕方といえば、よいでしょうか。

    実際、博多って、いまは、どちらかといえばビジネス街、昼の街で、京都ほどではないですが「博多っ子」を名乗れる人は、福岡市博多区という行政単位の中で生まれ育った、かなり限定されたエリアの人々です。

    それが、福岡市内にいるだけで、誰もが「博多の人」と自認しているような描写で、かなりの違和感があるようです。

    そこらへん、取材とか、考証設定とか、ちゃんとしていたのかと。

    まあ、作品としては、そこそこのおもしろさで、先生の作品をコンプリートしたいという人には、おすすめです。
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  • ど根性ガエルの娘

    大月悠祐子

    あの国民的大ヒット作の作者が…
    ネタバレ
    2020年6月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ まさかの、ここまでの、クズ男だったとは…

    天才とは、どこか、かけてしまっているものとは、擁護的に、時折言われますが、この父親は、もう、異常人格者です。(あの、日本漫画史上、最高峰の、お医者さんでもあった、大先生も、かなり、いろいろと、後年、元編集さんなどから「暴露」されていますが、作品を追及するあまりの、わがままみたいなもので、それに比べると…というか、比べること自体が失礼すぎる、まさに「本物」です。)

    「同じ漫画家をこころざしたものの、偉大過ぎる父と、自分のレベルのあまりの違いに悩みながらも、ひたむきに頑張っていく、二世ならではの悩みを背負ってしまった主人公の、奮闘ストーリー」なんて、期待して読むと、頭をかち割られるくらいのショックを受けます。


    母親も、おそろしいまでのサイコパスで、一見、善人にも描かれる弟も、かなり怪しい。

    せっかく、「独立」して、家庭を持っても、夫も… そして、もしかしたら、自分も… と、堂々巡りの、精神を病んでしまった人たちの日常生活、とはいえない、異常な人生を列挙していく作品です。

    なお、時系列が、数年単位で、あっちこっちにいきますので、頭を整理しながら、読んでいくことが必要です。

    まだ、途中までしか読んでいませんが、とにかく、どんなに一発大当たりした作品を描いた人でも、その人のパーソナリティ次第で、どこまでも落ちていってしまうのだなと、重い気持ちになってしまいます。

    たしか、15年くらい前から、2回ほど、パ〇ンコ機のキャラクターになったようですが(私は、パチ〇コはいっさいやらないのですが)、聞くところによると、あの業界での、いわゆる「版権料」って、作品にもよりますが、たぶん、数千万円は、一回あたり支払われたであろうとは、ぱちんかーの知人の話です。

    そのお金、たぶん、母親が、全部持って行ったんだろうなあと思うと、ただただ、せつなく、哀しくなります。

    主人公は、じつは「一回、当てた人」で、実力はあります。

    どうか、もう一度、その才能を開花させてほしいと思いながら、読み進めます。
  • 君が僕らを悪魔と呼んだ頃

    さの隆

    胸糞展開…
    ネタバレ
    2020年6月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ まだ、途中までしかですが…

    外見は、ごくごく平凡というか、どちらかといえば「いじめられる側」に見える主人公が、記憶をなくし、周囲の人物から、自分が、救いようがない「悪魔」だったと知らされるところから、始まる…

    そこから「無垢」の状態に戻った主人公が、良心の呵責に苦しむかといえば、そうではなく、むしろ、だんだん、悪魔としての表情を取り戻しながら、過去を確かめていくという展開は、かなり、グロというか、胸糞への耐性がない人だと、無理だと思います。

    もう、「いじめ」という表現におさまるものではなく(ある程度のいじめなら、許されるというものではありませんが)、傷害致死レベルで、主人公は、人格異常者として「医療少年院」送致すべき、二度と世間に戻してはいけないほどの、ゴミクズです。

    この華奢な体で、どちらかといえば、本当に「さえない風貌」で、どうして、これだけの犯罪者グループのリーダーにまで、なることができたのか。

    物語が進むうちに、明らかになっていくのでしょうが、よほど、ホラー好きの人でなければ、わかったとして、読んだとして、なにも残らないような気もします。

    この「紹介画」?に「騙されて」はいけません。

    まさに、羊の皮を被った悪魔が主人公です。
  • ガウちゃんといっしょ

    河上だいしろう

    最初はたしかに…
    ネタバレ
    2020年6月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 何これ!?な、外見のガウちゃんですが、徐々に、かわいくなっていくのは、不思議です。

    まあ、ふてくされた表情などは、中年オヤジそのものので、とてもかわいいとは、言えないのですが…

    作品が進むにつれ、同じ「ガウちゃん飼い主」さんも出てきて、交流も…

    種類はいろいろあれども、同じペットを飼っている人どうしならではの、かわいさを語り合ったり、病気になったときの注意点などの情報交換のシーンは、うんうんと、よくわかり、共感と好感が持てます。

    唯一、マイナス1は、主人公(20代後半、30手前くらい?)の女性が、最初は「飼い主さんどうし」で知り合った年下の男子が、なんと新入社員で入社してきて、同じ部署になるという、漫画にありがちな展開となり、それはそれで、アリなのですが

    食事から、飲みに流れて、結局、後輩男子が終電を逃し、飼い主どうしの交流時でもそんなことはなかったのに、主人公があっさりとひとりぐらしの自宅に招き(ネカフェもあるにはあったらしきことも言われてる)、なにもなかったとはいえ、一夜をともにするところだけは、個人的には「?」ですかね。

    そんなもんかな?とも思うのですが、まず、社会人であれば、彼女でもない「女性上司」の部屋に、会って数回の段階で、明け方に帰ったとはいえ、夜中に上がり込むか?と、ガウちゃん以外のところで、ちょっと、モヤモヤしました。(べつに、潔癖症ではないのですが、あまりの展開の速さに、ちょっとついていけなかったというか)

    このふたりがどうなるかも含め、ガウちゃんとの日々を、読み進めたいと思います。
  • シガレット&チェリー

    河上だいしろう

    タイトル通りの
    ネタバレ
    2020年6月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ タバコを吸う女子と、チェリーの男の子の恋愛ストーリーです。

    いわゆる「大学デビュー」をねらう、わざわざ金髪にまでして、イキって喫煙所に「初タバコ」を吸いにきた主人公が、たまたまいた「大学院生」の美人さんと、世間知らずの怖いものなしゆえの強引なアプローチにより、徐々にお近づきになっていくという、ある意味、夢のストーリーです。(皮肉抜き)

    実際には、どちらも現役合格として、年齢が4つも離れているこの世代としては、えてして「一回くらい、お情けデートしてあげて、ていよくあしらわれておわり」になるのがいいところですが、そこは、漫画なので、ぐいぐい、夢の展開が続いていきます。

    街を歩けば、誰もが振り返るほどの美人の先輩ですが、年相応の社会的経験をしているかとなると、ちょっと「?」な感じもします。まあ、この漫画は、大学のなかのことが一切かかれていないので、レベルも学部も、ほんとになにをしているのかわからず、はかりようがないのですが、この「すかした態度」のまま、社会に出ると、先輩、ちょっと苦労するのではないかなと、よけいな心配も…

    唯一、胸糞の展開としては、まだ恋愛経験がなかったらしい(超美人がゆえの、ありがちなパターン)、学生初期の時代につきあった「初彼」が、よりを戻そうと訪ねてくるのですが、こいつが、もう救いようのない「自己愛性パーソナリティ障害」の固まりのような人間性で、その発言のすべてがむかつき、ここらへんの数話は、とばしてもよいと思います。

    その後「そういうやつもいたね」的な会話もされますが、その姿を知らなくとも、読んでいくのに問題はありません。

    まあ、全編を通して、失礼ながら「この『程度』の男の子(ルックスは十人並み、ファッションも普通、とびぬけて性格がいいわけでもなく、衝動性にかられた行動をとる幼さが随所にでてくる、人格偏差値ぴったり50程度のフツーの大学1年生)が、美しさだけで言えば都道府県トップクラスの美女と、こんなに近づいていけるか?という疑問が、しょっちゅうわいてくるのですが、男性、少年の読者にとっては、ワクテカものと思います。

    作品、画風ともに、好きですよ!
  • ハコヅメ~交番女子の逆襲~

    泰三子

    元警察官ならではの
    ネタバレ
    2020年6月28日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さんは、女性警察官であったそうで、これだけの画力があるならば、きっと「似顔絵捜査官」として、引っ張りだこだったのでは?

    青年誌でなく、女性雑誌に載せても問題の無い「かわいい絵柄」で、犯人をのぞけば、基本的に「悪役」のいない組織と環境にて、ほのぼのと読むことができます。

    たまに、男女どちらの警官も、部屋飲みや、合コンをするシーンがあり、警察官でも、若い世代はどこも同じなのだあと、ここでも、ほのぼの。(女性は、職業を隠したがるようですが。)

    あえて?「より楽しく読み進めるための秘訣」としては、登場人物の、おもしろい「独特の会話のキャッチボールのパターン」が、毎回、同じであるため、イッキ読みするよりは、1日1話くらいのペースで読んでいったほうがいいと思います。

    たいへん、ふるいたとえになりますが、あの「寅さん」も、特に初期から中盤、数作を残しての終盤までも「王道ワンパターン」であるため、2作以上を続けて鑑賞するのは、よほどのファンでもないと、けっこうきついらしいのと、同じというか。

    最近、かなりシリアスな展開がありましたが、基本的には、「岡島県」という架空の県(どこらへんかをうかがわせる方言は、いっさいでてないようです)での、いち所轄にて、市民の安全を守る、ほのぼのおまわりさんマンガです。
  • 高嶺のハナさん

    ムラタコウジ

    恋愛能力、小学五年生級
    ネタバレ
    2020年6月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ それでも、メーカー企画開発部の戦士としては、スーパークラスの、ハナさんが、ダメダメ社員の弱木くんに惹かれるストーリー。

    漫画ゴラクで、連載に気づき、最初はどうだったのかと思い、読んだら、今以上に、初期は、ハナさん、どうしようもなかったのね。

    いま、ゴラクでは、弱木の、これまでの言動からは想像もつかない「趣味」が明らかになり、急展開しています。

    同時平行で、楽しく読み進めます。
  • サバエとヤッたら終わる

    早坂啓吾

    異世界人…宇宙人…
    ネタバレ
    2020年6月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ゆとりやくざの、早坂先生の作品。

    あちらの市後も、相当なものですが、

    こちらのサバエさんも、若い分、もっとぶっ飛んでいるというか、ハチャメチャ…

    日頃、市後の言動に、振り回されながらも、一定の理屈の前に、なすすべのない武堂さんでも、サバエの言動には、何かがブチ切れて、宇宙まで、殴り飛ばしてしまいそう…


    主人公の男の子にとっては、あこがれの女子と、どうしようもないサバエと、その間でゆれうごきながら、この年代にありがちな「カラダに惹かれる」展開も多少、含んた描写が、なんともかわいいですね。
  • うわさの姫子

    藤原栄子

    よくぞ、掘り出してくれました。
    ネタバレ
    2020年6月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 小学館の学習雑誌、低学年向けでは「おはよう姫子」(姫子が、ちっこい)、そして、高学年の「小学五年生」から、毎年、連載が始まる、当時の人気を不動のものとしていた、女の子の恋愛の入り口のお手本のような作品でした。

    おねえちゃんが読んでいたのを、借りて読み、自分も「現役世代」として、読むようになり、その後も、続いて… 後輩や、部下とも、共通の話題としてつながることのできる、貴重な作品です。

    オトナ買いして、読み直してみると…

    名作!文句なし!というときもあれば

    かなりのぶっ飛び展開のときもあり

    正直、これは…なときもあり

    ちょっと、大丈夫なの?と言いたくなるほどのシリアス展開のときもあり


    まあ、作者さんも人間ですから、これだけ長期連載すれば、バリエーションも豊富になるというものです。

    大本命の、まさき君は、あの「真壁くん」と双璧をなす、当時の理想の少年像ですね。

    脇役陣も、充実しています。

    個人的には「花太郎ちゃん」が出てきたときの巻が、お気に入りです。
  • 釣りバカ日誌

    やまさき十三/北見けんいち

    原作、評価低いですね。
    ネタバレ
    2020年6月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 自分は、先に原作から入ったので、どちらかといえば、映画の方が、後付け設定で、世界観もかなり違い、あれはあれで別物、それでも西田さんがスーさんになるのは、さすがになあ、と、冷静に見ているつもりではあります。

    初期は、信じられないことに、同僚の前でカラオケを歌うことすらできない、内気なハマちゃんに、びっくりすることと思います。

    彼に釣りの世界の楽しさを教えたのは、なんと、あの佐々木さんなのですよね。

    まあ、佐々木さんは、それほど、釣りにのめりこんでいたわけではないのですが。

    それから、スーさんと知り合うという、逆転満塁ホームラン的な設定になり、それ以降は、どんどん社交的になっていくハマちゃんでした。

    たしか、昭和55年くらいに、30歳手前くらいの設定でしたから、いまでは、とっくに御隠居さんのはずなのに、それなりのベテラン社員さんにはなりながらも、まだまだ中堅世代で、むすこの鯉太郎君は、永遠の小学一年生で、多湖さんも、いつまでも「総帥」にはなりきれず…

    このまま、少なくとも、あと10年は続くのでは。

    ただ、最近、ちょっと残念だったのは、作者さんが、時々、連載の表紙のひとコマ目にて、世相を語るときがあるのですが、あの集団教師イジメ(暴行)事件が問題になったとき「被害者の教師も、ひとりの人間として、もっと毅然とした態度で立ち向かえなかったのか」との旨を述べられていたのには、ちょっと…でした。あのような状況で、当該の先生に、何をどうしろと言いたかったのか。

    勝手な読者のお願いですが、漫画は漫画で読ませてほしいです。
  • 三丁目の夕日 夕焼けの詩

    西岸良平

    一平君、早くきて~
    ネタバレ
    2020年6月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 自分がこの作品をはじめて目にしたのは、親戚宅の本棚にあるコミックス第1巻でした。

    その内容は、現在の「鈴木オート」とその家族、三丁目の皆さんが住む世界を舞台とした…ものとは、ほど遠く、画風も、別人が描いたの?と思うほどに、

    ハードボイルドの真髄のような、ニヒルというか、重厚なオトナの世界を、読み切りで連載していた作品です。(超・初期は、です。)

    これらの、初期の作品を総称して、なぜ「三丁目の夕日」と名付けたのかは、かなりの謎です。

    ほどなくして、たしか、茶川先生が出てきて、そのうちに、鈴木オートのご家族(お父さん、お母さん、一平君)が出てきて、だんだん、世の中に知られている設定になっていきます。

    初期の読み切り作品群は、けして「無駄」ではありませんが、なんというか、たとえるなら、ル〇ンⅢ世をアニメで知った人が、原作を見たときの驚きの(原作がダメということではありません。)、その10倍くらいの驚きは感じるのではないかと思います。

    連載開始当初は「ついこの間」だった、昭和30年代が、いまでは、遠い昔になってしまった。(私も、生まれていなかった。)

    以前より、当時ネタは、さすがに尽きてしまったのか、人間関係を描いた作品にシフトしている印象ですが、間違いなく、漫画史上屈指の名作であり、コンプリートするなら、自分としては、1巻から読んでいくのが、おすすめです。
  • 鍵師ロック

    高田信/飯星シンヤ

    着眼点はよいですね。
    ネタバレ
    2020年6月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 鍵師という、いままで、ありそうでなかった「職人モノ」です。

    名作…とまではいかなくとも、着眼点に勝利があったというか、これまで、ほとんど知られていなかった、鍵業界の、表も裏も描いたところに、まずは読んでみようと、人を惹きつけるものがあります。

    スキル面では、感心させられることばかりです。


    ただ、ちょっと設定に難があったのは…

    主人公ロックが、いくあてのない女子を拾って、店番にさせるのですが

    この娘(二十歳くらい?)、べつに特殊能力を持つわけでもなく、とても相棒といえる立場ではなく、ただの店番にすぎないのに

    ロックが「依頼主」である暴力団の本部に出向くとき、それに同行したり、

    彼の大恩師が死んだとき、葬式に一緒に出たり

    なんと、某国の大使館からの依頼を受け、そこの正式なパーティに「パートナー同伴」を条件点けられているわけでもないのに、同行できたり

    かなり、VIP待遇です。

    なぜ、ここまで?と思うほどに

    特別に、ロックが好意を持っていて、女として扱いたいがゆえに…というわけでもありません。

    まあ、CHの香と比べたら、100階級は違うくらいの、フツーの、何もない、ただの店番の娘です。

    そこに、ちょっと、違和感がありました。

    また、たまにですが、依頼主の側に、かなり人格的に問題がある場合でも、条件次第で仕事を引き受け、依頼者にとっては面倒な存在である「善良な市民」を、その鍵のスキルと、メチャクチャとしか言いようのない「法解釈」をコラボして浴びせ、結果として、クズな依頼主の利益に協力し、善人が泣きを見るという展開もあります。

    まあ、主人公は、あくまで裏も表も知り尽くした、腕一本で勝負の「職人」であり、正義の味方ではないので、無理もないという見方もありますが…

    たとえるなら、新宿セ〇ンや、カ〇キの不動などのように「本職」の知識とスキルのほかに、時々、かなり正当性に裏付けられた、法的知識をも駆使して、弱い立場に置かれた依頼主を助けるのとは、ある意味「真逆」で、自分(と依頼人)のいいようにしてのみ解説してだまらせる、レベルの低い法知識の駆使を見せられるのは、ちょっと興ざめしてしまいますね。


    作品そのものは「新分野」であり、さまざまな、知られざる技術のようすを見ることができる点では、おもしろい作品です。
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  • 駅員ジョニー

    末田雄一郎/高橋のぼる

    土竜の…
    ネタバレ
    2020年6月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高橋先生が、いまから25年以上も前に描かれていた作品!

    はじめて、モーニングで見たときは、独特?の絵柄から、

    「なんか、青年エ〇雑誌のマンガみたいだな。」などと思いましたが、

    主人公はいたって、いや、かなり、不器用なまでに、まじめで、

    その若さに、ときにくるしみながらも、成長していくストーリーです。


    画風にも、いつのまにか、慣れました。

    いまとくらべると、やはり、ちょっと、デフォルメが強めかな?とも思いますが、そこは、素人が口をだすところではありません。


    あの、土竜の唄の、独特のギャグセンスの「流れ」のようなものが、この時点にして、すでに、随所に見られ、ハチャメチャではありませんが、「まじめで重厚」なストーリーのなかで、時々、くすっとさせられます。


    作中、とりかえしのつかない失敗をしてしまい、ひどく落ち込むこともあり、

    また、社会人になったことで、「現実の世界に、こんな人が、実際にいる!」と、カルチャーショックを受ける様子も、多くみられ、新入社員世代が読むと、いまでも、共感できる部分は、多々あると思います。

    一時、モーニングを離れたため、ラストがどのようになったかわかりませんでした。

    楽しみに、読み直したいと思います。

    ジョニーの「おししょはん!」を、早くみたい。
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  • クッキングパパ

    うえやまとち

    博多ー
    ネタバレ
    2020年6月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ この作品は、連載から、2年くらいしたころから、モーニングの存在を知り、読んできました。

    こどもたちの成長が、驚異の「ゆるゆるスピード」ではありますが、まだ小学生だった長男が、大学を卒業し、転職も経験し… と、時の流れを感じます。その中で、つねに、モーニングを代表する作品として、巻末にデンと座るさまは、いつも安心感があります。

    ただ、一時、福岡に住んでみて、わかったことなのですが…

    毎回、どこかの街中の風景が、ひとコマ目に描写され

    「博多ー」

    と、書かれていますが、

    博多とは、現在では、福岡県福岡市博多区という、行政単位のひとつであり、たとえば、天神(博多区ではなく、中央区。九州最大、西日本屈指の大都会)を「ここは博多」と認識する地元の人は、まず、いません。

    それでも、明らかに、天神のデパートを出して「博多ー」としていたり、

    福岡ドームのそばの海辺(シーサイドももち:早良区)を出して、同じく…

    さらには、どこなのかわからない、単に?道路を自動車がゆきかうさまを描いて
    「博多ー」としていることもあります。

    さすがに、筑豊や、北九州の景観が、「博多ー」として出ることは、ありませんが。

    たとえるなら、原宿の竹下通りを「新宿ー」と紹介したり、湘南でたとえると… これは、ちょっと難しいですね。まあ、ほかにたとえるなら、石狩市の駅前を描いて「札幌ー」としたり、犬山城を描いて「名古屋ー」としているような、そんな感じです。

    このことが、作品の質を下げたり、地元から「反発」のようなものを受けているわけではなく、また、福岡出身の有名人が、生まれも育ちも、福岡の別の地域の出身でありながら「博多出身!」などと自己紹介していることも、ままあり、べつに、めくじらをたてることではないのですが。

    地元民としては、「さすがに、連載が40年近くにもなると、もう、描くところがないのだろう。」との声を、よく聞きます。

    それなら、もう、誰も「今までのは何だったの?」なんて言いませんから、「福岡ー」との出だしにしたほうがいいのでは?と、長年のファンとしては、思う次第です。
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  • 白竜

    天王寺大/渡辺みちお

    規格外…
    ネタバレ
    2020年6月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 自分は、原則として、アウトローを礼賛するというか、成功していくような作品は、大嫌いなのですが、本作は、もう規格外というか、別次元で、ファンタジーとして、読み進めました。

    頭脳、体力、俊敏性、(かなりメチャクチャでもある)折衝力、すべてにおいて完璧な主人公。

    これほどの男が、なぜ「器としては、それほどでもない」組長のオヤジを持ち上げ、リスペクトして、若頭に収まっているのか、疑問ではあります。

    続編で、少年期編があり、かなりの「大恩」があることがわかりますが、それでも、もう充分に、おつりがくるくらい、恩は返したのではと思うものの…

    脇役の、格上の組織の組長が、基本的に、敵の設定ですが、ときには協力もする、どこか憎めない?キャラではあります。

    また、連載開始当初からの「舎弟分」が、ずっと主人公を慕い続け、けなげではありますが、途中から登場したゲイの構成員が、相当のキレ者で、また「愛すべき」キャラでもあり、だんだん、主人公も「片腕」として扱うようにもなり、それでも「抜かされた先輩」は、ひがむでもなく、自分は自分で「イチの舎弟」と、納得させている人間関係が、おもしろくもあります。

    唯一の難点?は、この作品、男女の情交のシーンが、結構出てくるのですが、人種、年代、スタイルに関係なく、どの女性も「おっ〇い」が、まったく同じ形で、もうちょっと、変化をつけたら?と思うところですかね。
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  • 翔んだカップル21

    柳沢きみお

    時はながれて…
    ネタバレ
    2020年6月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 1970年代後半に、一世を風靡した作品の続編です。

    当時は、かなり設定が離れたテレビドラマも、それはそれでおもしろく、人気でした。

    高校生だった主人公たちが、なんと50歳になってからの設定という作品です。

    いま、読み返すと、なんか、みんな、必要以上に「老けて」描かれているなぁと、感じます。

    まあ、当時は、これが普通だったのかな。

    50年前の、50歳なんて、もう、いい「おじいちゃん」だったと思いますし、

    この時代の50歳も、かなりの「シルバー世代」だったのでしょう。


    いまは、50歳も、まだまだ「ヤングアダルト」で、イケイケな人は多いですが。

    前作を知らないと、ちょっと展開についていけない面もあるかもですが、とびっきりの青春時代をすごした主人公たちの、現実に直面しての中年世代の日常生活を客観的に描きつづった佳作と思います。
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  • 青き炎 DX版

    柳沢きみお

    バブル期ならでは
    ネタバレ
    2020年6月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ バブル絶頂期に、地方の、そこそこに裕福な家庭の少年が、その恵まれた体格とルックスをいかし、東京に進学して、ともだち、ではない、あくまで「知り合い」の周囲の人物を利用しながら、「のしあがっていく」ストーリーです。

    主人公が好きな読者は、あまり、いなかったのでは…

    ただただ、どこまで、のしあがっていけるかを、楽しみにしていた作品。

    一流大学に進学したこともあり、そのブランド力も使い、かなりのところまでいきますが、最後は…

    コミックスで、加筆修正されるかな?と思ってましたが、そのままだったようで。

    豊かな生活を送るようになったものの、内面は、やさぐれて、どうしようもなくなっていた主人公を、救ってあげようとした、聖母のような、途中出場のキャラクターが、結果的に、すべてを…

    ウキウキ大学生出世物語ではありません。

    先生の作品では、1、2をあらそう、バッドエンドです。

    それを了解したうえで、読み進めれば、そこそこの満足感ですかね。当時の世相を知るという点でですね。
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  • 月とスッポン DX版

    柳沢きみお

    愛すべき作品
    ネタバレ
    2020年6月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「女だらけ」で、世に知られた先生が、その名を不動のものにした、初期にして最高傑作といえる作品です。

    ダブル主人公の、ドジ新と、世界ちゃん。(かなりかわった名前に、当時は驚いた。)


    世界ちゃんは、先生の作品のみならず、ほかの、新旧の名作を探しても、ここまで、完璧でありながら、いやみを感じさせない、誰からも愛されるキャラクターは、まずいないのではと思えるほどの、天使、女神です。

    ガリ勉の同級生や、両親、弟、たしか猫?など、脇役陣も、個性豊かです。

    (ガリ勉くんは、人気が出て、後年、かなりシビアな「スピンオフ」作品が作られます。)

    自分は、連載中に「チャンピオン」を卒業し、その後の「高校生編」を見ることはなかったのですが、楽しみに、読み直していきたいと思います。
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  • 大市民

    柳沢きみお

    問題行動…
    ネタバレ
    2020年6月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 昭和の後半に、次々とヒット作を出し、大御所となった作者の先生の、分身ともいえる主人公が、まだバブルがかすかに残る時代にて、好景気に浮かれる人々を、一歩ひいた立場で、孤高の楽しみを披露していく作品。

    正直、この作品で、子供のころから先生を好きだった読者たちが、ついていく人、離れていく人と、二分された「問題提起作」であったような気がします。

    けして、世間の人々を「衆愚」とのように卑下するまでではないものの、どこか「俺はダンディな、本物の豊かさを知る男」をの姿を見せ続ける展開は、ちょっと、自分には、無理だったかもです。

    決定的だったのは、都会の喧騒を離れ、自分で「運転」をしていきながら、目的地の山中にて、ビールを飲み、さして時間も置かずに、再度運転開始するシーン…

    厳密には、アルコールが体内から抜けるのは、24時間とされています。

    そこまで、口うるさく言わなくとも、ビール飲んで、ちょっと小一時間?くらい休憩して運転するなんて、言語道断。

    その場で、なにか、ダンディズムな自分語りをしていますが、違法行為をしておきながら、なにがダンディズムかと、離脱してしまいました。


    先生のほかの作品でも、露骨に、飲酒運転をするシーンはないものの、それを登場人物が容認するかの発言が、ときどきあり、自分が実際に飲酒をする大人になってからは、ますます、こういう言動が信じられず、「係長モノ」が始まるまで、数年間、離れてしまいました。


    意外に?質素な生活をしているのには、それなりのわけがあり…

    ひとりぐらしのおじさま世代に、おすすめの作品です。

    でも、飲酒運転は、ダメ!ゼッタイ!


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  • 男の自画像

    柳沢きみお

    タイトルと中身…
    ネタバレ
    2020年6月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 当時、読み始めたときは、そのタイトルから、中間管理職のサラリーマンの悲喜こもごもを描いた作品かと思ったら、

    まさかの、元プロ野球の「1軍半」の選手だった主人公が、30代半ばにして、家庭も捨て(捨てられ)、現役復帰を目指すという、ドリームストーリーでした。


    実際には、まず、実現しないだろうなと思われる設定ではありましたが、メジャー雑誌に連載されていたこともあり、また、バブルで「なんでもあり」な時代だったこともあってか、それなりに人気の作品だったと思います。

    結果として「スター選手」にまではなりませんが、そこそこ、夢をかなえる展開で、当時のおじさま達には、うけたのだと思います。

    生活費を稼ぐため、歌舞伎町のビルのテナントの「焼き鳥屋」で働き、そこに、その世界の方ではなく、普通のサラリーマンが、一杯ひっかけにくるという、当時の世相も、垣間見ることができます。
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  • すくらんぶるエッグ DX版

    柳沢きみお

    かくれた?名作
    ネタバレ
    2020年6月25日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 昭和50年代の半ば、少年キングに連載されていた作品ですね。

    父親と大喧嘩をした、中学生の少年が、両親公認のもとの「家出」をして、ちかくのアパートを借り、毎月、親から「月3万円」の生活費をもらい、自分でやりくりしながら、友人たちとふれあい、成長していく…という、ストーリーだった記憶があります。

    この当時の3万円って、いま、換算するとすれば、いくらぐらいになるのだろうか。

    たしか、作中で、主人公がお金を無計画に使ってしまい「のこりの日数、一食あたり、3円!どうしよう!」とビビるシーンがあったと思いますが、当時としても、3円では、駄菓子屋のガムすら買えませんし…

    どうやって生活していったのか、楽しみにして、読み直したいと思います。
    いいね
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  • ハートのしっぽ

    あやせ理子

    長編!
    ネタバレ
    2020年6月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 女性週刊誌で、たしか、600話くらい連載された長編作ですね。

    美容院にいくたびに、読んでいました。

    画力は、失礼ながら、高校生の漫研レベル…

    特に、なぜ、泣くときに「口角」があがるのか?

    それもまた、この作品の特徴になっていくのですが…


    獣医さんて、なみの、そこらへんの坊ちゃん医科大学を出た、それこそ「そこらへんの医者」なんかより、はるかに、学生時代からカリキュラムが難しくて、

    基本、牛馬犬猫しか、学ばないのに、ありとあらゆる生き物の、眼科・産婦人科・内科・外科・泌尿器科…と、全部、独学で勉強して開業するとか…

    すごすぎ。

    それでも、新米ゆえに、素人でも間違わんだろというところを、初期のころは、失敗したりもするが、成長物語として見ていけば、おもしろいです。

    個人的には、ボンボン医者たちとの合コンで、ブランド品や年収をひけらかす男たちに「はあ。単科ですか。いいですね。わたしたち、なにからなにまで、診なくちゃいけないんで…」と、最強のマウントをとり、撃沈させるのが、作中、最高のスカッとでした!
  • 100回お見合いしたヲタ女子の婚活記

    肉子

    婚活女子ならでは
    ネタバレ
    2020年6月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 結婚相談所に入会した人なら「ウンウン」と、何度もうなづくシーンにあふれている。

    主人公さんは、わりと早めにお相手を見つけてご結婚されましたが、そこでおわりにせず、ふりかえってみての、お会いしたさまざまな男性の「ご様子」を紹介し、まじめに、結婚とは、紹介されてのマッチングとは…と、考えさせられる。

    凄腕アドバイザーの女性が、かなり、いい味だしてます。

    ありがちな、「私って、まだ若いから。条件のいい男、いくらでもいるでしょ。ハゲ、チビ、高卒、三流大卒なんて問題外。身長180センチ以上、年収900万円以上が、最低条件☆彡」なんて抜かす女子会員には、木っ端みじんにしてしまうほど、きつい「現実を見よ!己を見よ!」とご指導される方ですね。

    意外にも?主人公さんには、「職を持ち、まだ20代」だからと、ぐいぐい行けと勧めてきますが(失礼ながら、容姿や年収の額にはあまり関係なく)、それもまた、結婚相談所の現実を見せてくれる一面でもあります。

    こういう漫画にありがちな「勘違いヤロー」をつりあげてみんなで笑いましょ、的な作品ではなく、女だって、どれだけのもんか、自分の理想と、自分自身の条件が、どれだけつりあっているか、と、気づかせてくれる、良作と思います。
  • 虹色ケアハウス

    ともびきまなつ

    ドロドロ
    ネタバレ
    2020年6月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公(と思われる)、二十歳としては、少々、幼い、世間知らずの印象がある青年が、老人福祉施設で、いきがいを見つけ、成長していくストーリーかと思ったら…

    施設長や、常駐医師、その元夫、運営法人本部?の「エリート」社員の男たちが、目をふせがちにして、不倫がらみの恋愛事情をつぶやきあう、別にこれ「老人ホーム」が舞台じゃなくてもいいでしょ?な作品で、途中離脱しました。

    主人公には、それなりにつらい過去があったようで、知りたいとも思いましたが、ほんと、毎回、毎回、まるでホテルのラウンジでカクテルをかたむけながら話しているかのような、オトナたちの「診察室での恋愛トーク」が、あまりにも無理すぎました。
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  • 妻をめとらば

    柳沢きみお

    バブル期の恋愛事情を知る?
    ネタバレ
    2020年6月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 90年代はじめ、リアルタイムで読んでいました。

    社会人になるとともに、学生時代の彼女からはフラれ、理想の妻となる女性を探す、青年の奮闘記です。

    初期は、友達キャラや、恋人候補キャラも、同僚キャラも、個性豊かで、コメディ色もふんだんで楽しかったのですが…


    ある、つまづきから、いっきに、ダークサイドに落ちていきます…


    ラスト30話くらいは、もう、暗いのひとこと。


    連載を切られなかったのは、大御所の先生の作品であるからか。


    婚約したと、上司に報告し、仲人を頼むあたりで、やめたほうが、おすすめです。


    当時、ぶっちぎりの販売部数のスピリッツに数年間連載され、テレビドラマにもなり、作品としては、明暗ありで、成り立っていたのかもですが、最終話は、気の毒すぎて、いまだに、読み返せません。
    いいね
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  • スモーキング

    岩城宏士

    愛すべき四人組
    ネタバレ
    2020年6月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 最初は、表紙などから、シガーが好きな、喫茶店の老店主と常連の日常的なストーリーかと思っていましたが、裏社会ならではの「復讐代行業」の凄腕メンバーによる物語でした。

    それぞれの得意分野を持つメンバーが、協力し合い、次々と、どうしようもない社会のク〇を「処刑」していくようすは、読んでいて、スカッとします。

    ただ、それなりに、グロ表現があり、内容も「重い」ので、たとえば「ウシ〇マくん」がダメな人は、ダメでしょう。

    一方、「善〇の屑」や「シマ〇マ」のような、徹底的に「処刑」のようすを写実的に表現するというまでではなく、自分にとっては「ライト」に感じられるほうです。

    リーダーの老人は、元その世界の人であり、組織から追われている身でもあり、緊迫感が常にあります。

    そのリーダーを呼び出すために、関係ない人が被害に遭ったり、「別荘」から出てきた敵が、とりあえず復讐に向かう途中で、なんの関係もない人を「軍資金ほしさ、あそぶ金ほしさ」に頃したりと、かなり、つらいシーンもあります。

    それでいて、その、関係なくも頃されてしまった人たちの「仇討ち」などは、特にすることもありません。あくまで、動くのは「依頼」があったときだけです。

    そこに、彼らは「正義の味方」ではなく、あくまで「報酬」と引き換えによってのみ、また、自分達そのものを防衛するときにのみ行動するという、冷たい現実があり、ここに「苦手」を感じる人はいるかもしれません。

    個人的には、最年少のキャラが大好きです。

    メンバーのひとりが、標的の娘である少女と(居所をしるために)交流するシーンでは、実際に心をかよわせているような表現もあり、ほっこりするときもありますが、基本は、あくまでドライな請負人たちです。

    好き嫌いがわかれるかもしれませんが、ほかの「復讐モノ」よりは、どこか「穏やか」な空気がするのは、メンバーどうしの「絶対的な信頼関係」が、見え隠れするからでしょうか。
  • 善悪の屑

    渡邊ダイスケ

    現実にもいてほしい二人
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 過去にあった事件の設定を借りてきて、加害者側に拷問をして終わりなだけ、という辛口批評もあり、それはそれで、個々人の考えで自由ですが、私は、ひとこと、スカッとです。

    どのお話も、はじめのうちは、無辜な被害者が、ありえなさすぎる非道な「人外」、外道どもに、生命も財産も自由も奪われ、涙が出るほどですが、それを、主人公のふたりが(ほとんど、もう亡くなってしまった被害者の『関係者』の依頼をうけ「良心的な請負料」にて)着実に、同等の苦しみを与える罰を下し、因果応報を見せてくれます。

    誰もが知っている過去の事件、往々にして、それらは、加害者に「まだ若く、更生の余地あり」とか「殺意の芽はあっても、これだけの結果を残すまでの、強い殺意は、当初はなかった」とかで、とても被害者の受けた傷とは「釣り合わない」軽い罰ですまされたり、なかには「報道等により、その(高い)社会的立場を失い、すでに、一定の軽罰は受けたと考えられる」等という、被害者側からしたら全く理解できない理由で「大幅に減刑」までされているのに対し、本作では、徹底的に、社会にのうのうと生かしておいてはならない人外どもに、復讐の鉄槌を下してくれます。

    1日に1話ずつのペースで読むと、救いようのない気持ちで1日をすごすことにもなるので、ストーリーごと、まとめて読むのがおすすめです。
  • 3.11東日本大震災 君と見た風景(分冊版)

    平井寿信

    風景は、どこに?
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 過去に単行本を購入し、読み、続巻が出るかもと思いながらも「離脱」した作品。イラストレーターさんが、表題に「風景」とぶち上げながら、震災のようすも、街のようすも、いわゆる「引き」の絵がないというのは、なんともですね。あるとすれば、実家の「平時」の周辺だけですかね。

    なにも、悲惨な、震災時の被災地の絵を見たいという、悪趣味は、当方持ち合わせておりません。

    しかし、タイトルと内容の乖離がありすぎて、なんというか、残念な気持ち。わざわざ、表紙に「3.11」と「見た」を赤く強調しながら、なにを「見た」と、つたえたいのか…

    仙台市の副都心というか、ベッドタウンが「舞台」となり、過酷をきわめた沿岸部の様子などは、少なくとも、私が過去に読んだ震災後1か月ほどの時点では、出てきません。

    震災の日のうちに、家族全員が「再会」でき、日ごろから、近所に物資を配るほど余裕のある実家に身を寄せ、自宅を失った姻族を迎え入れたりもする。

    ここで「身内礼賛」が多分に感じられ、しまいには、お姉さん?がネット販売しているらしき「グッズ」を、作中で紹介しはじめる…

    仙台市の中心部の方でも、これだけ、日常生活に支障をきたして、大変だった、という観点からすれば、ありといえば、ありの作品かと思います。

    しかし、なんというか、これが震災の様子を語る代表作のように扱われるとすれば、ちょっと違うと思うのです。

    おそらく、沿岸部の被災地にも、絵を描ける人は、たくさん、いらしたはずと思うのですが、とても、思い出して描き現わせなかったのではないでしょうか。

    その結果「比較的ショックの少なかった」、作者さんによる本作が、おもてに出ているのではと推察します。


    作品内容に「3千万人が、かたずをのんで見守ったブログ」とのようにありますが、それって、日本人の、およそ4分の1ですよね?

    大変、不勉強ながら、私は、まったく、本作(ブログ)を存じあげませんでした。



    最近、いろいろなマンガのアプリで、この作品が取り上げられ始めているようです。それはそれで、業界から、一定の評価を得たからなのでしょう。

    ただ、実際の、被災県の友人によりますと、

    「この作品が、震災時の『ありのまま』を伝えた作品として、周知されていくのであれば、ちょっと違うと思う。」とのことでした。
  • 同居

    BSさん

    同居というより…
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 乗っ取りというか、寄生というか… かつて、自分をパシリ扱いしていた「ただの同級生」が、親友ツラして彼女連れで、けして広くないアパートに転がりこんできたのを、なすがままに受け入れてしまった主人公… 性行為を部屋の中でされ、生殺しのところに、ほかのクレクレ女には高級品をねだられ、高い食事を見栄を張って奢り、救いようがない。/ やがて「親友」は姿を消し、カノジョと同居となるが、少々、知的に問題があるようで(けして知的障害者の方を特別視するつもりはありません)、想定外の気ままな行動に、振り回される… 自分は、それなりに韓国と付き合いがありますが、女性の片膝立てなどはよく見る「習慣」ですが、その他、理解できない言動だらけです。いち学生の手に負えるレベルではなく、役所にでも、大学の学生課にでも、助けを求めるべきところまできている。とても「ボクとカノジョのドタバタ思い出日記」みたいな視点では、読み進められない。絵はキレイと評価されるかもですが、内容が、どうしてもね…
  • 聖闘士星矢

    車田正美

    イタリアでは…
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「カヴァレリ・ディロ・ゾディアッコ」との番組名で、放送されていました。直訳すると「12人の戦士たち」、すなわち「黄金聖闘士」の兄さんたちをさしているのですね。もう、星矢たちの立場は?な名前の付け方… それだけ、どの国でも「黄金聖闘士編」が、圧倒的に人気があるということでしょうか。/ 風魔の小次郎が未完のようにして終わり、つづく「男坂」は、10週程度で終わってしまい、まさに車田先生の起死回生作として期待されて始まったこの作品も、初期は、なかなか低迷していましたが、本当に、黄金聖闘士がちらほら登場するようになってから、がらりと変わった感じです。/ 日本中の小学生の中高学年の少年たちが、自分の星座の黄金聖闘士は、どんなキャラなのかと、胸をときめかせながら、毎週のジャンプを待っていた、社会現象ともいえる状態でした。人気トップクラスの「獅子・乙女…」の少年たちは狂喜乱舞するも、いわゆる「鍋(なべ)組」と呼ばれる「蟹・牡牛・魚」の少年たちは… / つづく海闘士編は、正直、ちょっとトーンダウンした感じでしたが、最後の「ハーデス編」が、「黄金聖闘士編」で小学生だった読者たちが、中高生に成長しているのにあわせたかのように、重厚なストーリーになっていたのは、なかなかのものでした。まあ、でも、それも、シャカがアテナに手紙を送るところまでかな。最後は、打ち切りのように連載終了してしまいましたが、コミックスで完結し、その内容もまあ、賛否両論ありましたが、だからこそ、いまだに「外伝」が作られつづけているという見方もあります。/ 当時、めちゃくちゃに売れた、バン〇イのフィギュアが、人気のなかったキャラクター(青銅聖闘士の二軍組や海闘士編の不人気な敵キャラなど)のものが「買おうとする子供がいなかった」ことにより、ほとんど残っておらず、いま、中心人物の戦士たちよりも、ショップで、はるかに高値がついているのが、ちょっとおもしろい。/ アニメと交互しながら読むのも、また楽しいですよ。(当時の誌面連載に、スピードの速いアニメを、おいつかせないため、進行を「あえて遅らせる」ことを理由に、いろんな独自キャラが出てきます。そもまた、一興です。)
  • ウロボロス―警察ヲ裁クハ我ニアリ―

    神崎裕也

    無二のおもしろさ!
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 刑事ものとしては、個人的には「S」を超えたと思います。復讐の目的のために、幼い少年ふたりが、ひとりは警察官(刑事)、ひとりはヤクザとして(こちらは予想以上の出世をする)、お互いに協力しあいながら、次々とふりかかる敵に立ち向かうさまは、本当におもしろいのひとことです。

    あえて、難点をあげるなら、イクオの「相棒」であり、恋仲になる、警視庁キャリアの「ひびのさん」が、いらぬスタンドプレーをして、重要な登場人物を巻き込んで死なせてしまったり、それを、あまり「自分が原因」と重くは受け止めていない描写があることかな。

    それと、本庁でのイクオの「上司」となる坂東が、重厚な人物として登場するも、こいつは相当のドクズです。

    自分が「違法捜査」をして手柄を挙げたものの、それが回りまわって「後始末」として、同期の刑事がスケープゴートにされて悲惨な人生の最期を迎えます。

    坂東はそれを知りながらも一切の手助けをしません。この復習として、成長した「同期の息子」に詰め寄られると「一緒に死んでやるから、憎しみの呪縛から解き放たれろ」といった、まさに「おまいう」なセリフを吐いてのドヤ顔をします。

    こんな人間のクズなのに、その正体を知りながら坂東を慕い続けるイクオの姿には疑問ですが、そういうところも含めての漫画かと。

    大変な長編物語ですが、時間を使って読破する価値はあります。
  • 働かざる者たち

    サレンダー橋本

    逆境の主人公
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ バブル期でさえ、入るのは至難の技と言われた「社会の木鐸」たる新聞社に、まぐれで?入れた主人公。彼を待っていたのは、理不尽な上司、分社化、納得のいかない人事異動等々、読んでいてつらくなりますが、屈折しながらも、もがきくるしみながら、前進していこうとする姿勢には、一定の評価があってもいいと思います。同期にも、少ないながら、理解者がいて、救われるところも。/ バブル絶頂期入社世代の、管理職たちの、手柄横取りなどの、汚い方法を使っての出世レースや、それにハメられてしまい閑職に追いやられた人たちの姿を見るのは、これまた、つらい。しかし、どこの会社でもあることで、よくまあ、次々と、入社2年目くらいで、こんな「濃い」人たちに巡り合うものだと思いますが、それも、のちのち、糧になるかもしれません。/ ハッピーエンドとはいえませんが、同じ作者さんの「三流大学生」を描いた作品よりは、いくらかの救いはあり、同じ世代の、もがいている若い人たちが読めば「こいつにくらべたら、まだ、俺は…」と思わせてくれる、教育的作品だと思います。
  • 全員くたばれ!大学生

    サレンダー橋本

    もがきくるしむも…
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 不本意ながら?すべりどめらしき「中堅私立大学」に入学した主人公が、つまらないプライドにとらわれたまま、友人もできず、家族からも「リア充」のウソを見抜かれ、笑われて、ひたすら「妄想の中の彼女」との、まだ経験のない「行為」を、たった一人の、夕方の教室名で、思いにふけったりして、救いようのない主人公です。/ 善意のある学生も、わずかながら、何人かいるものの、失礼ですが、これで、この偏差値(私立52)、つまり「世の中的には、普通の私大」なの?と思わせるような、おそろしいまでにレベルもモラルも低い学生達や、ひたすら主人公を卑下してくる学生などが、かわるがわる登場し、人格攻撃してくる、主人公にとっては、何が楽しみかもわからない、苦痛の連続の学生生活。それでも、主人公を、気の毒に思うというか、応援できないのは「俺でも、入れた国立はあった。」などと、数少ない、善意の学友にドヤったりしているからでしょうか。失礼ながら、この環境の大学で、講義ノートさえろくにとれないレベルで「国立もその気になれば行けた」と言っているのは、たとえるなら、旧帝に行けなかった「駅弁大学」の学生が「俺でも、その気になれば東大にも行けたと思う。」と言っているのと同じようなもの。ただただ滑稽で、読んでいて、悲しくなってくる… / 同じ作者さんの、前作の新聞社勤務の青年とは、明らかにステージの違う、この行き先のない主人公を、最後まで、どう読み取ればいいのか、わかりませんでした。
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  • 24時のイタズラな彼女

    コブネ/活火山

    主人公は誰なのか
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 韓国マンガの翻訳版です。主人公は、一応、コンビニ店長の青年なのですが、この人物にはまったく人としての魅力がなく、作中で成長もせず、とにかくイライラさせられっぱなしです。ソウル市内の中心部と思われる、かなり、立派な一軒家での実家くらし(これは韓国では相当な金持ちのはず)、24歳まで、朝帰りニートのだらしない生活を過ごし、たぶん、親から加盟金を出してもらったであろうコンビニ経営をダラダラと、だらしなく続けていて(ヤル気のない経営にて、つぶれる寸前)、なぜか、まぐれで入れたモトの会社では、敏腕上司の女性からこれまたなぜか気に入られ、いまだにずるずると関係を続けて「もらって」いる。/ そこに登場した、振り回し役の少女が、徐々に成長していき、また、敏腕上司の彼女も、バカ男に見切りをつけ、新しい人生を模索しはじめるところに、作品としての救いがあるような感じです。ほんと、この二人に「主役チェンジ」してもらいたかった。/ 最後は、バカ男が、この二人のどちらかと最終的には結ばれるのですが、どこまでも、男の夢の固まりにての、都合のいい展開。ほんとに、ほんとに、なんの成長もしなくて、それでいて、自分は相応の内面も外面もイケメンだと思っている、まさに韓国語でいうところの「スレギ・ノム」(クズ野郎)です。/ 真の主人公となった少女セナの、けなげな可愛さにだけ、読み進める価値があるといえる作品です。
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  • かご女(め)の唄~祝福されない妊婦の哀歌~

    松田ゆうか/伊予カンナ

    ここまで全員、評価「1」?
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ そうですね。私も、評価「1」です。とにかく、読んでいて、救いがなさすぎる。/ 世の中には、つらい設定の作品が、多々ありますが、それでも、主人公が、なんとか這い上がろうとする姿を見せ、応援したいと思ったりしますが、本当に、この作品では、主人公が、もう子供ではない「大学生」でありながら、危機管理意識がなさすぎて、イライラを通り越してしまいます。助けを求めるチャンスは、いくらでもあるのに、自分から、その「芽」をつぶしている。/ 主人公のバカ彼氏の友達のなかに、ひとりだけ、まともな人物がいますが、それ以外は、本当にもう、どうしようもない。/ 名家きどりの、バカ彼氏の母親の発言には、怒りを超えて、呆れるとしか言いようがないのですが、話が進むと、べつにそれほどの名家でもないようで、冒頭、同じ大学に通う主人公とバカ彼氏の会話にて、バカ彼氏が、かなり優秀な高校を卒業して、それが自慢で、主人公も、そこにちょっと惹かれもしたような表現がありますが、失礼ながら、県内偏差値60を少し超えた程度のレベルであり(偏差値で人の優劣を判断するものではありません。かなり、イキっていたわりには、というところでの、この表現です)、なんだか、話が進むにつれ、読んでいるのが、ちょっとアホらしくなってくる。/ 赤ちゃんだけは、この世に生を受けて、乳児院などに保護されて育ってほしいと思いながら、読んでいる次第です。
  • 玄界遊侠伝 三郎丸

    畑中純

    読み方次第。人それぞれ。
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 終戦直後に小学校高学年という多感な時期を過ごした「島の少年」が、なにごとにもおおらかな環境の中で成長していく物語です。/ 自分は、この時代に存在していたわけではないので、作中の表現がどれだけ「誇張」されているかは、わかりかねるところですが、作中、性に関しては、かなりオープンです。主人公の男尊女卑的な発言も目立ちますが、周囲のオトナの女性たちが、なんというか、面白半分で性的なからかい方をしたり、また「誘惑」さえもする言動が随所に見られ(終戦直後で、圧倒的に成人男性が「不足」していたことも影響してるのか)、その反動?照れ隠し?で、ちょっと「歪んで」成長していったようにも思います。/ 中盤から、まさかの「任侠道」に身を投じる展開となりますが、評価は、分かれるでしょう。身寄りのない子供たちを守り育てるためには、当時は、そういう背景もなければ、コミュニティが成り立たなかったのかとの思いもあり… 自分は、ヤクザを美化する作品は大嫌いで、いったん、組を立ち上げた時点で読むことをストップしていますが、何百話も続いたのには、当時、かなりの支持があったのだろうと、もう少し、読んでみようと思います。/ 日本語ペラペラの駐留米軍将校と親しくなり、「敗戦国」の一介の少年でありながら、米軍基地のパーティなどに何度もお呼ばれするという「ファンタジー」設定もあります。
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  • セブンティドリームズ

    タイム涼介

    がんばれ!
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 自分は、別サイトでこの作品を途中まで読んでいたので「ウィザン」と「ドリームズ」の切れ目がどこかわからないのですが、こちらは、みらいちゃんの入園以降のお話でしょうか。/ 前作が、70代での妊娠・出産に立ち向かう、そして「はじめての子育て」に「翻弄」される様子を好意的に描いた良作であったものから、一歩進み、みらいちゃんの成長にあわせ「〇年後には、自分たちは〇〇歳」と不安を感じたり、パパには病気が見つかったり、シビアな展開もぐっと増えてきますが、とにかく、みらいちゃんのかわいさに、引き込まれます。/ 園での、世相にそくした、厳しいプライバシー保護の様子や、その一方で、いまだに「園だより」作成担当の親御さんたちに「旧式デジタルカメラ」でのみ写真をとるようにとされる、また「規約」に「ウィ〇ーの禁止」が書かれているといった「時代に合わない部分が、そのまんまにされている」といったところに、かなりの現実味を感じます。/ 実写版は、少々、配役に「?」と思いましたが、このまま、さらに続編も期待しています。







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  • ノイズ【noise】

    筒井哲也

    良作です。
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 自分は、まだ途中までしか読んでいませんが、登場人物、特に「主役2人」の心理描写が優れていて、引き込まれます。冒頭に登場する、ゴミクズの犯罪者が、早々に消えて、被害者が出なかったことが、まず、救いでした。/ 作中に「町議会の助役」という、現実には存在しない役職の人物が結構出てきたり(実際には、議会のナンバー2なら「副議長」のはず。役場の助役と間違えた?)、町おこしを手伝いたいと、霞ヶ関の『管轄ちがい」の省庁の局長さん(都道府県知事クラスと同等かそれ以上の社会的立場)が、省や県の職員の同行もなしに、その「町議会の助役」だけの案内で、単身で訪ねてきたりと、ちょっと「?」な設定・展開もありますが、作品を台無しにするほどのものではありません。/ 作者さんが、真摯に、作品を展開していこうとしているのが、よくわかります。期待して読み進めたいです。
  • シティーハンター

    北条司

    金字塔!
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ もはや、漫画ファンには説明の必要がない大名作ですよね。キャッツアイ連載時の「ジャンプ愛読者賞」参加作品で(読者投票により選出された10人の漫画家さんが、1週毎に読み切り作品を掲載し、投票により最優秀作品が決まる。1位、2位の作品の作者と、読者5人はヨーロッパ旅行に行けるという、当時の少年漫画界の最大のイベント)、その年のぶっちぎりの第1位でした。/ キャッツアイ連載終了後、ほどなくして連載が始まりましたが、最初の数話は、ハードボイルド路線がなかなか少年読者たちに受け入れられず、アンケートも低迷したらしいですが、パートナーである「香」の登場により、徐々にコメディ色が出て、基本路線とうまく融和して、結果、キャッツの2倍の連載期間となる、超大ヒット作となりました。/ この作品といえば、なんといっても「もっこり」が有名ですが、意外に?少年漫画史上、はじめて「セッ〇ス」という言葉を明記したともいわれています。(実際に、そういうシーンがあります。)/ 唯一、難点をあげるとすれば、当時から「疑問視」されていた「ロリ〇ン」の言葉が、歌舞伎町の店の看板などに何度も出てくることかな。/ それでも、総合点1万点満点の超超名作です!
  • ナンバデッドエンド

    小沢としお

    ヤンキー漫画の快作!
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 第1部作「MG5」に比べると、内容は、かなり「ヘビー」で、これを毎週、待ちながら読んでいた読者はきつかったろうな…と思わせる展開も、ところどころにある。それでも、困難を乗り越えていく主人公と、家族、友人には好感が持てます。前作より、作者さんの画力が格段に上達したためか、画風が「別作品」ともいえるくらいに変化していて(特に目元が)、ちょっと人によっては壁を感じるかもしれません。妹にいたっては、もはや、別人のレベルで顔が変わっています。(成長期の変化ということを考えても。)/ 個人的には、一家の一員である「松」が、難波家に飼われることになった秘話や、妹の吟子のマジメな彼氏を家に招待したときの話が好きです。/ 終盤は、かなりの重さで話が進みます。ハッピーエンドにはなりますが… / あえていうなら、最終回のラストシーンが、あまりにもアッサリとしたひとコマで終わってしまったので、もう少し、なんとかならなかったのかな?とは思います。/ それでも、難波最強!いい作品でした。
  • ゆとりやくざ

    早坂啓吾

    これはこれで…
    ネタバレ
    2020年6月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 基本的に、自分は、ヤクザを取り扱う作品にありがちな、美化や「ちょっといい話」的な、現実にはありえない展開が大嫌いで、最初から読まないのですが、これは「ファンタジー」として、受け入れることができました。主人公に振り回される「上司」達の動揺ぶりが笑える。ときどき登場する、会長?の孫娘の、見かけとはギャップのありすぎるヘビーな言動も笑えます。
    いいね
    0件
  • ナンバMG5

    小沢としお

    ヤンキー漫画の快作!
    ネタバレ
    2020年6月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 広告では、本格的なヤンキー漫画かと思わせるコマばかりでしたが、読んでみると、ヤンキーコメディの大傑作でした。真の主役は「松」のような気も…
    次回作の「デッドエンド」が、かなりのシリアス路線になり、画風もストーリー漫画調に変わり、それはそれで、いいのですが、アタマをからっぽにして読める「MG5」が、疲れたときには、おすすめ。
    大爆笑!とまではいきませんが、クスッと読みすすめられます。
  • 生きぬけ!爆走!クソハムちゃん

    NORICOPO

    最高!
    ネタバレ
    2020年6月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 朝夕の電車で、何度、声を出して笑ってしまったことか。
    とにかくおもしろすぎる。作者さんには、天空から、なにかが「おりて来ている」としか、思えない。毎回、ラストコマの筆文字シメに、爆笑してます。/ 本当に、電車の中や、会社の昼休みに読んでいると、思わず声を出して笑ってしまうので、要注意ですよ。/ それぞれのハムスターの飼い主も、強烈な個性で、おもしろい。飼い主次第で、それぞれのハムスターの「人格的(ハム格的?)な成長」に差が出てくるのも、なかなか、見所としてはおもしろいです。
    いいね
    0件
  • CAT’S EYE

    北条司

    名作のなかの名作!
    ネタバレ
    2020年6月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 間違いなく、日本の漫画史上、屈指の名作といえるでしょう。/ 少年誌ゆえに、ダブル主人公である、刑事の俊夫とキャッツの瞳が同居するも「進展」しなかったり、当時としては勿論、現代においてさえも、ちょっとありえない、米軍レベルかと思うほどの最新鋭技術が登場したり、たまに「なんだこりゃ回」もありますが、御愛嬌です。意外にも?160話程度で完結し、シティーハンターの半分くらいですが、読みごたえはばっちりです。/ 初期設定が、少々、ちらかっている感(絵画以外のモノも盗む、等)がありますが、ちゃんと伏線が回収されていくのは、お見事です。/ 脇役陣も、個性派ぞろい。/ この作品の大成功があったから、シティーハンターも、うまれたのだろうなと思うと、感慨深いですね。じっくり、読み直していきたいと思います。
  • 声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~(分冊版)

    安武わたる

    男尊女卑…
    ネタバレ
    2020年6月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ほかのアプリで読んでいましたが… コメント欄での、圧倒的な「男叩き」を見るに耐えなくて、こちらにうつってきました。/ この時代、男性が、女性を、多分にして「性的欲求を満たす対象」として捉え、ろくな教育も与えず、この主人公のように売り飛ばされる悲惨な事例も数多くあったのは、事実と思います。/ ただ「だから男は!」「男は、これを読んで、すべての女性に謝罪しろ!」といったコメントを見ると、ちょっと違うと思うんですよね。/ たしかに、こういう時代もありました。そして、現在も、こういう悲劇が、完全になくなったわけではないでしょう。/ ただ、それをもってして、「男なんてバーカ。この世から消えろ。」とかいう投稿を見ると、なんか、違うでしょって感じ…。/ 少々、強引なたとえですが、ヨーロッパのかつての同盟国の方を目の前にして「あなたにも、あの独裁者と同じ血が流れているんですよね。迫害された民族の方々に会ったら、ちゃんと謝罪しているんですか?」などとは、言いませんよね。/ こちらのコメ欄は、そんな風潮ではないみたいなので、安心して、読み進めたいと思います。
  • 雪人 YUKITO

    大沢在昌/もんでんあきこ

    ファンタジー・ポリスストーリー
    ネタバレ
    2020年6月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ あくまで、漫画、創作のものとして、わりきって読める人には、おすすめです。

    現役の警察官が、別に、監きん強要されていたわけでもない、あくまで、自分の欲求を満たすための、こづかい稼ぎで「ぼったくりキャッチ」のバイトをしている、不良少女を、自分もそのキャッチに引っ掛かりながらも、その場から「助け出して」、未成年でありながら、キスもしながら、抱き合いながら、行動をともにするという、ハートフル・ラブ・ファンタジー・ポリスストーリーとでもいいますか。

    序盤で、この少女に騙され(下心があったとしても)、とてもそれに見合わない、下手をすれば、後遺障害がのこりかねない、ヤ〇ザからの暴力を、一般市民が受ける、救いようのない場面があり、それを「クスクス」とみているような少女… まあ、(女子)少年院送致が妥当と思うのですが、

    この作品は、主人公が警察官という身分をフル活用しながら、私怨を晴らす糸口を探す(一度、辞表を出しますが、上司の恩情で受理されず、警察権力を、県境まで越えてガンガン応援を受けて、核心にせまっていきます)、復讐を遂げるために向かっていくことに、キャーキャーするべきものであり、そこに「お惣菜」として必要な、娘の過去など問題ナシです。

    まともな正義感を持って読むと、具合が悪くなりますので、とにかく主人公を信奉する気持ちで読み進めるのがおすすめです。
  • 悪魔だった君たちへ

    中津功介/古場みすみ

    スカッとする!
    ネタバレ
    2020年6月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 近年まれにみる怪作であり快作!いわゆる「復讐モノ」は、「無関係な」相手の家族をまきこむものもありますが(相手の子供に、親の過去の非道ぶりをばらして家庭崩壊させる、等)、これは、まさに本人たちに鉄槌を下すもので、自業自得ぶりが、爽快すぎて、読むのがどんどん楽しみになってきます。

    (まあ、結婚式披露宴の最中で、この元いじめ加害者どもの家族が、世間に対し、赤っ恥をさらされてしまうところはあるのですが、少なくとも、無垢なこどもが、今後の成長に悪影響を及ぼされるといった展開は、いまのところ、ありません。)


    本作は、これだけ、ネット環境が普及した現在だからこそ、できる復讐劇で、相当のスキルがあっても、15年くらい前なら、まだまだ不可能だったと思います。技術の進歩があって、本人の、たぶん「猛勉強」があっての、復讐のスタートです。

    少々、やりすぎとの意見もあるかもしれませんが、青春を数人がかりで台無しにされた被害者からすれば、やって当然との見方もあり、いわゆる「社会的な死」を与えるだけで、実際の死に至るような暴行は下していないところから、私には「セーフ」として読むことができます。

    世の中の「俺ってむかしはヤンチャしててさ(笑)」と、過去を美化してせせら笑い、同窓会などで「あのときはゴメンな~(笑)」ですませようとする連中は、これを見て震えて眠るがよい!と思います。

    遠慮なんていらない、悪魔だったゴミクズどもを、限りなく苦痛を与えて、全滅させてほしい!
  • マリーミー!

    夕希実久

    人それぞれ
    ネタバレ
    2020年6月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 毎回のお話ごとに、コメントができる、ほかのアプリから、移動してきました。

    これは、読んで救いがない作品ではないし、ほかのコメントを見ていただければわかるように、現実世界に、ちょっと飛び抜けた設定をプラスしたもので、まあ、理論的には、ありえなくもない展開で… そこはいいのですが

    その設定というよりは、主人公夫婦や、脇役キャラ陣が、正直なところ、社会的に「幼い」人が多く、そこからくる言動に疑問を感じる投稿が、一部の方からされますと、もう、数百通?と思うほどのバッシング「反撃」投稿がされ… まさに、人格攻撃の嵐で、見るに耐えなくて…

    たとえとして引き合いに出してよいか、迷うところですが、宝〇ファンの方々の、100倍くらいの作品への信奉ぶりで、作品への猛烈な愛ゆえの「一部の読者からの疑問コメント」への激烈反論を見ると、叩かれてる人らの精神状態は大丈夫なのかと思わせるほどです。

    作品は、まあ、漫画だから、いいと思うのです。

    ただ、中立な立場から見ますと…

    イケメン主人公が「よかれと思って」、組織人としては、かなりミラクルな行動をして、大逆転をする、それに、猛烈なファンの皆さんによる、大絶賛のコメントの嵐になる。それは、別にいいと思います。

    ただ、そこへ「いくらなんでも、組織内で、こんなことをしたら、周囲に、それなりの迷惑が…」なんてコメがあがると、「また正義マンが沸いたぞ!」とか「漫画だろがボケクズ」とか「こんなコメして、あとで振り返って後悔して、恥ずかしくて、死にたくなるよ(笑)」等など、もう、ネットリンチ状態になります。

    おそらく、数百通レベルでの「不適切削除要請」もされているんでしょうが、削除はされないんですよね。それは、運営さんも「意見としてはアリ」と認めているからなのでしょうね。

    よほどの、作者や作品を冒涜するような内容でない限り、表現の自由というか、いろいろな意見があっていいと思います。

    こちらで、心おだやかに、読んでいきたいと思う次第です。
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