善悪の屑
」のレビュー

善悪の屑

渡邊ダイスケ

現実にもいてほしい二人

ネタバレ
2020年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 過去にあった事件の設定を借りてきて、加害者側に拷問をして終わりなだけ、という辛口批評もあり、それはそれで、個々人の考えで自由ですが、私は、ひとこと、スカッとです。

どのお話も、はじめのうちは、無辜な被害者が、ありえなさすぎる非道な「人外」、外道どもに、生命も財産も自由も奪われ、涙が出るほどですが、それを、主人公のふたりが(ほとんど、もう亡くなってしまった被害者の『関係者』の依頼をうけ「良心的な請負料」にて)着実に、同等の苦しみを与える罰を下し、因果応報を見せてくれます。

誰もが知っている過去の事件、往々にして、それらは、加害者に「まだ若く、更生の余地あり」とか「殺意の芽はあっても、これだけの結果を残すまでの、強い殺意は、当初はなかった」とかで、とても被害者の受けた傷とは「釣り合わない」軽い罰ですまされたり、なかには「報道等により、その(高い)社会的立場を失い、すでに、一定の軽罰は受けたと考えられる」等という、被害者側からしたら全く理解できない理由で「大幅に減刑」までされているのに対し、本作では、徹底的に、社会にのうのうと生かしておいてはならない人外どもに、復讐の鉄槌を下してくれます。

1日に1話ずつのペースで読むと、救いようのない気持ちで1日をすごすことにもなるので、ストーリーごと、まとめて読むのがおすすめです。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!