ど根性ガエルの娘
」のレビュー

ど根性ガエルの娘

大月悠祐子

あの国民的大ヒット作の作者が…

ネタバレ
2020年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ まさかの、ここまでの、クズ男だったとは…

天才とは、どこか、かけてしまっているものとは、擁護的に、時折言われますが、この父親は、もう、異常人格者です。(あの、日本漫画史上、最高峰の、お医者さんでもあった、大先生も、かなり、いろいろと、後年、元編集さんなどから「暴露」されていますが、作品を追及するあまりの、わがままみたいなもので、それに比べると…というか、比べること自体が失礼すぎる、まさに「本物」です。)

「同じ漫画家をこころざしたものの、偉大過ぎる父と、自分のレベルのあまりの違いに悩みながらも、ひたむきに頑張っていく、二世ならではの悩みを背負ってしまった主人公の、奮闘ストーリー」なんて、期待して読むと、頭をかち割られるくらいのショックを受けます。


母親も、おそろしいまでのサイコパスで、一見、善人にも描かれる弟も、かなり怪しい。

せっかく、「独立」して、家庭を持っても、夫も… そして、もしかしたら、自分も… と、堂々巡りの、精神を病んでしまった人たちの日常生活、とはいえない、異常な人生を列挙していく作品です。

なお、時系列が、数年単位で、あっちこっちにいきますので、頭を整理しながら、読んでいくことが必要です。

まだ、途中までしか読んでいませんが、とにかく、どんなに一発大当たりした作品を描いた人でも、その人のパーソナリティ次第で、どこまでも落ちていってしまうのだなと、重い気持ちになってしまいます。

たしか、15年くらい前から、2回ほど、パ〇ンコ機のキャラクターになったようですが(私は、パチ〇コはいっさいやらないのですが)、聞くところによると、あの業界での、いわゆる「版権料」って、作品にもよりますが、たぶん、数千万円は、一回あたり支払われたであろうとは、ぱちんかーの知人の話です。

そのお金、たぶん、母親が、全部持って行ったんだろうなあと思うと、ただただ、せつなく、哀しくなります。

主人公は、じつは「一回、当てた人」で、実力はあります。

どうか、もう一度、その才能を開花させてほしいと思いながら、読み進めます。
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