報復刑
」のレビュー

報復刑

トータス杉村

報復刑に賛成です。

ネタバレ
2020年6月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 冤罪があったらどうするのか、現代の仇討ちをして、本当に遺族は救われるのか、そういった問題は、また別次元の話として論ずるべきもので、この「被害者が受けたものと同等の方法を以て、加害者遺族に死刑を実行させる。」報復刑制度は、画期的なものです。

「なんとなくセッ〇スがしたくなった」などという、理由にもならない、獣の本能で、女性の尊厳を冒涜し、死に至らしめておきながら、弁護士の助言で「いざ、未知の性の世界に身を置いたら、夢を見ているかのような非現実的な感覚に包まれ、自分が犯罪をおかしているという実感がなかった。」などという信じられない供述が通り「加害者には更生の余地がありー」などとし、数年で出てくる…

こんな、馬鹿な話があっていいものか。

本作では、救いようのないクズどもに、悲しみの遺族が、国家公認のもと、思う存分に復讐の鉄槌を下してやる姿は、爽快の一言です。

中には、あまりに残虐な方法であったため(数十か所メッタ刺し等)、同様の手法で報復している最中にクズ加害者が絶命してしまったり、執行後に「目標を失った」遺族が命を絶ったりと、やりきれない場面もありますが…

遺族に何通も反省の手紙(ウソ)を書き、「許しました」の返信を受け、内心狂喜乱舞するものの、それこそウソで、手渡された数時間後に、「天国から地獄」の絶望のもとに刑を執行される回などは、まさに傑作。

野球少年の息子が、所有するバットをクズ不良どもに奪われ、嬲り殺しにされた父親が、報復の前に、体を鍛え、野球の「経験者なみ」のスイングのスキルを身につけてから、加害者どもの頭部をジャストミートしていく様子は、爽快の一言です。(未成年も報復刑の対象となります。)


これまで、被害者が受けたものと同等の残虐さを以て、犯人に制裁を下す(場合により遺族にも見せる)「裏」の復讐代行業の作品もありましたが、遺族が刑務官らの目の前で、公然と死刑執行の手を下せるこの制度は、多くの人をやりきれぬくやしさから、救うことでしょう。

唯一の盲点?は、被害者の遺族にのみ報復の権利があり、婚約者を殺された青年などには、報復が許されないといったところでしょうか。

実際に復讐の事件が発生すると「こんなことをして、亡くなった被害者が、天国で喜んでいると思うんですか。」などと言っているコメンテーターなどにも、ぜひ読んでほしいと思います。
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