このレビューはネタバレを含みます▼
家庭環境や最初の職場環境はもちろん、周りの人の何気ない言葉に傷つけられたり、周りには話せない心配事を抱えてしまっている主人公の姿に、読んでいて苦しくなりました…。でも、本当に辛くて立ち直れなくなったときに、すっと手を差し伸べてくれる旦那さんに出会えて、本当に良かった。
こうやって主人公の目線から、でも客観的に見ていると、なんでお父さんは助けてくれないんだろう。なんで高校の友達や彼氏達は主人公のことを分かろうとしないんだろう。なんで教授はそんな無神経なことをいうんだろう…とモヤモヤしましたが、きっと皆、無意識かつ無関心に、日々誰かを傷つけているんでしょうね。主人公自身も、自分が苦しむ中で妹弟や援交相手のおじさんの本心やSOSに向き合えなかった。被害者でもあり、加害者でもあるという言葉の重みを感じました。それでも可能な限り、誰かの支えになれる側でありたいなぁ。
あとは個人的に、家族の中でも特に孤立して、味方がいなかった弟くんが幸せになってくれるといいな…と思います。結婚式では笑っていましたが、統合失調症は少しはよくなったのかな。誰か、主人公にとっての旦那さんみたいに、最初から弟くんに寄り添って味方になってくれる人と会えますように。