目撃者にさようなら
」のレビュー

目撃者にさようなら

篠原千絵

大好き

ネタバレ
2020年7月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 篠原作品は全ての短編を読んでいますが「目撃者にさようなら」が一番好きかも。あの時代、ほぼほぼ少女漫画は男ばかりが強くてかっこよく、女はオドオドと男についてくだけで、たまに強いヒロインがいても最終的には男にほだされて「可愛げのある女」になって終わり。子供心にそれがとてもつまらなく、少女漫画なんてくそくらえと思ったものでした。篠原作品のヒロインが最後まで男と対等に渡り合い、男を愛しながらうつつを抜かさず、自分の力で活路を開く姿がどれほど衝撃的で、心地よかったことか。あれからずっと篠原作品は私のバイ ブルですが、この作品の何とも言えない読後感はずっと忘れられずにいます。「凍った夏の日」「訪問者は真夜中に」とともに、夏が来るといつも思い出します。
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