このレビューはネタバレを含みます▼
無口で親しい人もいないから、ほとんど無言で無為な日々を過ごしている二人の主人公。そんな二人が木曜日の夜にだけ逢って身体を重ね、そのうち少しずつ言葉を交わすようになるという物語は、秘密めいていてとてもロマンチックでした。
攻の忍さんという人は序盤は本当に冷たくて相当えげつないのですが、土壇場のところで非情になりきれないのが、彼の本質…我を通しきれない優しい人間であることを表していると思いました。逆に受の水葵くんは、序盤は非常に弱々しくおどおどビクビクとしていますが、ラストで本当はものすごく強かな人だったことがわかります。
物語が進むに連れ主人公たちの印象が徐々に変わっていき、二人の立場が結末で完全に反転するのも、スリリングで面白かったです。