中卒労働者から始める高校生活
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中卒労働者から始める高校生活

佐々木ミノル

主人公の心の中

ネタバレ
2020年7月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ とても、まだ18歳とは思えないほどに、成熟した精神を持つ主人公。

しかし、育成歴、学歴に関しての、コンプレックスともまた違う、空虚な感覚というか、そういうところから、少し「世間離れ」した印象があります。

週に1回、登校することが条件の通信制高校に、妹とともに入学。

その日、超お嬢様の新入生と初対面し、恋に発展していきます。

ある事件により人間不信となり、学校に通えず、こちらの高校に入学したお嬢様ですが、現実には、こう言ってはなんですが「庶民の通う学校」よりも、よりハイソなスクールへの、なんらかの方法があったのではと、中学生の親戚の子供でさえ言ってますが、それを言ったら、漫画になりませんね。(なんと、子供のころからの「お付き」の少年まで、一緒に入学してきます。)

通信制でも、さまざまな行事があり、高齢者、シングルマザーと、さまざまな背景を持つ「同級生」らと親しくなり、人間的にも成長していく主人公の姿には、好感が持てます。

中盤「トミー編」は、キャラの独特さもあり、少し、読み進めるのがつらいところもありますが、それで離脱するほどでもなく、一定の評価ができるシリーズでもあります。

妹と天涯孤独のように思っていましたが、どうしようもないクズの父親が存命で、カネをたかりにくることも。ここは、読み飛ばしてもいいかもしれません。

さわやかな読後感が残るという作品ではありませんが、壮絶な復讐劇など読んだ後の「中和薬」として、おすすめの一品です。























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