身代わり花嫁の誤算 俺様皇太子の一途すぎる独占愛【イラストなし】
」のレビュー

身代わり花嫁の誤算 俺様皇太子の一途すぎる独占愛【イラストなし】

宇奈月香/幸村佳苗

設定に必然性が無い。

ネタバレ
2020年8月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ こちらの作品に限ったことでは無いのですが、必然性が感じられない作品は、読んでいて苦痛です。こういうシーンが描きたいとか、ヒーローとヒロインのこんな関係性が描きたいというのがまずあって、そのための状況を作ったという風に感じられます。作者様が本当にそういう作品作りをしたかどうかは分かりませんが、そんな風に思える作品だと言いたいのです。描きたいことがあって、状況を作ること自体は別に悪く無いのですが、描きたいこと優先で設定やストーリー展開に無理があったり、破綻していたり、要するに必然性が無いのは、ある意味読者への裏切りではないかと思います。あくまでも私個人の見解ですが。
ヒーローが一途なのは好きですし、俺様でわがままなのも許します。でもやっぱりこの後宮設定は、無茶苦茶ですよね?他のレビューでも引いた方を見ましたが、私も無理設定にドン引きです。ラノベと言えども明らかに作品の質を下げると思います。無理設定も力業で説き伏せる作品もありはしますが、こちらの作品はそれほどでもなく。
そもそも、なぜミシェル(ついでに正妃候補)を探すのに、多数の貴族令嬢を3年間も後宮に留め置くのか?確固たる後宮システムが元々あったわけでもないようだから、他に方法はあったはず。ヒーローは馬鹿なの?脳筋なの?後宮って維持費がバカ高いと思うのですが、奴隷レベルの女性ではなく、貴族令嬢を200人近く養って、かつ3年後にはまとまった報酬金って、この国の王族はどんだけ金持ちなの?9年前の暴動の収拾に無念を感じてるくらいなのだから、ヒーローは未来の王としてもっと治安維持とか被害者救済とか国民のためにお金を使えば良いのに。ヒーローのミシェルへの執着をこういう形で表現したのかも知れないけど、顔を見れば彼女じゃないと分かる他の令嬢と閨でよろしくやってるわけだし、ミシェルが見つからなかった時に後宮の中から相手を選ぶからと尤もらしい説明があるけど、いや、別に後宮作らなくて良いから。普通に舞踏会とかお見合いとかで(場合によっては強制参加にして)会えば良いじゃん。しかも、ミシェルが貴族とも限らないし(実際、ミシェルであったヒロインは貴族というには微妙)。全く説得力がない。ヒーローとヒロインの出会いを作るための無理設定としか思えない。
でも、この後宮のくだりが気にならない、あるいはスルー出来るなら、それなりに楽しめる作品だったと思います。
いいねしたユーザ8人
レビューをシェアしよう!