獣の純愛 エリート御曹司は運命のオメガに愛を乞う
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獣の純愛 エリート御曹司は運命のオメガに愛を乞う

佐木ささめ/旭炬

外さない作家さん。

2020年8月22日
佐木先生のファンで、ほとんどの作品を読んでます。今回も佐木先生のオメガバース、ワクワクしながら読みました。ストーリーがしっかりしていて、ドラマチックで、物語の世界に引き込まれました。特に後半の緊迫した展開には手に汗握る思いでした。ヒーローが本当に素敵。私の好みのど真ん中です。
BL由来のオメガバースの世界観は知っていたし、最近ではTLでも時々見ます。オメガバースものでΩは虐げられる存在ですが、こちらの作品の世界観は特に理不尽に酷い(もっと酷いのもあるのかもしれませんが、私はBLを読まないので分かりません)。昨今の人権意識が成熟した現代社会(それでも差別される側から見たら全然だとは思いますが)とは、相容れないし、完全にパラレルワールドですね。Ω新法って、ほとんど奴隷制。Ωは人間扱いされてない。他のレビュアーさんが身分社会のようだと書いてましたが、まさにそんな感じ。オメガバース自体特殊な世界設定なので、そこに人権とか持ち込む私が悪いのですが、佐木先生の筆がヒロイン達の過酷な状況を炙り出す感じなので、心が強く揺さぶられます。だから余計にヒーローの真摯な愛が光ると思います。
お約束のライバルや嫌なやつが何人か出てきて、ふたりの愛が段々と強くなっていく感じも大好きな展開でした。好きなシーン(ヒーローがヒロインを救い出す所とか)は何度も読みました。私にとってコスパの高い作品でした。
ムーンにも掲載されていましたが、あちらには番外編があって、ライバルやαの妹のその後も分かって楽しかったです。ヒロインは優しくて素敵な女性です。ヒーローが惚れるのも分かる!番外編も書籍に入れて欲しかったです。
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