臆病な支配者
」のレビュー

臆病な支配者

宇奈月香/花岡美莉

背中の傷のくだりが読む度痛々しかった…

ネタバレ
2020年8月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヒーローを洗脳?して自分の物にするためなら、陰で狡猾な嘘の吹聴や罠を仕掛ける、ヒロインの敵の本性は怒りが湧くほどでした。ヒロインも十分傷つき、やっとの思いで会えたのに(事故後回復直後&五年後の列車での再会)その心をへし折る様なややっこしい切っ掛けや罠を仕掛けおって…。
だから前半は、なぜこうもヒーローが無体を強いるのかと言う謎、見当は着くけど彼女達にどんな嘘を吹き込まれたのかなぜここまでそれを信じてヒロインの心を踏みにじるのか、訳が分からずヒロインと共に絶望的な気分になりました。

でも次第に彼の背景が記憶が紐解かれて行き、しんどいすれ違いがまだまだ続きながらも、最後にヒーローが全てを思い出し心から懺悔し悔恨を噛み締め、ヒロインとひと悶着有ったものの最終的には結ばれたときは、なんと言うかカタルシスを感じました。
ヒロインが一旦こうと思い決めれば、もう素直には成れなくなる一面も、駆け落ちに纏わる罪悪感と、彼女の善い面が運命の歯車の掛け違いが発生した故かなぁと。あともう一つの救いは、彼女は清貧ながらも、人に恵まれて居たことでした。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!