虫かぶり姫
」のレビュー

虫かぶり姫

由唯/椎名咲月

7巻まで読了

ネタバレ
2020年8月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミカライズを2巻まで購読し、先が気になって原作に手を出しました。小説の方が落ち着いた感じがして読みやすかったので、こちらで揃えることにしました。
私にとってこの作品の最大の魅力はエリアーナとクリストファーです。2人が幸せいっぱいにイチャつくところは作者様の文章も冴えわたっているように感じました。小学生にも読ませられるようなプラトニックなラブなのに、四十路の私が胸をときめかしてしまうくらいです。また、作者様の笑いのセンスが私に合っていて、時折吹き出しながら楽しく読めて、3巻までは本当にスイスイと難なく読んでいけました。それが!!
4巻から始まった陰謀編ではラブも笑いも影を潜め、ひたすらシリアス展開となり、読むのが苦痛過ぎたため一旦本を閉じ、別のを読んで糖分と笑いを補給して再挑戦するのを繰り返しました。すぐ終わるかなと期待しましたがなんと6巻まで続き、エリィに感情移入している私は瀕死状態でした。しかし、ここまで来たらどんな幕引きを迎えるのか見届けなければ死ぬに死にきれない!そして読み終えた6巻。感想としては、全然スカッとしなかった。ていうか、真の黒幕とかいらなくないですか?オーディン公爵と王太子の一騎打ちみたいにしたほうがシンプルで、勝敗がついた後スカッとするような気がします。自己顕示欲や承認欲求を拗らせ続けると恐ろしい化け物になることを作者様は伝えたかったのでしょうか。なんかモヤモヤする終わり方でした。
7巻は事件の事後処理みたいな話になっていました。ここまでのストレスを解消するため8巻には期待したいところですが、もう3巻までのような雰囲気の話にはならないだろうと思います。なんせ、エリィが陰謀編で劇的な成長を遂げてしまって、まとう空気が激変しちゃいましたから。もう純真無垢でポワポワ可愛いだけのエリィじゃないんです。子供の成長を喜びながらも、巣立って行くことに寂しさを感じる親みたいな心境になります。成婚の儀が早まるかもという話なので、できればそこでこのシリアスな空気を終わりにして、結婚後の2人をラブコメミステリーみたいな感じでホンワカ読みたいです。
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