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今月(3月1日~3月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • うまとし【描き下ろし付き】

    内川千尋

    今年はうまどし
    ネタバレ
    2026年1月1日
    このレビューはネタバレを含みます▼ こちらの作品が、上野ポテト先生の別名義だと聞きつけ、直ちに購入。ちゃんと調べたわけではありませんが、「かつとし」の面影を感じる男性キャラ、吹き出しの繋げ方、独特で可愛い擬態語などなど、ポテト先生を彷彿とさせるものが随所に見られます。最近の絵柄とは違う、初期作品特有の癖が強めの絵柄が魅力的。進撃の巨人の諌山先生の絵のようなエネルギーを感じて惹きつけられます。

    描き下ろしも含めて短編が10編収録されています。全233頁。
    人間の業の深さみたいなものが、ユーモラスに描かれていて、深く考えずアハハと笑って読むこともできるし、アレコレ考察しても面白いと思います。どれもシュールでシニカルな笑いと恐怖を誘うお話でした。私は作者様のユーモアのセンスがとても好きなので、一冊丸ごと楽しめました。

    「うまとし」登場人物それぞれが自分の思想を押し付け合ってカオス化するも、可愛いは正義で一件落着。異常な光景に見えるけれど、人間の会話って傍から見たらこんな感じなのかも。作者様には、日常がこのように見えているのかもしれないなと思いました。

    「砂場の王様」展示されていたミイラが博物館から逃げ出して、近所の公園に棲みついている。砂場で入浴するミイラが無防備で可愛い。でもミイラのドアップは迫力満点。ノボルとマサルが一番人外ぽくて笑えました。

    「穿ち」幼い頃、顔のホクロをからかわれ、ノイローゼになってしまった主人公。妄執に囚われた彼女は、どこぞのバケモノより余程恐ろしい。私もホクロができやすい体質で、学生時代はよくからかわれたのを思い出しました。作者様はどんな心境でこの作品を描いたのか、想像するのがちょっと怖いです。

    「押し人」祖父母の死体を押し花のように加工して飾る埋葬方法が、若者の間で流行っているという設定。日本のどこにでもありそうな、ごく普通の家庭をそれらしく描写するのが天才的に上手い作者様。斬新な設定に皮肉を効かせて、最後のオチまで凄く面白かったです。

    他にも「マリオネットイズム」「FINE PLAY」「魔法少女よし子」「夜もまたずに」「倫輪乱樂」「うしとし(描き下ろし)」が収録されていました。文字数が足りないので感想は省きますが、どれも良かったです。
    シュールな笑いが好きな方には超お勧めですが、グロ描写が苦手な方は要注意です。痛そうな描写がチョイチョイ出てくるので気をつけて!
  • アンバランス・バランス

    上野ポテト

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年12月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 輩に追われて走っていた園山は、出会い頭に中学の同級生の瀬田とぶつかる。瀬田は輩たちと話をつけて助けてくれた上、住む場所が無い園山に、家事代行という名目で自分と一緒に住むよう提案するが・・・。

    伸ばしっぱなしの髪に、死人のような目。園山からは、自分も他人も世の中の全てがどうでもいい感が溢れている。どんな幼少期を送ったかは不明だが、生き延びることに必死で自我が育たなかったように見える。
    他人にとって都合の良い人間でいれば、居場所も得られ摩擦もおきない。自分にも他人にも期待せず、虚しさは手っ取り早くパチ ンコで誤魔化す。一見エネルギーを必要としないようだが、常に無意識下では自分を抑え込むためのエネルギーが膨大に消費されている。彼が楽な方を選んできたのは、常にエネルギー不足でそうせざるを得なかったから。自分を殺し続ける日々が、園山を無気力無感動にしてるのだと思う。
    一方瀬田は人にどう思われても、自分に正当性があるなら問題は無いと処理している感じ。他人がどう思っているかなど、彼にとってはどうでもよい事のよう。同級生にあんなことされても怒らず傷付かない強メンタルは、そういう思考回路に由来するのではと思いました。だから、園山が時々見せる表情にシンパシーを感じて、興味を持ったんじゃないかな。
    人としては歪だけど、瀬田の園山に対する思いはとても真っ直ぐで純粋で美しいなと思いました。初めてのHの時、園山が瀬田の気持ちを察して、自分も欲情していることを伝えるシーン。園山のさり気ない優しさと、感極まったような瀬田の表情に、私まで泣きそうになりました。

    今はまだ、園山の気持ちは恋ではないかもしれない。でも、瀬田からの想いは嫌じゃない。彼を信じてみたいと思い始めているのは確か。これから共に居ることで変化していく2人を見てみたいし、田村さん目線の番外編も読んでみたい。続き出てくれないかな~。

    瀬田と園山を見ていると、自分の中のどうしようもない部分も、どこかの誰かが求めていたりするのかなと思えてきます。性格を構成する要素に良いも悪いもない。そのバランスは十人十色で誰もがアンバランスだからこそ、関わり合うことでバランスがとれる瞬間が生み出されるような気もします。極端に歪な2人でしたが、その分2人合わさった時のバランスは絶妙で、お似合いのカップルだと思いました。
  • 【単話売】向こうの人と

    上野ポテト

    番外編は最終話の扉絵から始まっていた!
    ネタバレ
    2025年12月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 本編最終話の扉絵を眺めながら、「番外編の最初の一コマの一瞬前は、こんな甘酸っぱい空間が広がっていたのか~、そっかそっか~」って一人でニマニマしていました。ポテト先生のこういうところ、すっごく好きです。

    正直に言うと、私は佐野のこと「こいつの何処が可愛いんだ?」って思ってました。しかし!佐野が「さわっていい?」って聞いて、自分のを触るシーンで、そんな私も遂に陥落。認めます、あんたは可愛い!もう佐野の全てが可愛く思えて仕方ない。降参です。成海があの段階で佐野を可愛いと認識した、その慧眼に平伏したくなりました。

    初めて会った時の成海は、佐野の考えていることなどお見通しの余裕のトークで印象操作もお手の物ってかんじだったのに、佐野の可愛さに気付いた辺りから、本編でも2人の会話が噛み合っていない描写が続きました。恋に落ちて相手に期待をし始めるとバイアスがかかって見えてたモノが見えなくなるのかな?
    まだ微妙な関係だった時は見ていてヒヤヒヤしましたが、両想いの2人なら話は別。この噛み合わなさとぎこちなさが、付き合って初めてのお泊りの最高の演出になっていました。読んでいる私までソワソワモジモジし始めるくらい良いものを見せて頂きました。ごちそうさまでした。合掌。

    相手の気持ちを予測することに不慣れな佐野が、斜め上の予測をカマして成海をガッカリさせるのを見るのも悪くはないけれど、いずれ佐野は、ちゃんと成海の気持ちを予測できるようになる気がします。何よりも本人のやる気がスゴイから、成長速度も期待できそう。営業の同期たちと良い塩梅で付き合えるようになる日が来るのも遠くないのでは?

    本編を読んだ時は、描き下ろしが、最後まで耐え抜いた読者へのご褒美の様に感じられ、たった4コマでも大満足できましたが、番外編読んじゃったら欲が出てしまいました。足りない!これだけじゃ足りないよ、ポテト先生!ギブミー、続編プリーズ!
  • 向こうの人【電子限定描き下ろし付き】

    上野ポテト

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年12月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 佐野は28歳の平凡な会社員。傷付きやすい心を守るため、今日も周囲への警戒と威嚇を怠らない。しかし傷付かないための守りは、知らぬ間に彼を周囲から隔て、孤独にしてしまった。自分を守ることで一杯の彼の心の中に、他人の入る余地はない。

    人気俳優の成海は、佐野と同い年。子役からの芸能生活で洞察力を磨き、常に状況を俯瞰して、自分をコントロールする術を身に付けた。周囲の期待通りの自分を演じ続け、上手く立ち回れていたはずが、スキャンダルを捏造されて謹慎を余儀なくされる。

    精神的に弱っていた成海は、素性を明かさずやっていたSNSで、初めて弱音を吐いた。5年前からメッセージのやり取りをしていた佐野は心配して返信する。そこからオフ会の流れになる。

    佐野も成海も、傷付きやすい自我をそれぞれの方法で守り続けた先で、行き詰りを見せていた。しかしそれも、2人の関係がネット上から素性を明かしての対面へと進んだところから、変化を見せ始める。

    自分を雑に扱う周囲の人々に不満を感じていた佐野は、成海が自分の価値を理解してくれることが嬉しかった。だから仲良くしてくれるのだと信じたかった。成海の気持ちを知りたいという欲求が、自己防衛本能を上回って、ようやく彼は一歩前進できたのだと思う。自分を客観視したり、相手の気持ちを考えたり、慣れない経験を重ねながら少しずつ変化して、ラストでは守りに入ろうとする自分を「うるせーっっ!」「知らねーっっっ!」って弾き飛ばして、成海に会いに走る。

    一方成海は、切り捨て続けて見失ってしまった自分自身を、少しずつ佐野に引き出してもらっているようでした。人に話すような不満などなかった成海が、佐野の中に少しでも自分以外の存在を感じると不満を感じた。ワイングラスが無いと知って浮かれたり、佐野に話せる同期だと紹介された三谷にマウントを取ったり、自分の気持ちを察してくれない佐野に逆切れしたり。恋をして現れた制御不能の自分に戸惑いながらも、嫌ではない様子。

    最初はこの2人の間に恋が芽生えるなんて全く想像できなかったのに、今は驚くほど納得している自分がいます。自分の見たくない部分を見せつけられて読むのがしんどいところも多かったけれど、読み返す度に少しずつ、そんなところも愛おしいと思うようになります。一周廻って自己肯定感が上がるかもしれない。是非ご一読を。
  • ノイド~愛のすくう星~【電子限定描き下ろし付き】

    上野ポテト

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年12月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 山奥のポツンと一軒家に住むケイジは、森でノイドを助けます。ノイドとは人型の宇宙人で、匿えば罪に問われます。しかしケイジは記憶喪失で呆然とするそのノイドをニアと名付け、一緒に住み始めます。しばらくして2人は愛し合うようになり、ノイドと人間という違いはあれど、当たり前の日常を送る2人は人間の恋人同士そのものです。

    ケイジもニアも特殊な境遇に置かれていますが、読者が想像しやすい様に工夫されていると思いました。社会背景の描写、人物の些細な表情や反応、セリフやモノローグから、それぞれの立場や心情が理解できます。ケイジに関しては再読するとより理解が深まります。

    記憶を失ったニアの心情はとても興味深かったです。私達は記憶を自分だと思って生きているけれど、それを失っても自分は存在し続けるならば、記憶は自分ではない。「自分」とは何かという、根源的な問いにぶち当たりました。

    ケイジは幼い頃から本当の意味では一人ぼっちでした。社会状況にも追い打ちをかけられ、精神的に限界だった。信じていた人に裏切られ、衝撃と共に怒りが湧きますが、自分も人に同じことをしたと気付き愕然とする。罪の重さに耐えかねて、裏切った相手に全てを洗いざらいぶちまけるまでの感情の変遷が、どこまでも人間臭くて、とても共感できました。

    ケイジの祖母に関しては言い分が理解できず、何度も読み直して考えました。ふと思ったのは、祖母は孫に、家族への愛着を抱かせたくなかったのかなと。自分達は先に死んでしまうのに、必要以上に愛着を持たせれば、ケイジの性格からして、こだわって頑なになるのではと予想したのか。ケイジをそのまま受け入れて愛してくれる人と出会うためにも、内に籠らず外に出て変わっていって欲しかったのかも。祖母の思惑通りに事は運びませんでしたが、予想外の展開で祖母の願いは叶えられました。想像の斜め上を行く大団円には驚くばかりでした。

    本編後の話では、ケイジが今までより自然体でいることが分かります。過去にニアが何を思って生きてきたのかも察せられ、2人がが惹かれ合ったのも頷けました。普通に出会っても2人は恋に落ちたかもしれないけれど、どんな自分でも愛してくれる確信を得るには、今までの全てが必要だったのかもしれない。それでも消えないトラウマはあるけれど、いつか本来の姿で満月の夜を2人共に過ごせる日が来ると良いなと思いました。
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  • かつとし

    上野ポテト

    表紙の克利の瞳に吸い込まれるように購入
    ネタバレ
    2025年12月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作は4話構成。
    「オートマチックコントロール」コイン ランドリーで偶然居合わせた克利と裕希のやり取りが、裕希目線で語られます。
    「モノローグ」克利の高校時代から裕希と出会うまで、克利がどう生きてきたかを本人が語ります。克利と裕希はコミュ障の両極に位置するのかもしれない。
    「いつか来る朝」ワンナイトの相手目線で克利を語る4ページ。こんな人にまで閉じた心と寂しさを見透かされて、笑顔が開くところを見たいと思わせるなんて、どんだけダダ洩れなんだか。
    「かつとし」ようやくメインのお話です。初恋の先輩を忘れられず、他の男で紛らわす日々を送る克利。最初に出てきた裕希も、顔が先輩に似ているだけの穴埋め要員でした。

    克利は嫌われることを恐れるあまり、人に対して好印象しか与えられない。それがたとえ、嫌いな人や興味のない人でも。人を喜ばせることが自分の役割だと自己説得しているけれど、自分を蔑ろにすることで生じる虚しさは、彼の心に大きな穴をあけていきます。この穴を人で埋めようとするから、人の思惑を優先せざるを得ず、デススパイラルに陥っていましたが、本人すら見失っていた素の克利を引きずり出してくれる存在(通称オジさん)との出会いで、事態はどんどん好転していきます。この辺りは是非読んで味わっていただきたいのですが、今まであれだけ気味悪かった克利の表情がみるみる変化していき、ラストの笑顔を見た時は、それまでの克利が走馬灯のように私の脳内を駆け抜けていって、まるでそれまでの克利が天に召されたかのようでした。

    オジさんと致すシーンは無いけれど、表紙の克利はオジさんに抱かれた後だと勝手に思い込むことにしました。克利の顔には汗が滴り、服も着たまま、雑に置かれた使用済みのアレ。愛おし気に見つめる視線の先にはオジさんが居るに違いない!どれほどの盛り上がりを見せたのか想像するだけで私の身体はカッと熱くなり、オジさんと三日三晩語り合いたい衝動に駆られます。「ムッとして尖らせたあの唇は摘まみたくなるよねー!」とか言いながら・・・。

    表題作の他に「スイートハラスメント」前後編も収録されていました。このお話もすごく良かったのに、文字数が足りない!無念!性癖にはこっちのが刺さりました。
  • ハッピーエンドを約束します【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

    波真田かもめ

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年12月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高校時代の部活の先輩に崇拝の域で恋している執着攻めが、何を考えているのか分かりそうで分からない。ひたすら純粋なだけなのかと思えば、執着具合がヤバめの域だったり、盲目的になっていそうで、実は冷静に状況は把握していて、受けの欠点も認識できているという。
    一方受けの下野は、椿に本心を隠しながらの会話ではあるものの、行動原理は単純で分かりやすい。クズっぷりが清々しい程で、良いところを探してもなかなか見つけられず苦労しました。中途半端な自尊心が災いして自滅するタイプの人。人からどう見られるかを人一倍気にするくせに、気にしてないふりする。上手く行かなければ不貞腐れ、その自尊心さえも簡単に放棄してしまえる安い男。漫画の世界で言えば、主人公に絡んでくるモブみたいなキャラ。

    でも、この下野の自尊心が中途半端であればこそ、この2人は約束通りハッピーエンドを迎えられたのかもしれない。自尊心が高すぎれば椿を受け入れることはできなかっただろうし、低すぎればヒモから抜け出せず共倒れもありうる。
    あと、下野が椿に絆された理由の中には、良心の呵責というのも入っていたのではと思います。下野の中に申し訳程度に残っていたが良心が発動してくれたおかげで、我に返って椿への気持ちに気付けたんじゃないかな。

    高校時代から下野に憧れ続けている椿ですが、下野本人がその憧れを打ち砕くような、人として蔑まれても文句は言えない言動を繰り返すのに、頑として幻滅しない。とても興味深い椿のセリフがあって、「環境によって性格が変わるのは当たり前」「あなたが下野健太郎である限り、俺はあなたが好きです」この言葉、何気に深いなと思いました。性格を自分だと思って生きている人は多いと思うのですが、椿にとってはそうではなくて、環境によって使い分けるツールに過ぎないということですよね。椿は下野に幻想を抱いているわけではなくて、ずっと下野の本質を見ていたってことなのかな。表面ばかり気にする下野とは正反対の物の捉え方をする椿。こういう点でも2人でいるとバランスが良いのかもしれません。

    タイトルからして盛大にネタバレしていると作者様が書いておられましたが、その分ハピエンまでの過程が重視されていて、2人の心情が変化していくのを楽しめたので良かったです。
  • 君香シャーレ 新装版

    鯛野ニッケ

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年12月22日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高階はただの匂いフェチなのか、有路の匂い限定フェチなのか分からないけれど、匂いがきっかけで急速に近づいていく2人の距離にドキドキしながら読みました。匂いフェチの話は割と好きで、私自身も嗅覚が鋭いせいもあり興味がわいて、色んなジャンルで読んできました。本能にダイレクトに響いてくる匂いってどんな感じなんだろう。私も一回そんな体験してみたいなと、読む度に思います。

    人より匂いに敏感な高階は、日常に溢れる人工的な匂いに日々苦しめられていたが、同じ研究室の先輩から香る匂いにどうしようもなく惹かれてしまう。最初は研究を手伝う見返りとして、5分匂いをかがせてもらうだけだったけれど、徐々に高階の気持ちも欲求も暴走し始めて・・・。

    有路の元共同研究者、木梨が関わる一連の騒動は読み応えがありました。木梨の、有路に対する全く心のこもらない謝罪にも、その直後の罵倒にも、はらわたが煮えくり返りましたが、それを見ていた高階の怒りの矛先が斜め上すぎて、びっくりしてたら落ち着きました(笑)しかし木梨は、あの思考回路のまま社会に出たら痛い目に遭うに違いない。

    本編ではエチ無しなのですが、個人的には「ち んちんむずむず」からの高階ソロプレイの下りが、本番よりヤバかったです。てか、「ち んちんむずむず」って、何ソレ、NANI☆SORE!そのタイミングで言うなんて反則だよぉ!高階に被せる感じで「ごちそうさまです」って思わず言っちゃいましたよ。

    本編の後に収録されているおまけまんがでは、2人の初エチが余すところなく読めます。有路の誘い文句に笑いました。
    そして個人発行の同人誌では、イヤイヤする有路のエロ可愛さが悶絶級でした。
    新装版用の描き下ろしもニッケ先生らしいというか、完全に読者はニッケ先生の手のひらで転がされているなと感じます。たった数ページの短いお話でも、しっかり心を掴まれてしまう。

    他にもこの作品関連のイラストやショート漫画など多数収録されていて、盛沢山な内容でした。
    ニッケ先生は本当に生き生きとした魅力的な変態を描いて下さる。変態好きには非常にありがたい先生です。
  • きょうのキラ君

    みきもと凜

    生きる上で当たり前のことなど一つもない
    2025年12月12日
    私も含め、大抵の人は常に死を意識しながら日常生活を送っていないけれど、キラ君は違う。幼い頃から身体が弱くて、病気によって余命が1年だと医者に宣告された。1年というのは目安だけれど、未来がたっぷりあると思って生きている高校生達よりは、確実に時間がない。少女漫画の高校生モノは、40代半ばのオバサンには少々ノリがキツ過ぎることも多くて滅多に手を出さないけれど、こちらは何となく試し読みして、恐らくハピエンだろうけれど、命をテーマにどんな描き方をするのか気になって全巻購入。

    3巻までは本当に読みにくくて苦しみましたが、そこを乗り越えたら坂道を自転車で颯爽と下るかの如く、一気に最後まで読めてしまいました。最初はどのキャラも苦手でしたが、途中からは少しでも彼らの話を読みたくて、巻末に「近キョリ恋愛」の番外編が収録される度にイラッとするくらい、みんな大好きになりました。
    3巻までの読みにくさは、主人公とその家族が独特だったのとか、シリアスの中に差し挟まれるヌルい笑いが微妙だったのとか、どういうテンションで読めばいいのか戸惑ってしまったからなのですが、そんな私のモヤモヤを吹き飛ばす勢いで、どの瞬間も見逃すまいと噛みしめるように生きるキラ君の何気ない言葉が、私の心をグワングワン揺さぶってきて、読む手を止めさせなかったです。キラ君を大切に思うキャラ達が、キラ君と共に死と向き合う中で、私自身も考えさせられました。
    そしてもう一つのモヤモヤ吹き飛ばし要因は、「先生」と呼ばれるオカメインコです。主人公のニノンが小さい頃拾ってきて飼っているペットなのですが、ニノンの師匠でもあります。関西訛りで饒舌に話す先生は、自力で人間の言葉を習得した賢いインコ。ここだけほんのりファンタジー入ってますが全く不自然さは感じず、むしろ先生がいなかったらこの物語は成立しないレベルの重要インコです。「やっぱ読むの止めよっかな~」ってなった時も、先生見たさで乗り切ったと言っても過言ではありません。ラスト近くの先生の振舞いは最高にカッコ良かったし、涙を禁じえませんでしたが、先生のお陰でこの作品を読むのが100倍楽しくなった気がします。

    十代の子が読めばリアルに感情移入できるだろうし、それ以上の年代の人でも原点回帰できる素敵なお話だと思います。読んで良かったです。
  • きみはアイドル

    サカモトミク

    全方向から愛されるヒロイン
    2025年12月9日
    ベテラン作家様だからか、とにかく読みやすくて感動しました。迷いのない綺麗な線で描かれる癖のない絵柄、手書きの文字も大きめで美しい字体、コマ割りも時に大胆な構図で目を引いて、大事な場面だと伝えてくれるのでストーリーの理解が容易です。ファーストクラスで空の旅を楽しんでいるかのような快適さで、10巻をあっという間に読めてしまいました。

    物語自体はドキドキハラハラするようなハプニングや大問題が起こる訳でもないのですが、高校時代から脇目も振らず10年間、一人でドルオタの道を邁進してきた篠田さんにとっては、生身の人間とのやり取りだけでも大イベントであり、推しじゃなくて恋人ができちゃったら、それはもう完全にキャパオーバーです。キリッとした凛々しい見た目とは裏腹に、内心では常にアタフタして、些細な事で盛大に悩んでいるのを見ていると、本当に愛おしくなってきます。出てくる人々全員、篠田さんのギャップを知った途端に彼女が好きになってしまうのも頷けます。それに、ドルオタ歴が長すぎて、何に対してもオタク目線で反応する篠田さんが地味に笑えて、何度も吹き出してしまいました。篠田さんだけでも十分楽しかったけれど、脇役達も魅力的で、割とイイ性格をしていて、みんな個性があって楽しかったです。社会人同士の恋なのに、関係は学生みたいな進み方で刺激は少ないけれど、それなのに中だるみもせず、最後まで休むことなく面白かった!
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  • だんだん街の徳馬と嫁

    藤見よいこ

    良い人も悪い人もいない、人物描写が秀逸
    ネタバレ
    2025年12月9日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 上下巻それぞれ巻末に短編が1編収録されています。本編は実質1.5巻くらいという短さなのに、ここまで伝えきれるものなのかと驚きました。舞台は太平洋戦争終結直後ですが、何気ない日常の尊さや戦争の悲惨さを訴えるような話ではなかったです。初々しい昭和の夫婦ものを期待して読むと、激しく裏切られますのでご注意を。

    主要な登場人物は3人で、兄の義一、弟の徳馬、兄嫁の万火子。赤紙が届くも、戦争に行くのを嫌がる弟に、代わりに自分が行くと兄が申し出る。遺骨となって帰ってきた兄の葬式を済ませた後、徳馬は万火子を娶ります。しかし2年後、死んだはずの兄が帰還船に乗って帰って来たのでした・・・(当時、次男が長男に出征を代わってもらえたかは疑問ですが、ここは物語の重要な要素なので、脇に置いておくことにしました)

    丁寧かつ的確に人物描写がされていて、3人の人となりが分かりやすいです。それぞれが持つ性質を良い面も悪い面も合わせて多角的に描いているので、誰か一人に感情移入することなく読めました。時代の荒波の中で、時に溺れかけながらも、生きることを諦めずに泳ぎ切った彼らの生き様は三者三様でした。私とは生きてきた時代は全然違うのに、読んでいて何故か他人事とは思えませんでした。作者様が人間の表面だけではなく、より本質に近いところまで描いているからなのかもしれない。無駄なシーンやセリフは無いのではと思えるくらい必要な要素だけで構成されていて、作者様が描きたかったことが真っ直ぐ伝わってきました。

    印象に残っているシーンがあります。だんだん街を去り、流れ流れて大阪の街に落ち着いた義一が、行きつけの居酒屋で女将さんと話す下り。まるでこの物語を集約するような言葉を女将さんが言います。
    「思いもよらないほうへ人生傾いた時、その傾きをどれだけ良いほうへ持っていけるかが、人生なんや」
    事態が思わぬ方向へ転がり、受け入れ難い状況に苦しんでいる時、「何が原因でこうなった?」と考えることで現実逃避してしまいがちです。自分や他人のせいにしたり、戦争や自然災害など環境のせいにしたり。でも大事なのは、そうなった原因ではなく、今をどう生きるかなんだなぁと。
    当たり前の事なんだけど、渦中にいると見失ってしまいがちなことを、改めて気付かせてくれるお話でした。
    読後は人間への愛おしさが胸に溢れて、誰でもいいから抱きしめたくなりました。
  • 三代目同士、喫茶と酒屋の幼なじみ

    重い実

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年11月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 20年来の幼馴染である清之介×一左。赤ん坊の頃から毎日一緒に居た上、清之介は物心ついた時から一左に恋していて、世話を焼きまくりながら今日に至る。清之介は一左を天使だと思っているのですが、それも無理はないと思うくらい純真無垢で顔も可愛くて、宗教画の天使の姿を彷彿とさせる穢れのなさ。物語は一左が尻丸出しで横たわる姿から始まるのですが、これが本当に綺麗なんです。他の作品にもベルニーニロレンツォとかダビデ像とかの彫刻ネタが出てくるけれど、作者様は彫刻がお好きなんですかね。そういう視点で見ると、描かれている裸体がどことなく彫像のように見えてきます。毎回ドがつく濃厚なエロシーンであるにも関わらず、美術品と対峙した時のような静かな心で読めるのは、そのせいでしょうか。

    一左は朝起きるのが苦手で、何をしても起きない。しかも寝ている間に服を脱ぐ癖がある。幼稚園の頃は母親が服を着せても起きず、寝たまま担がれて幼稚園バスに乗せられていました。中学に上がった頃、朝起こすよう頼まれて清之介が部屋に行くと、そこには全裸で朝立ちした状態で寝ている一左が!パンツをはかせるため、寝ている一左を手コキで抜いてあげる清之介。一左が天使だからか、清之介も聖人君子で頼まれた以上のことはしないんです。そこが偉いな~っていつも思います。こんな状態の好きな人を前にして理性を保っていられる清之介は素晴らしいです。

    10年も抜いてスッキリするまで起きなかった一左が、ある日突然起きてしまったことから2人の関係は動き始めます。そこからは正にニコイチの幼馴染だからこその展開が続いて最高of最高。幼馴染、善き哉、善き哉・・・。
    両想いになってからは、20年以上抑え込んでいた思いを遠慮なく一左にぶつける清之介でしたが、童貞だったはずの清之介のHのテクが歴戦の猛者も顔負けレベルなのには笑いました。いくらなんでも初心者で立ち松葉はできんだろう!そして、処女なのに最初からナカでイキまくる一左もヤバいです。2人ともスゴイ才能の持ち主です(笑)

    それにしても、他作品にも頻繁に出てくるキリンは地名か何かなのか。今回は店の壁にまでキリンの絵が飾られていて、益々気になってしまいました。話に関係ないと分かってるのですが、気付くと目を皿のようにしてキリンを探している自分がいます(笑)
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  • おおきい小竹とちいさい武田

    重い実

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年11月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ままならない現実にもがき苦しむDKたちの悲喜こもごもが、独特の角度から切り取られて描写され、とんでも設定であるにも関わらず、登場人物たちと共に感情を激しく揺さぶられました。どのキャラの気持ちも痛い程分かるから、ただひたすら切なさとやるせなさを噛みしめる上巻となりました。打って変わって下巻ではラブラブハッピーな幸せ気分を味わえますが、小竹が身体だけじゃなく視野も広大で、全てを見越して赤い実を食べたのだ伺えるシーンがあって、鳥肌がたちました。「赤い実を食べた甲斐があったというものだ」という小竹のモノローグが入ったタイミングといい、「赤い実の毒と引き換えにボクが武田クンのこれからの人生をすべて手に入れた」と武田の目を真っ直ぐ見つめて話す小竹を見てゾクゾクしました。例え目覚めなくても、武田を生涯自分に縛り付ける気でいたんだな。武田を背負って崖から飛び降りるシーンの意味が何となく分かりました。

    小竹と触れ合うことができず性欲を持て余して、大橋の策略に自らハマりにいくように快楽の沼に沈んだ武田。本命がブレないのであれば、武田が性欲処理のため他の人とするのを受け入れる小竹。しかし本心は、後先考えず赤い実を食べてしまいたくなるくらい、この状況が耐え難かった。武田の傍にいつも居て物理的に難なく繋がれる大橋に、いつか武田を取られるのではと戦々恐々としていた。

    大橋は親友への恋心が暴走し、武田を手に入れるため、ヤってる現場を小竹に見せつけるという暴挙に出たけれど、これが小竹に全てを捨てて勝負に出る覚悟を決めさせてしまった。武田の反応を見ていれば、大橋が一縷の望みに賭けたくなったのも良く分かります。武田を悲しませることになろうとも、彼の全てを手に入れる覚悟を決めた小竹とは勝負にすらならなかったけれど、番外編で大橋にもベストなパートナーができて本当に良かったと思いました。この物語の中で、まるでオアシスのように読者を癒してくれた三宅。メインの2人が時として我儘になれるタイプなのに対し、大橋は我を通しきれないタイプ。そんな彼が安心して愛を注げるのは三宅みたいな人だと思う。身体だけでも繋ぎとめようとする三宅の健気でひたむきな想いを、誰より分かってあげられるのも大橋だろうし。武田で占拠されていた大橋の心が、三宅に浸食されていく流れにも説得力があり、2人の幸せを心から喜べました。
  • ビッチなスズキくん

    重い実

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年11月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ トラウマ持ちの受けと、受けをトラウマごと愛する攻めのカップルが2組登場します。

    大学生の須崎×フリーターのスズキがメインで、その2人がバイトするコンビニのオーナー×店長がサブカプ。メインが表社会なら、サブは裏社会といった様相。
    どちらのカプにも関わってくるのが堺という大学生。同じコンビニでバイトする彼は、北海道の大自然に抱かれてスクスク育った感じの朴訥な人。堺は店長を好きになり、スズキは堺を好きになり、須崎はスズキが好きで、オーナーは店長が好き。一方通行の思いが渋滞する事態になりましたが、この渋滞を斜め上の展開で解消してしまう重い実先生。全員がベストな状態に収まって良かったです。

    作中でスズキの過去には度々触れられていて、彼のトラウマは大好きな母との思い出でもあり、絶対に手放したくないから癒す気もないのだと思いました。
    母に捨てられた後、しばらく一緒に住んでいた母の元彼のカナダ人に偶然会ったシーンは秀逸でした。2人が会った瞬間だけ時間が巻き戻るとかいうレベルじゃなかった。スズキは今も過去に囚われたまま、過去を生きているんだなと思いました。

    その再会を傍で見ていて色々察した須崎は、スズキを変えようとするでもなく、ただ着々とスズキ包囲網を整えて逃げられないようにして、その囲いの中でスズキが亡くなるまで鬼ごっこを続けました。追いかけるほど逃げるスズキがたまにチラッとこちらを見る、それが自分に縋りついているようにしか見えなくて、須崎はそれをたまらなく愛おしく思っていたのかもしれません。最愛の人を亡くしてしまったけれど、須崎はスズキの勝ち逃げに心から満足していることでしょう。それが何よりの愛の証だと知っているから。
  • 放課後のYくん【特典ペーパー付】

    重い実

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年11月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 男子校で女子に飢えた状態のノンケDK同士の恋という王道ネタを、重い実先生の作品で読めて幸運でした。

    吉岡と横井の恋は、ちょっとした出来心がきっかけで始まった感じですが、放課後2人で勉強するという行為自体が、一緒に居ることが嫌じゃないってことだし、唇に触れてみようと思うこと自体が、触れることが嫌じゃないってことで、更に触れても嫌悪感が無いどころか気持ちよかったなら、なんか色々準備万端整いましたって感じですよね。吉岡と横井の間には、もともと恋が芽生える土壌が整えられていて、だからこそ芽吹いた後は本人の自覚のあるなし問わず、急速に想いが育っていったんだろうなと思いました。

    恋を自覚するまでの横井は、気持ちが追い付かずに色々考えすぎて体調まで崩す有様でしたが、吉岡は自分の欲望と感情に素直で行動にも迷いがない感じ。逆に想いが通じ合った後は、何をどうしたらよいか分からずアタフタする吉岡に対して、横井が男らしくリードします。横井が「ビビった?」とフッと微笑むシーンでは、吉岡同様、私も鼻血出すところでした。凄まじい色気は叔父のナルキッソス譲りでしょうか。

    吉岡には我慢のきかない、脳内と言動が直結しているような幼いところがあって、それが横井の頭でっかちなところをカバーする。お互いの欠点を、お互いの長所で補い合っているようで、すごくバランスの良いカップルだなと思いました。
    描き下ろしでは、吉岡の目に、自分以上に魅力的に映る人間が出てきちゃったらどうしようという横井の不安が描かれていました。始まりが始まりなだけに、心配にもなるってもんです。でも吉岡は横井のスペックだけで好きになった訳ではないと思うし、性格的にも合っていると思うので、社会に出てどんなに素晴らしい人と出会っても、2人はお互いの隣に居続けるんじゃないかなぁ。重い実先生は、この手の不安の描き方が凄く上手いと思います。読んでいる私まで、いつも心がザワザワしてきます。

    話の筋には関係ないけれど、今回も小ネタが効いていて、参考書のタイトルにめっちゃ笑いました。「仏恥義理 物理Ⅱ」もだけど、「田中史」って何?!「日本史」かと思ったら違うんだもん。田中ツインズの家系の歴史だろうか(笑)
  • ロマンスとジェラシー

    重い実

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年11月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 同じ飛行機に乗り合わせた京田に一目惚れした四ツ川。告白したら京田も一目で恋に落ちてくれて、今では半同棲状態のラブラブカップル。しかし好きであればあるほど相手の全てが知りたくなり、知れば知ったで嫉妬が止まらない、そんなままならない日々がシュールに描かれます。

    しかし京田の母校の矢場句根高校は、その名の通りヤバいよね(笑)借り物競争、みんなソレどこで借りてきたの?トランプタワーや出前のラーメンetc、何をどう突っ込めばいいかすら分からなくなってきますが、みんな仲良く楽しい高校生活だったというのは伝わってきます。
    その中でも京田にとって特別だったのが高橋という男。高橋について熱く語る京田に心をザワつかせ、とてつもなく大きな存在である高橋に不安を募らせる四ツ川。恋人という不安定な関係だと、親友という安定したポジションに嫉妬してしまう気持ちはよく分かります。友情と恋情は同一線上で語れないと頭では分かっていても、理屈じゃないところで感情は揺れ動くもの。
    たくさん不安や嫉妬に振り回された四ツ川でしたが、その過程で京田の愛の深さを実感できたし、結果として2人の絆も深まって良かった良かった。描き下ろしのラストの2人の会話がとっても素敵だった!幸せな読後感を味わえるお話でした。

    ちなみに、描き下ろしで2人の年齢が明かされるのですが、なんと京田が32歳で、四ツ川は34歳!年下攻めだったんかーい!こんな美味しい設定、もっと早く教えてください。齢を聞いただけで、受けの色気が五割り増しに感じられるから不思議です。また読み返さなくっちゃ!
  • アホエロ

    重い実

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年11月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「愛しのXLサイズ」が大好きで、作者様の他の作品も読みたくていろいろ購入。アホエロはXLとは一味違うような、そっくりなような、両方読んでいると不思議な気持ちになって面白いです。「アホエロ」の話の中にXLの登場人物達の存在を匂わせる下りもあってニヤニヤしてしまいました。他にも、坂口の勤める三宅建設は「大橋と三宅の場合」に出てくる三宅の実家かな?とか、坂口が契約を取った京田夫妻は、「ロマンスとジェラシー」に出てくる京田の両親かな?息子に生涯の伴侶ができたっていうのは四ツ川のことかな?とか、他の作品も同じ世界線の話っぽいぞとアレコレ勘繰っている内に、いつの間にか摩訶不思議な重い実ワールドに引きずり込まれています。

    アホエロもXLも、双方が激重な愛情を、日々育んで更に重くしていく過程が丁寧に描かれているのですが、愛は重すぎるのに全然話が重くならなくて、むしろ軽やかにクスクス笑いながら、さもそれが当たり前かのように読めてしまうところがスゴイと思います。一瞬「ん?」って思うけど、「へー、そうなんだ?」って感じで流せてしまうから不思議。いつもならモヤモヤして気になっちゃうようなことも、画面の情報をそのまま受け入れて、アハハと笑って読み進めてしまえる。
    違和感を楽しむのがシュールな作品の醍醐味かなと思っているのですが、アホエロではその違和感をキャラとして登場させていて、「重い実先生には敵わないな~」って改めて思いました。もう白旗上げて大笑いです。「違和感」君のビジュアルも良かったし、状況を的確に把握して無言で語り掛けてくるところもツボでした。

    社会人編までは To be continued だったのに、婚約篇では End と表記されていたので、ここでお終いなのかな?XLみたいに長く続いたら嬉しいのに。クジラ島を2人が旅したら、きっとシュールの極みのようなお話になるはず。新婚旅行編、是非とも読みたいです。
  • となりの筋肉女子

    亜乃アメ助

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年11月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「とあるお姫さまのはなし」が大好きで、こちらも購入。
    この作者様の笑いの、強すぎず弱すぎず程よい感じなのが好きです。
    ラフなタッチのポイントを押さえた綺麗な線で描かれる絵柄も好き!

    素直じゃ無さ過ぎる大学生ダリアが、隣に住んでいるマッチョな女性ルビーに恋をするお話。

    根は良い子なのに、コミュ障が過ぎて失礼な奴になっちゃってる残念なダリア。最初は「挨拶くらいちゃんとしろよー!」って思いましたが、ダリアが失敗する度にルビーが神対応するので、私の中でルビー株がグングン上昇。乙女なダリアの内心を覗くのも楽しかったけれど、ルビーが人間としてすごく魅力的で、ダリアと一緒にキュンキュンできるのが凄く楽しかったです。

    人を表面だけでは判断しないところや、相手の気持ちを察して時に励まし、時に寄り添うところや、相手の様子を見ながらさりげなくリードするところや、精神的にも肉体的にも頼もしいところや、ルビーの長所を挙げだしたらキリがない程。概ねイケメンな彼女だけれど、ダリアを男性として立てる気遣いもできるという、正に性別を超越した存在。1巻ラストのルビーには、老若男女問わず惚れてまうやろーってなりましたが、2巻はいつになったら出るんでしょう?は、早く続き読ませて~!

    ちなみに、ダリアの親友のショウも優しくて気の利く良い子なのですが、ダリアはコミュ障の割に人に恵まれているなぁと思います。友人や親との関係性もラブストーリーの良いスパイスになっていて楽しませてくれます。これからダリアとルビーがどんな進展を見せるのか楽しみです。
  • 懐かないかのじょ。

    いくたはな

    まさかの純愛
    ネタバレ
    2025年11月24日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 基本4コマ形式で描かれているので、テンポよく読めます。絵がイラストみたいなラフなタッチで描かれていて可愛いです。軽い感じでサクサク読んでいったのですが、ストーリーの方は割としっかりしてて意外でした。ちょっとだけ重い設定が、ハピエンの喜びをより深くしているように感じました。

    特定の彼女を作らずフラフラしていた旬君と裏アカにしか自分の価値を感じられない自己肯定感が低い都ちゃんの恋のお話。意外な展開が続いて、まさかラストで大学生の2人がここまで来るとは思いもしなかったです。ずっと一緒にいたいと思っても、この若さで死ぬまで一緒にいると決意することは容易ではないと思います。先のことは分からないので、最悪別れることになったとしても、2人がこの時感じていた強い想いは尊いなと思います。

    私はクズな男が人生初のガチ恋をして、自分の感情に振り回されて四苦八苦する話が大好きなので、そういうのを期待して購入したのですが、クズとして登場する旬君は女性と割り切った付き合いをしているだけで、それほどクズではなかったので、その点だけは残念でした。でも、普通に男の子と女の子が惹かれ合い、お互いをかけがえのない人として認識して、ずっと一緒に居たいと願うようになる過程を堪能できて、とても満足しています。こんな風に思える相手と出会える人も、この世界には少なからずいるのでしょうが、私は一生無理そうなので、こうして漫画を読んで浸らせてもらえて有難い限りです。

    友人たちが旬君と都ちゃんを上手くアシストしていたのも良かったです。当て馬の京君は少し中途半端でしたが、裏アカ削除のキーパーソンとなる東野さんは良い仕事してました。
    読みにくさを感じる部分もありましたが、要所要所でグッと惹きつけられる場面があって気持ちを揺さぶられ、こんなに感動するとは思いませんでした。読んで良かったです。
  • 美しい彼番外編集

    凪良ゆう/葛西リカコ

    この番外編は必読!
    2025年11月18日
    短編15本が、2人の高校時代から時系列に収録されているので、「これって本編だと、どの辺の話なんだろう?」って悩むことなく読み進められます。短い話が沢山収録されている番外編を読む時いつも悩むので、これは大変助かりました。本当なら読めない小冊子などが読めるのはもちろん嬉しいですが、加えて描き下ろしまであって読み応えが半端なかったです。一番長いお話(描き下ろし)は、2人が交互に日記を書いていくスタイルで、モノの捉え方が正反対なのがよく分かって、すごく面白かったです。もう一つの描き下ろしも、社長の山形視点で清居のことが見れて、本編では描かれない部分を読める感じで良かったです。本編の理解が深まるエピソードが満載なので、本編読むならこの番外編は読んでおいて損はないです!
  • 美しい彼

    凪良ゆう/葛西リカコ

    最高以外の言葉が見つからない
    2025年11月18日
    こんなに笑えてときめいて切なさもあって、いろんな気持ちを味わえるBL小説は初めてです。

    凪良先生はキモい攻めをこよなく愛する方で、その愛の深さがあとがきに毎回綴られていますが、私にはピンと来ず。番外編を含めシリーズ既刊4冊読んだ時点では私にとって平良はただキモいだけでした。しかし!「儘ならない彼」を読んでようやく「なんかちょっと、可愛いかも?」と思う瞬間が数回あったんです!4巻は平良という人間を、急激な成長の過程を描写しながら、彼自身の内面を深堀するような1冊でした。今回の事件を通して、平良が周りの人達からどれほど愛されているかが伝わってきて、愛に包まれた平良を見て初めて彼の輪郭がはっきり感じられた気がしました。平良のことはどうにも理解不能だったので、「キモうざ」という言葉で雑に捉えるだけにとどめていましたが、ようやく人間に見えてきたというか、少しだけ親近感が湧いたというか。これも凪良先生の巨大な「キモい攻め愛」の成せる業だと思います。巻末に収録されていた、満を持しての野口視点のお話も凄く良くて、「ほんと、平良って男は愛されてんな~」ってつくづく思いました。

    人間の本質的な部分を平良と清居で別角度から見られるのもそうですが、お話の中では人間の持つ要素が多角的に表現されていて、弱さや醜さも見方を変えれば、強さであり美しさでもあるということが腑に落ちます。だからどの人物にも嫌悪感と同時に愛おしさも感じられ、読んでいる時の没入感がすごくて、何度読み返しても飽きがこない。こんな風に人間を表現できる凪良先生はすごいと思いました。

    メイン2人の成長速度が速いのも読んでいて楽しいところ。お互いに理解できない部分にこそ魅力の根源があって、共に居ると自然と相乗効果で成長が加速する感じがイイ!自分を生きてるだけで高め合えるパートナーって本当に素敵だと思います。今まで読んできたBL小説の中でもベスト3に入るくらい大好きなカップル。永遠に見ていたいから、ずっと続いて欲しいです!
  • いたいのはこころです【R18版】

    つくも号

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ありがとうR18版。他の作品では巨大な白ナマコで見えなくなっているところが良く見える!!さすがの画力で大満足!つくも号先生の作品はR18に限るなぁ。

    修正の話はさておき、ストーリーの方もすごく良かったです。27ページという短さの中に恐ろしい程綺麗にまとめられていました。先生の茅野×生徒の矢向。
    結婚して子供も生まれるということで、恐らく茅野から一方的に関係を清算された矢向は諦めきれず、休日にノーアポで先生宅へ押しかけた様子。何も知らない奥さんは旦那の生徒に興味津々。良い生徒を演じる矢向。お茶を飲みながら談笑した後、奥さんは用事があって出掛けていきます。
    奥さんが去った途端に挑発的な態度で茅野を押し倒す矢向。上にまたがって主導権を握っていたので、遂につくも号先生のショタ攻めが読めるのかと期待に胸が膨らみましたが、やっぱりショタは受けでした。
    設定や展開は単純で分かりやすく、作者様がポイントを押さえて情報を提供して下さるので、おおよその察しができる状態に読者を持って行ってくれます。エチの最中の矢向は必死で、先程までのふてぶてしさは何処へやら。奥さんの大きくせり出しているお腹を目の当たりにしたダメージは大きかったのか、心の中では終わりを告げる鐘が鳴り響いている感じ。激しいエチ描写はエロいんだけど、2人の気持ちに温度差があるので空しく寒々しい。帰り際に、身体だけでも繋ぎ留めたい矢向は脅すようなセリフを吐いていきますが、これで一番得をするのは茅野なのでは?
    そして、帰り道の矢向のモノローグで「ぐはぁっ!!」てなります。切ないなぁ。矢向にとっては初恋だったのかなぁ。気の済むまでやったら、この経験を糧に矢向が次の恋へ進めるといいなと思いました。
  • 君、恋しと言はば

    つくも号

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大学生のリュウ×たぶん中学生のタイガ。リュウは隣に住んでいるタイガを小さい時から可愛がってきました。タイガもリュウにべったり懐いています。年の差が10歳近くありそうな幼馴染は初めてでしたが、ちゃんと幼馴染の空気を醸し出していたので、意外と違和感が無かったです。

    タイガの恋心がリュウにバレてしまった後、タイガがリュウの好きなところを挙げるんですけど、そのタイガが悶絶級の可愛さで、愛おしさが極まると涙が出ることを私は知りました(笑)
    タイガの思いを知り、リュウがタイガに恋愛感情を持つまでが早すぎて一瞬白けましたが、このいじらしいタイガを目の当りにしたら秒で絆されるのもわかるし、その勢いでヤッてしまうのもわからなくもない(いや、ほんとはダメだけど)。こういう時、幼馴染設定って強いんですよね。その日まで積み重ねてきた2人の時間や思いが膨大だから、超急展開でも納得できちゃう。受けが中学生で初めてで、事前準備もなくいきなりであっても、若いからきっと括約筋も柔軟だろうし、回復力も高いだろうし大丈夫だよね。そういうことにしておこう。
    48ページという短さでしたが、気持ちが伝わってくる表情やセリフ、構成に至るまで本当に漫画を描くのが上手い先生だなと改めて思いました。つくも号先生のショタ受け幼馴染設定が読めて感無量でした!
  • 7日間。~ノンケはゲイに目覚めるか?【単行本版特典ペーパー付き】

    つくも号

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 丸っと1冊表題作で全6話+描き下ろし。大学生同士の純愛で、紛れもないラブストーリー。合間に挟まれる4コマ漫画も面白かった!
    心理学専攻の高峰(主人公)は、准教授の臨床実験を手伝うよう促される。実験の内容は、「外的刺激により同性愛者になりうるか」というもの。落としそうな単位と引き換えに、高峰は被験者として実験を手伝うことを渋々了承する。指定されたマンションへ行くと、そこで待っていたのは学部でも有名な遊佐先輩だった。遊佐は柔道部主将でイケメンだが寡黙で怖くて近寄り難い。この人とどうにかなるなんてありえないと高を括っていたものの、遊佐の意外な一面に触れる度に高峰はドキドキしてしまう。滅多に見られない笑顔、風呂上がりのブリーフ姿や「抱き枕が無いと眠れない」発言など、巨大爆弾を連続で投下された高峰は陥落寸前。過程は省略しますが、何だかんだで両想いになったところで実験は終了。もちろんエチまで完遂。もともと前後編という形で描いた作品だったそうで、2話で上手くまとまっています。
    3話以降は准教授が2人を新たな実験の材料にしようと当て馬を投入することで波乱を呼ぶ展開に。高峰の思考回路が乙女だからか少女漫画的要素も感じつつ、それでいてしっかりBLで、波乱を乗り越えた2人はラブラブハッピーで幸せいっぱいの読後感でした。
    8割方コメディ調で話は進みますが、時折挟まれる主人公の詩的なモノローグが物語に深みを与えていて、ただのドタバタしたラブコメになっていないところが良かったです。あとがきに「高峰と遊佐のお話は、もう少しだけ続きます」とありました。続きを読める日がくることを心待ちにしています。
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  • 公衆トイレ男子~はじめての、あおかん~

    つくも号

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 夜の公園で、見ず知らずの人達みんなの公衆トイレになって喜んじゃうトモキ君のお話。拒否しなければと思いながらも快感に抗えず、ジワリジワリと開発されていくトモキ君。最後は肉●器の証として首輪までもらってご機嫌なトモキ君。エロに特化したエロしかないお話をつくも号先生の絵で読めて大満足でした。

    がしかし、この作品は購入時の時点では無修正だったんです!久々に読み返した時、真っ白になっていて愕然としました。酷いよ~!(泣)せめて修正版に差し替える前に、購入者へ通知して欲しかった。というわけで、星を-1させてもらいました。内容は文句なしに星5です。

    無修正版の記憶が上書きされそうなので、こちらは二度と読み返さないようにしようと思います。
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  • 熱くて気持ちいい…

    つくも号

    作者買いです
    2025年10月31日
    各巻に1作品収録されていて、3つともカラッとした読み心地のエロいお話でした。
    どれもショタ受けで、3巻に至っては、よもや小学生?!とも見受けられる元気ハツラツな可愛らしい男の子でした。
    私は3巻の話が一番好きで、性癖にグサグサきました。康介兄ちゃんは自制心を母親のお腹の中に忘れてきちゃったのかな?私はこの手のイケナイお兄さんが大好きです。これだけモノクロだったんですが、その方がこのお話には合っていて良かったです。しかし、相変わらずの厳しい修正で、白いナマコをこれほど恨めしく思ったことはないかもしれない。
    1巻21ページ、2巻13ページ、3巻27ページと短いわりに300円というお値段。少し高いですが、つくも号先生の作品が好きな方だったら刺さる内容だと思うのでお勧めです。
  • ヴォカリーズ

    つくも号

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 他の方のレビューにもありますが、ここから始まるぞ!ってところで終わっています。打ち切りだったのでしょうが、これ絶対面白くなる話だと思うので、続きが読めないことがとんでもなく悲しいです!

    ピアノ教師の初瀬健史×教え子の高校生小宮山シュウジ。シュウ君は健史が昔思いを寄せていた恩師の忘れ形見という設定。亡くなった夫を思い出したくないのか、シュウ君の母親はピアノを弾くことを禁じますが、ピアノも健史先生も大好きなシュウ君は、こっそりピアノを弾き続けており、音大進学を夢見ている。そんなある日、母親にピアノを続けていることがバレてしまって・・・。

    なんと1巻の時点で早々にシュウ君に手を出す健史先生。いつもなら「いくらなんでも早すぎでしょ!」って思うところなのに、つくも号先生の描くシュウ君が反則級に可愛くて、あどけない仕草も全部エロく見えてくるんだから、これはもう仕方ないかーってなります。それにしても続きが気になる!もっとシュウ君を下さい!お願いします!星の数は、続きへの期待を込めて5にしました。
  • 最後の三月【分冊版】

    つくも号

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ つくも号先生珠玉の短編集。全部で8編収録されていました。4巻末に収録されているあとがきで各作品に対するコメントが読めます。先生の日常が垣間見えるオマケ漫画もついてて嬉しかった!
    初期の頃の作品なのか絵が拙い感じなんですが、それでもやっぱりストーリーはどれも秀逸!読後は心にしっかり残る感じで読み応えがありました。表題作以外はちゃんとラブストーリーだったので、つくも号先生を読むのは初めてという方にもお勧め。
    表題作もBがLしてはいるんですが、その恋の終わらせ方がつくも号先生って感じです。救いようのない破滅的なラストは、「水の上の月」を彷彿とさせましたが、これはまぁ、ギリギリセーフかなー、いやギリギリアウトかなーっていう微妙なラインでした(笑)ほんの一言自分の気持ちを相手に伝えるだけでも、随分違う結果になっただろうに。「ちょっと落ち着いて話し合お?」って思うのは、私が女性だからなのか。男の子は気持ちを言葉にするのが苦手な子も多いから、行き場のないエネルギーを持て余し、短絡的な暴挙に出てしまうのかもしれない。

    ちなみにR18版もあるようです。私は知らずにこちらの通常版を購入してしまいましたが、選べたのなら絶対R18買ってました。つくも号先生の作品はR18で読みたいですよね。しまったなぁ~。
  • 水の上の月

    つくも号

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ どのカットも美しくてため息が出ます。まだあどけなさの残る表情と瑞々しい身体。キラキラ眩しいな~と思っていたら、一転してドス黒い闇。「えぇっ!いくら何でも唐突すぎん?!」って思うけど、ラストのモノローグを読んで納得。高校生で親友を手にかけて、たとえ故意ではなくとも、その罪を誰にも罰せられることがないまま数年が過ぎても、罪悪感なくその現場に居続けられるのが怖い。白瀬がどんな気持ちで死んでいったかなんて全く興味が無さそうで怖い。まるで、「崇拝していた理想の白瀬を取り戻すために、目の前の白瀬をやっつけてやった!」って思ってるみたい。白瀬の死を悲しむ素振りを全く見せない玖波が心底怖い。
    でも玖波の内側の際限なく暗い闇を感じるほどに、白瀬との思い出がより一層際立って美しく感じられるのも確か。いつもつくも号先生は見たことがないような美しい世界を見せてくれます。色んな感情を体験できるので読むのを止められません。
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  • フンドシとシキタリ…

    つくも号

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公の陽太は山間の小さな村で生まれ育った。村には中学生くらいの男児を集めて行う「ムカイシ」という祭りがあり、今年は陽太も参加することになった。肝心の内容は教えてもらえないまま祭りが始まる。禊をして、御神酒を一口飲んで、あとは朝まで社で過ごすだけと分かり、安心する陽太。しかし祭りの本番はここからだった・・・。

    村の年寄りによる「ムカイシ」解説を読んで、通過儀礼的な意味合いの他にも、上下関係をはっきりさせる目的もあったのでは思いました。日本には衆道という形で忠義を示した時代もあったし、「昔は元服前の男児が対象であった」というところに反応してしまいました。

    祭りの後は、誰も社であったことについて触れず、いつも通りに振る舞うところが、いかにも他言無用の秘祭っぽくて良かったです。中学生くらいの男の子たちのあどけない会話を読んでホンワカできたし、やってることの割に下品な感じが無かったのは民俗学っぽいまとめ方がされているからかな?爽やかに楽しく読めました。オールカラーで見やすかったのですが、修正が厳しすぎて、大勢が入り乱れて何がどうなっているのか全然わからないところが多々ありました。そこだけは残念!
  • 目を閉じて夢を見る

    つくも号

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公の晃人君は中学生。学校では酷いいじめにあっており、教師は我関せず。母子家庭で、母親はネグレクト。男を連れ込んでは息子に千円渡して帰ってくるなと言う。食事も寝床もなく困り果てた晃人君は、成り行きで売りを始めて、今日も僅かなお金を稼いでいる。目をつぶって何も感じないようにしていれば、なんとか今をやり過ごせる。大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせる。自ら命を絶つエネルギーすら無い、闇落ちしていないのが奇跡にも感じられる彼の現実。

    いつもは厳しすぎる修正に不満タラタラになっている私も、今回はそれどころではない感じで全く気にならなかったです。ヤッてる描写は沢山あるけれど、全然エロくないのは、晃人君が人形みたいだからでしょう。でも、康介と出会って人の温かさに触れた晃人君は、もう人形でいられなくなってしまった。康介にお礼がしたくて金を稼ぎに売りをしに行った晃人君は大勢にまわされます。いつもの「大丈夫」という心の声が何度も繰り返される中、遂にそれが「助けて」に変わった瞬間、ひたすら暗いだけだった彼の人生に一筋の光を見たようでした。

    まわされた後気を失った晃人君は、康介に発見され帰宅。風呂場で身体を洗ってもらうのですが、このシーンがめちゃくちゃ良かった!「お礼なんて、笑ってありがとうと言ってくれるだけで良い」というようなことを言われて、青天の霹靂みたいな表情をした晃人君が、次の瞬間フイッと顔を背け、大粒の涙をこぼし、そしてうつむき加減で笑う。この一コマずつの表情の変化が絶妙で、晃人君の心情が痛い程伝わってきて、もう私は泣くしかありませんでした。

    ここから一時的に事態は悪化したかのように見えましたが、長い目で見たら晃人君にとってベターな展開になったなと思いました。最後の晃人君の笑顔がそれを物語っており、潰されそうなほど重い話だった割に、読後感は悪くありませんでした。希望も何も無いようなラストじゃなくて本当に良かったです。4話という短さの中に、これだけの内容を詰め込んで、作品として完成させるつくも号先生はやっぱりスゴイ!
  • ボクのカタチ-抑えきれないフェティシズム-

    つくも号

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ フェチを極めて天元突破しても更なる高みを目指す強者たちのお話。つくも号先生の描く人物の表情は、恍惚としたものだけじゃなく、ほんの些細な表情でも見逃せない。表紙の男の子は3巻の水村君だと思いますが、何気なく振り向いた彼の表情に、揺るぎない信念のようなものと満たしても満たしても満たされない空虚さが混在していて思わず見入ってしまいました。

    1と4巻は同じ話の視点を変えたものになっているので、一緒に読むことをお勧めします。眉目秀麗、成績優秀、品行方正の絵にかいたような優等生である武田君と、同じ部活の後輩である永瀬君と、永瀬君のセ●レらしき吉澤が主要な登場人物。ただ視覚的にエロいだけの話じゃないところが良かったです。修正が甘いのに越したことは在りませんが、白抜きで肝心なところが何も見えなくても、シチュエーションと表情だけでゾクゾクするので満足できます。武田君があっという間に堕ちていく様は、ほんとにエロかった~。永瀬君みたいなフェチ持ってる人は少なからずいそう。吉澤は何がしたいんだろうって思いながら読んでましたが、ラストの一言で彼のフェチズムが匂わされる。吉澤に堕とせない人はいないのではと思えるほど、その人のどこを突けば堕とせるか本能的に理解している感じがする。恨みや憎しみや復讐心などで悪意を持って人を陥れるのは分かるけど、微塵も悪意が無いのにここまでできる永瀬君や吉澤。ある意味すごい。

    1と4巻の話もゾクゾクして良かったけれど、私は2巻に収録されていた作品が一番好きでした。先輩×後輩。後輩が突き抜けた匂いフェチで、特に先輩の匂いが大好き。勢いに流されて我慢できずに後輩とヤッてしまった先輩は、律義に責任取ってけじめをつけようとします。つくも号先生の作品とは思えないまともなキャラに驚く私(笑)これほどの変態性を目の当たりにしても尚、「付き合おう」と言える先輩は、大きな器の持ち主なのだと思いました。末永く幸せに暮らしてほしい2人ですが、いづれ破綻するのが目に見えているところも面白かった。終始コミカルな感じで、とても読みやすいお話でした。

    3巻は、この身の破滅を思うと大興奮してしまう水村君のお話。周りの人間をみんな巻き込んで、自身の破滅を画策しています。ほんとに破滅しちゃったら終了になるのかな。きっと終わらせないギリギリを今日も攻めていくのでしょう。
  • 落花-悪事の代償-

    つくも号

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月31日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公のリュウ君は、男をホテルに誘い、シャワーを浴びさせているうちに財布を掏って逃げるという詐欺を繰り返す高校生。完全に世の中を舐め切っていたリュウ君でしたが、知らない内にその界隈では有名になっており、遂にバレてセキという男に拘束されてしまいます。そして、このセキはとんでもない男だった・・・。
    まぁ、詐欺なんてやってたら、こうなるリスクもあるよねっていう流れですが、「それにしたってリュウ君かわいそう!」っていう話ではありませんでした。薬に溺れて堕ちるまでが早いのなんの。自分から喜んで沼に飛び込んでいき、あっという間にズブズブです。セキはリュウ君の素質を最初から見抜いていたんだと思うと、一体彼は何者なんだろうと興味がわきました。
    しかし修正ってもう少しどうにかならないんだろうか。2巻なんて、一生懸命描いている作者様が気の毒になるくらい、大事な部分が真っ白けで何が何やら。それでも購読してしまうくらい、つくも号先生が好きなんですけど、正直複雑な気持ちです。
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  • 愛しい君へ

    つくも号

    作者買いです
    2025年10月31日
    「ずっと一緒にいられたらいいのに」を読んで作者様にドハマりし、作者買いをさせて頂いております。絵柄もストーリーも大好きです。先生にしか描けない唯一無二の世界。ずっとずーっと描き続けて欲しいと心から願う作家さんの一人です。

    日頃から数学の伊部先生に反抗的な態度をとる桐生君。今日も授業中居眠りしてるところを先生にあてられ、嫌味を言われて逆切れし、先生に向けて物を投げつけた。周りから見ても険悪な雰囲気の2人。しかし授業後、指導室に呼ばれた桐生君と先生の関係は豹変していて・・・。
    話の最初から最後まで、桐生君の表情の良さが際立っていて、思わず引き込まれました。よく見かけるいやらしい格好も、つくも号先生が描くとより一層特別いやらしく見える。こんなに欲望に忠実で、桐生君の将来が心配になりますが、そんなことは脇に置いておこう、そうしよう。つくも号先生のいやらしくも美しい世界に浸れる良作でした。
  • 青春賛歌!

    波真田かもめ

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 主人公の星朗は目標を掲げたら脇目も振らず猪突猛進!彼女が欲しくて頑張って進学したエリート校は全寮制の男子校だということに入学式で気付く。恋人なんて諦めかけていたある日、寮の裏手にある狸の置物に好きな人の名前を書くと恋が成就するという伝説を聞いて、早速試す星朗。中学で好きだったノゾミちゃんの名前を書いていたら、突如現れたカースト最上位の同級生、神楽坂ノゾムに勘違いされ、付き合うことに。

    BLに出てくるDKってやたら大人っぽい子が多いから、星朗を見ていると年相応の幼さ全開で可愛くて癒されます。星朗はめっちゃ良い子なんだけど、それ以上に面白い子で、両親に愛され、学校では目立たずともイジメられたりせず、スクスク育ったんだろうなというのが伝わってきます。
    一方で神楽坂の方は、優秀な一族の出来損ないとして両親から疎まれて育ちました。最初は星朗への嫉妬から、からかうつもりで付き合おうと誘ったものの、共に過ごすうちに星朗の優しさに触れ、掛け値なしに自分を評価してくれることが嬉しくて、気持ちに変化が現れます。いろんな出来事を通してお互いを知り、仲が深まる様子が丁寧に描かれていきます。
    ちなみに、星朗のルームメイトのカゲロウ君が要所要所でナイスアシストをしてくれるのですが、あまりにも星朗へのサポートが手厚い上に、2人が熟年夫婦のような空気を醸し出していたので、カゲロウは当て馬なのかと勘繰りましたが、最後までそんな素振りは微塵も見せず友情を貫き通していました。最後の方で、普段は前髪で見えないカゲロウの顔が一瞬チラッと見えたのですが、可愛すぎてビビりました。カゲロウのスピンオフが読みたいです。

    何気に外せないのは伝説の狸の置物、通称「おタヌキ様」ボロイ麦藁帽に女性の水着らしき物を着用しているところが男子校っぽいなと思いました。鍵となるので登場回数は多いのですが、背景に紛れていようが画面の端で見切れていようが、そのどこを見ているのか定かではないイッちゃってる感じの目が気になりすぎて、大事な場面でもおタヌキ様に目が行ってしまう!星朗と神楽坂が本当の意味で想いが通じ合った時も後ろに居たけれど、画面の全てをかっさらっていました。基本コメディ調で進んでいくので、おタヌキ様がそんなんでも全く話の進行に問題はありませんでした。

    とにかくDKらしい可愛い恋が堪能したい時にお勧めです!
  • 裏方バディ!

    波真田かもめ

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 龍矢は幼い頃から両親の期待に応えようと頑張ってきたけれど、医学部受験に2度失敗。両親に失望され、心が折れる。何となく舞台の大道具の設営会社に就職して2か月経った頃、龍矢は初めて全国ツアーの仕事に参加することになり、この道11年のベテラン社員の伊織が教育係についた。伊織は現場ではみんなから頼りにされていて仕事も完璧なんだけど、幼い頃に同じ裏方の仕事をしていた父親が現場の事故で亡くなったのを目の前で見てしまい、今でもPTSDのような症状に苦しんでいた。

    たぶん伊織は今まで誰にも気取られないようにしていたんだと思うけれど、たまたまPTSDの症状が出て動けなくなっているところを龍矢が発見して、その時の介抱の仕方が凄く優しく温かいものだったから、読んでいる私までホッとして身を預けたくなる衝動に駆られました。この2人のお互いへの思いが少しずつ大きくなるごとに、少しずつ行動にも表れていって、本当に自然に違和感なく関係が深まっていくところが凄く良かったです。

    個人的には「裏方はやるべき事をやっても褒められはしないけど、信頼が生まれる」という下りが好きでした。その信頼こそが認められたという証であり、龍矢の求めていた承認だったのではと思います。過去の回想を読みながら、龍矢は称賛されたい訳ではなく、大好きな人に喜んでもらいたいのが承認欲求の根底にあるのかなと感じていました。伊織の魅力にハマるのと同時進行で、仕事の魅力にもハマっていくところが何か良いなと思いました。

    プライベートでもパートナーになった2人は、これからは今まで以上に息の合う最高のバディとしてバリバリ仕事をこなしていくんだろうなと、明るく楽し気な未来を想像できる素敵なラストに大満足です。
  • おはようとおやすみとそのあとに

    波真田かもめ

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 波真田かもめ先生の作品はみんな大好きですが、「スモークブルーの雨のち晴れ」と「おはようとおやすみとそのあとに」は特に好きです。先生が描く淡々とした日常が綴られていく物語は味わい深くて、読み返す度に新たな気づきが得られます。

    おはようとおやすみの度に、大切な人が隣に居てくれるという幸せを確かめる。こんなにも、ただの挨拶に愛おしさを感じさせてくれる作品はなかなか無いと思います。繰り返される日々は重なり、7巻のラストで2人は7度目の春を迎えます。彼らは寄り添い合いながらも、それそれ自立して生きています。ここまで色んな事があったけれど、幸せだと微笑む顔には一点の曇りもなく、説得力がありました。

    開人と伊介の恋と成長の物語もすごく良かったけれど、私は開人と父親の話が妙に心に残りました。
    身体が弱かった母と幼い頃に死別した開人。開人が高校の時に父親が再婚。再婚相手の良さを「健康であること」だと父が言った時、開人は思わず「好きで病気になる人なんていないよ」と言ってしまう。闘病する母を思い遣り、看病する父を気遣い、幼い頃から言いたいことを飲み込み、やりたいことも我慢して、甘えを切り捨てて生きてきたであろう開人でも、父親のこの一言は我慢がならなかったのでしょう。開人が父に反抗したのはこの時くらいなのでは?そう思うと切なくなります。
    再婚相手との間に子供が産まれ、みんなで開人に会いに来た時に、父親は過去に失言について謝りますが、なんと開人も謝るんですよ。「えーっ!謝んなくて良くね?!」って正直思いましたけど、ここで大人げない発言だったと謝るところが開人なんだと思いました。高校生の自分にさえ大人な対応を求めるんだなぁ。
    とはいえ、そんな開人だからこそ、伊介を運命だと感じるのも納得できる。伊介は開人が切り捨ててきたものを全て持っている。伊介は甘ったれで我儘でこだわりが強い上、我を通すことを厭わない。伊介が伊介でいるだけで、開人は満たされるんじゃないかな。逆も然りで、伊介が開人に猛烈に惹かれるのもわかる。今の2人をあの世から眺めて、開人母も喜んでいるだろうなぁと思うと涙がジンワリ。5巻に2人で開人母の墓参りに行く話がありましたが、2人を見守る母の気配をずっと感じながら読んでいました。開人には本当に幸せになってもらいたいと思います。
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  • 恋かもしれない

    波真田かもめ

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月27日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 浜真田かもめ先生の作品はコンプリートを目標にせっせと作者買いさせて頂き、ようやく9作目、今回も良かったです!
    有名な建築家の父を持ち、自身も建築家を目指すノンケ大学生、弥生恭一(攻め)×失恋の傷が癒えず恋に臆病になっているゲイの校正者、踊場優作(受け)。出会いと再会は運命みたいに見えましたが、そこからは地道にコツコツ進めていく感じで、何事も過程を味わう趣味のある私としては非常に楽しめました。

    今回の2人は共に見た目と中身のギャップが激しめです。
    踊場は淡々と日々をこなしているように見えるけど、仕事に対して熱い思いと誇りを内に秘め、可能な限り納得のいく仕事をしようと努力している。一見クールに見えても、実は熱い男。そして、見た目は地味で何処にでも居そうな男なのに、中身はめっちゃエロい。エロいこと大好き。見た目に騙されて油断していると、不意打ちでやられます。弥生もそんな感じでズブズブとハマっていった感があります。
    そして不意打ちの色気にやられちゃうような弥生は、見た目こそチャラいけれど、中身は初キスも未経験(もちろん童貞)な純情青年です。性格も合理的に生きていそうで、情に厚いところがあります。

    私がこのお話の中でグッときたのは弥生の優しさでした。そもそも弥生が、見ず知らずの他人に対して情をかけるような人間じゃなかったら2人は出会わなかったかもしれない。弥生が踊場に向ける優しい視線や表情、セリフや仕草までもが温かくてまっすぐで、読み手の心にもスッと入り込んできます。
    ラスト近くで踊場の口から「弥生を好きになってよかった」という言葉が漏れ出た時、弥生が感極まった様子でもなかったのは驚きでした。まるで「だから言ったじゃん!」とでも言いそうな感じで、弥生の器のデカさを改めて感じました。プライドが高くて必要以上に傷つくことを恐れるけれど、本当は甘えたくてたまらない踊場のような人に、弥生はピッタリだと思います。
    7歳くらいの差なのに、弥生をガキ扱いする踊場ですが、社会経験以外では、よっぽど踊場の方が子供っぽい。加えて弥生の成長が速いため、精神年齢の差は拡がるばかり。ただ、大人になっても傷付きやすく純粋で子供のような部分を持ち続けられるのは踊場の魅力でもあると、一方では思います。腕時計を交換する下りも、回りくどい言い方しかできない踊場が少し愛おしく思えました。
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  • 俺は変態ストーカー。何故か尻にはイケメンビッチ。

    ともち

    作者買いです
    2025年10月19日
    天使の様に可愛い容姿だったため、幼い頃から変態につけ狙われて、いつしか自らも変態となってしまった主人公の唯。初恋の男、漣のストーカーをしています。ある日、漣の連れの樹に弱みを握られ、Hなことを強要された唯は・・・。短いお話だったけれど、ラストのまとめ方がすごく好きです。受けの唯のモノローグでグイグイ読ませていくところは、さすがともち先生。他のともち作品にはない、切なさも笑い飛ばすところが新鮮でした。樹に振り回されてるようで、ちゃっかり楽しんでいるところもある唯。どう見ても素質があるようにしか見えない(笑)「きっと彼らは明日も大丈夫」っていう確信をくれるから、読後感も良かったです。
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  • モノポライズ 完全版

    ともち

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ともち先生には珍しいポップでキュートなカラー絵。話毎に鮮やかな色彩の扉絵を楽しませてもらえます。キラキラ可愛くて、でもどこか嘘っぽい2人だけの世界へ誘われます。
    ヤンデレマネージャー×メンヘラアイドルの共依存のお話。共依存が完成するまでが、丁寧な心情描写と共に段階を追って描かれていて読み応えがありました。今回の攻めはエマージェンシーレベルMAXの絶対に近づいてはいけない人間の典型みたな男でした。ともち先生の作品には何かしらヤバい奴がたくさん登場しますが、言動から危険性を判断できたり、危ない匂いを放っていたりで、対処が可能な奴ばかりでした。しかし三橋は違う!!闇も病みも全く周囲に感じさせない、一番近くにいる凛にさえ微塵もボロをださない。完璧なまでに安全な人間だと誤認させる怖さがありました。とは言え、ストーカーを極めて仕事にまで昇華させたところは素直に尊敬します。世が世なら彼はキングメーカーとして名をはせたかもしれません。
    個人的には、ラストの下りは未来への暗示と受け取りたいところです。「一緒に戦ってくれ」と言う凛に、三橋が少し意外な表情をするところ。ここまで寸分の狂いなく思惑通りに事を運んだ三橋ですが、凛が新しい出会いや経験を通して、他人の評価に自分の価値を置くことなく真の意味で自立して生きていきたいと望むようになったら、三橋の思うようには動かなくなるでしょう。幼い頃のトラウマに付け入るような感じで凛をコントロールしているけれど、凛が名声に執着しているのは本当の願いではないと匂わせるモノローグもあったし、何よりまだ若いからトラウマ克服も不可能じゃない。自分の思うように動かなくなった駒(凛)を持て余し、三橋が破滅していく過程が見たいな~。続編を書いて下さるなら、三橋の幼少期も描いて欲しい!どんな環境で育てば高校生という若さで、これほどの変態として完成されるのか知りたいです。
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  • ポルノ・タトゥー【コミックシーモア限定特典付き】

    ともち

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 今回のお話はガッツリ真正面からSMを描いていて、とても楽しめました。受けのM性が独特というか初めて見るタイプで、新たな視点を頂けて興味深かったです。
    主人公の陽翔は初恋がお内裏様で、お雛様の段飾りの前で精通を経験した強者です。男が好きと気付いて高校の同級生と付き合ってみたけれど、何かが満たされず、初恋のときめきが再び降りてこないか夢見る社会人になってしまった。せめて人間にときめきたいと真剣に悩む陽翔。ある日友人に誘われたタトゥーイベントで、お内裏様にそっくりな彫師を見つけてしまい・・・。絶対この人は止めといた方が良い!合わないから!辛い思いするから!やめときなYO!っていう2人を、ともち先生はナチュラルにハピエンにもっていくから、毎度驚かされます。
    攻めの龍栄さんは、うっかりパートナーを殺しかねないドSというだけで、割と誠実な人のようにお見受けしました。ちゃんと最初から、自分の性癖を陽翔に伝えて、無理なら別れようと逃げ道を用意してくれています。陽翔を落とすため、やってることは打算にまみれていますが、まあまあフェアだなと思いました。
    陽翔の方が泣かされてばかりで痛そうではありましたが、そんなに可哀そうにも思えなかったので、読んでいても辛くならなくて良かったです。痛みに敏感で、人一倍痛みに対して嫌悪や恐怖があるのにドMだなんて、喜んでいいのか悲しんでいいのか複雑な気持ちでしたが、痛みを快感に変えられるようになった陽翔は最強でした。龍栄の方も、お尻に指を入れただけで怖くて泣いちゃうような人間を調教するのは、ドS冥利に尽きる体験だったでしょう。本当に運命を感じるくらい需要と供給が合っている2人でしたが、これからも死なない程度に仲良くやってほしいなと思いました。

    描き下ろしではお内裏様が絶体絶命の大ピンチに陥っていましたが、無事だったのでしょうか。今頃グッチャグチャになっていないか心配です(笑)

    あとがきに、この作品は大人向け雑誌で連載されたもので、大人向けの構図で描いたため、こちらの修正版では渾身の力作バキバキtnkが真っ白になって何が何やら状態であることを作者様は大変悔やんでいらっしゃいました。それを知っていたら描き下ろしを諦めることになってもR18版を買ったのに!バキバキtnkで読みたい方は是非R18版をご検討ください。
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  • 神堕ち~最底辺の男たち~【電子単行本】

    ともち

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月19日
    このレビューはネタバレを含みます▼ ともち先生の作品はコツコツ作者買いさせて頂いていて、こちらで7作目。オッサンの不憫受けって初めて読んだのですが、すっごく良かったです!不憫受けの新境地を見た感がありました。先に書いておきますが、痛いのが無理な方はお勧めしません。プレイとしての骨折など、SMモノ大丈夫な私でも見ていて辛いシーンがあったので。

    受けの朔夜の過去が思った以上に壮絶で、攻めの蒼の境遇とは重ねきれないほどの苦しみを味わってきて、それでも優しさを失わず、この年まで裏社会で折り合いをつけながら生きてきたんだと思うと泣けてきました。朔夜の表情やセリフ等から経験故の慈悲の心が垣間見え、余計に泣けます。自分の人生は諦めていた朔夜ですが、蒼のように売られてくる若者たちを表社会に戻すサポートをすることで、自分を慰めていたのかなと思いました。
    組長の煌の登場辺りから雲行きが怪しくなってきて、朔夜が過去の自分との戦いに苦しむターンに突入。ドロドロが極まったところで、蒼に煌が撃たれます。撃たれた瞬間は驚きましたが、蒼の性格から考えれば撃てるはずがないと私でさえ思っていたので、場数を踏んでいる煌が舐めてかかって至近距離で撃たれたことにも納得です。煌からとめどなく流れる血を見て、ようやく朔夜は目を覚ましたというか、過去を清算し蒼と生きる覚悟が決まったんだと思います。
    ハピエンのように見えても実は問題は山積みというラストが多い裏社会系の話が多い中、これほどまで大きな不安要素を排除して、2人の新たな人生の幕開けまで持って行って下さったともち先生には感謝しかありません。お陰様で、ラストの朔夜のセリフを心から喜べました。ハピエンまでの道程がハードであることは否めないけれど、その分苦労が報われた幸福感が大きくて、私にとって読んで良かったと思える作品となりました。
  • あなたがわたしにくれたもの

    岡藤真依

    表紙に惹かれて
    ネタバレ
    2025年10月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 綴られるストーリーは少しだけイジワルでビターな味付けなのに、児童書の挿絵みたいな甘く優しい絵柄。このアンバランスさが何ともいえない魅力を放っています。ほぼ女性が失恋するお話でしたが変化球として、失恋後寂しくてワンナイトに挑むお話や、結婚がしたくて先の見えない関係を終わらせる(好きだけど振ってしまう)お話もありました。どれも表情やセリフがリアルで、少女漫画では描かれないであろう女性の本音の部分が垣間見えます。かくいう私は、リアルさを語れるほどの経験は無きに等しいのですが、恋愛と縁が無かった私でも、同じ女性として登場人物達に共振している自分を感じました。たぶんこの短編集は、ハピエンの物語の前日譚のようなお話で、主人公の彼女たちは、きっと幸せな未来を掴み取るだろうと思います。ちなみに、エピローグとして2話目の男性視点のお話も収録されています。この本に出てくる男性を見ていて思ったのですが、体は頑丈でも、心は繊細でガラスみたいだなと。その壊れやすい心をプライドという鎧で守っているのかな。
  • ワルツ

    押見修造

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「押見先生の女性漫画って、どんな感じだろう?」と気になって、短編というのもあり気軽に購読。読み心地の重さは安定のヘビー級でしたが、めっちゃ良かったです~。尾長さんと柏原君の感情が手に取るように伝わってくる!私は尾長さんに感情移入して読んだのですが、虚ろに繰り返される日常に絶望しながらも自己説得する日々、柏原君を自分が変えたという満足感とか、柏原君が無自覚に煽ってくる嗜虐心とか、疑似体験するようでゾクゾクしました。
    柏原君を支配できている満足感は、尾長さんの心の穴を少しずつ埋めていくも、柏原君の心を支配していたのは尾長さんではなくて・・・。尾長さんの期待が一番高まった瞬間に、柏原君が自分の期待を裏切る返答をしたので、尾長さんはブチ切れます。柏原君には全く非は無い、理不尽極まりない怒りをぶつける尾長さん。まぁ、怒りなんて理由が何であれ、そもそも理不尽な感情ですよね。ラストの締め方にはグッときました。真性ドMの柏原君が、ベストなご主人様を選べた気がして凄く良かった!
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  • 日下部さん

    押見修造

    日下部さん、17歳
    2025年10月14日
    押見修造先生の作品は以前からずっと気になってはいるのですが、読後しばらく何も手につかなくなりそうで、なかなか手を出せないでいました。短編ならと思い、今回こちらを購読した訳ですが、読後はズーンとなりました。この短さで、これほどのダメージを与えてくるところが凄い。
    日下部さんは自称17歳で、この若さでここまで堕ちる、いや到達してるのは、一体今までどんな人生を歩んできたんだろうと色々妄想してしまいました。情緒不安定で、心を病んでいるようにも見えるけれど、そんな自分を悟りの境地でただ眺めているようにも見えます。社会で生きるには切り捨てなければ生活が回らなくなる瞬間瞬間の感情を、全部拾って生きている。日下部さんみたいに、いちいち感じていたら、そりゃこんな破滅的な生き方にもなるだろうなと思いました。でも日下部さんは、だからこそ生きてるって感じがする。その辺がエロく感じるのかもしれない。主人公の男は生きているけれど、死んでるみたい。彼は日下部さんを拒まず、受け入れて、でも離れていった時はホッとして、それでも諦めきれなくて・・・。感情を切り捨てて、死んだように生きていくのはもう嫌だと、あがいているようにも見えました。
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  • こじらせ純愛モンスター

    大橋キッカ

    作者買いです
    2025年10月10日
    キッカ先生のオリジナル作品を読むのは3作目ですが、これは当たりだった~!陰キャシナリオライター×陽キャ芸能人。
    凪良ゆう先生の「美しい彼」を読んでからというもの、キモい攻めが出てくるとワクワクしてしまうようになりました。キモい攻めが何故キモいかと言えば、受けへの愛が重すぎるが故、愛情表現がキモい!敢えて言うなら変質者の域!このお話の亮も立派なキモい攻めでした。心の声がうるさいのなんのって。うるさかったけど、めっちゃ笑いました。自己卑下が過ぎて受けを不安にさせるのは、キモい攻めあるある。お互いへの思いは同じくらいの熱量をもっているのに、方向性が正反対だから噛み合わないもどかしさ。でもHの時はスッゴク盛り上がる。良きかな、良きかな。
    ちなみに私の本命はキモい攻めではありません。キモい攻めと恋に落ちる受けが、毎回私のドストライクなんです~。今回の芳也も最高だった・・・。普段はしっかりしてて男らしいのに、悩んでる内容が乙女だったりするところにキュンときました。キモい攻めの相手って、大抵プライドが高い美人だったりするのですが(それがまたキモい攻めにピッタリはまるんですが)、芳也はそんなにプライドが高くなくて、素直に気持ちを口に出すところが新鮮でした。Hの最中も素直で、無自覚に出てしまう言葉が攻めを煽り立てて理性を吹き飛ばし、結果受けが更に乱れてエロくなるのも良かったぁ。キッカ先生の描かれる受けが感じてる顔ってトッロトロで、すっごくエロ可愛いから大好き。
    何気に2人は小学校から中学まで同じクラスの幼馴染だったりもして、三度の飯より幼馴染設定が大好物な私としては、それがキモい攻めカップルで読めるなんて夢のようでした。最後に5ページくらいの描き下ろしが収録されていましたが、亮のイケメン疑惑が払拭されて、ちょっと嬉しかったです。キモオタ設定でも、ちゃんとすればイケメンだったっていうオチが多いので、たまにはこういうのがあってもいいと思います。
  • ロマンスするなら覚悟を決めろ

    大橋キッカ

    作者買いです
    2025年10月10日
    キッカ先生の絵が好きです。「ワケあり彼氏と猫かぶり彼女」を読んで人体を綺麗に描かれる作家さんだなと思い、この画力でBLの絡みシーンを読みたくなり、とりあえずこちらを購読。ストーリーとしてはよくある感じでしたが、主人公の射場(受け)の視点で話が進むせいか、射場の心情をかなり丁寧に描写していて、読んでいておもしろかったです。攻めの京野は何でもそつなくこなすけれど、どこか幼稚な部分が残る男。そんな攻めをしっかり受け止めて包み込む器の大きさを射場には感じました。このお話、射場の魅力だけで成り立っていると言えなくもないような・・・。悪ぶっているけれど人懐っこいし、面倒見がよくて情け深いし義理堅い。ツンツンしてるくせに、ジワジワ絆されていくチョロさ。快楽に弱くて、Hしてる時の泣き顔が最高でした。そして中世的なビジュアルもツボでした。あと、京野に弱みを握られて脅されていた時は、振り回されつつも、割と肝が据わっていて、的確に状況判断しようと思考を巡らすのを見ると、ただのお人好しって感じでもない。とはいえ、ヤクザの下っ端にしといたら、早々に捨て駒として使われそうなキャラなので、京野の馴染みになれて良かったよ、ほんと。
    すっごく盛り上がったりするようなお話ではなかったけれど、受けの魅力がとことん伝わってくるので、「攻めが惹かれる気持ち分かるな~」ってなって共感しやすかったです。修正が甘めなのも嬉しかったです。海王社さんは修正が良心的なことが多い気がするのでありがたいです。
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  • 秘すれば花

    大竹直子

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月7日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 大竹直子作品バラエティーパックといった感じで、様々なタイプのお話が楽しめます。
    「女敵」四代目鶴屋南北のお話です。殿を想いながら俵蔵に抱かれる権八さんが切ないです。斬り合いのシーンが素晴らしいです。
    「虜」小姓として仕えている主に散々弄ばれた末、新しい小姓に心変わりされた信之丞。主の息子を辱めることで恨みを晴らそうとするけれど・・・。この8ページに私の性癖が詰め込まれていて最高でした。もう少し純粋で幼気な若様を愛でていたかったです。
    「乱刃」有名な牛若丸と弁慶の出会いのお話が、大竹先生の妄想力でまさかの展開に(笑)基本ショタ受けが好きなのですが、これはこれでアリだなと。先生の笑いは落語とオヤジギャグを足して2で割った感じがして癖になります。
    「戦国とりかへばや異聞」男女の双子で見た目はそっくり。殿さまの跡継ぎとして生まれた2人。姉の方は嫁ぐことになります。幼い頃から2人の守役として側に仕えてきた加納久は、姫に身分違いの恋をしていて・・・。このお話、いくら合意の上とはいえ加納のしてることが最低です。でも世間知らずで純粋な尊き若様に免じて、加納を許すことにしました(笑)
    「秘すれば花」足利義満と鬼夜叉(後の世阿弥元清)の出会いを描いたお話。殺し屋に囚われた鬼夜叉が、桜の木に縛り付けられ暴行を受けるも、その体験中何かが開けて、スランプを見事脱出する。ヤられて殺されるっていう時でも芸の事を考える12歳の鬼夜叉、さすが後世に名を残す天才なだけあります。義満が自由過ぎて笑いました。
    「血の小姓」実の兄弟、近親相かんものです。ほぼプラトニックな関係で終わるのでエロいことは何もありません。物理的にめっちゃくちゃ痛そうで、悲しい最期を迎えた2人に想いを馳せる余裕がなくなりました。
    「あんこ之助がゆく!」4コマ時代劇。和菓子擬人化BLで、大竹先生のオヤジギャグが炸裂。

    「天正鬼童剣」鬼童と恐れられた松千代が明智光秀一家を助けるお話。光秀がめっちゃ良い人に描かれていて、娘の珠が超可愛いです。
    「明治浦島細見記」こういうご都合主義が過ぎるハピエンは嫌いじゃないです。むしろ好き。しかし、海苔問屋ってそんなに儲かるのかな~?太郎は相当な額のお金を吉原で使っているはず。
    「酔いざめの柿」完全シリアスな悲恋ものなので、読後は少し切ないです。
    1巻の巻末に作者様による全作品への解説がついています。
  • 三献茶異聞

    大竹直子

    作者買いです
    2025年10月6日
    「三献茶」というのを知らなかったのですが、調べてみたら有名なお話なんですね。前半は石田三成とお葉の悲恋が描かれていて、三献茶エピソードが生まれるまでの前日譚のような感じでした。20ページに満たない短いお話でしたが、とても綺麗にまとまっていて、ラストの三成の姿に色んな想いが滲み出ている感じがして印象的でした。後半は10ページ弱のコメディで、こちらは正に三献茶の異聞です。三成のモノローグに笑いました。100ポイントでこれだけ読めるのはお得だなと思います。
  • 恋一夜 小姓の秘めたる恋

    大竹直子

    作者買いです
    2025年10月6日
    不破万作という名前だけは聞いたことがあったけれど、豊臣秀次の小姓だった人なんですね。大竹先生の作品をあれこれ作者買いする内に、「小姓」というワードに反応するようになってきました(笑)今までは、ただの雑用係くらいにしか思っていなかったので、歴史ものを読む際の新しい視点を得られて嬉しいです。
    このお話も、秀次と万作は主従関係であり、恋愛関係でもあり、その独特で複雑な心情が、短い中に分かりやすく描かれていて大変興味深かったです。20ページくらいで短めですが、100ポイントで読めるならお得だと思います。
  • 裏直家 阿修羅の契外伝~男と男~

    大竹直子

    「阿修羅の契」の番外編
    ネタバレ
    2025年10月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 宇喜田直家シリーズの同人誌をまとめたもののようで、短いお話が4話収録されていました(全44ページ)
    一つ目は、本編の直家の幼少期のお話から5年経った頃のお話。主である浦上宗景の小姓だった頃は拒んでいた夜のお勤めに、直家自ら志願して篭絡する流れなので、直家が受けになります。事後、淡々と言葉を交わす直家と岡平内の会話に、この時代では当たり前のことなんだな~と改めて実感しました。
    二つ目は、「阿修羅の泪」のパラレルコメディでした。本編では瀧ノ口城攻略の作戦を間者にされていた清三郎でしたが、ここでは殿直々にお墨付きをもらっていました(笑)
    三つ目は、阿修羅の契から3年経った頃の、直家と剛介のお話。お互いを愛しく思う気持ちは変わらない様子。
    四つ目は、直家の夢に死んだ娘の幽霊が現れるお話。今までやってきたことで恨まれている自覚があるのか、死期が近づいて夢に見るのかな。オチとしては笑いましたが、ちょっとしんみりしてしまいました。
    あとオマケで、「妄想大名・浦上宗景」が1ページありました。作者様のユーモアのセンス、好きだな~。
  • 阿修羅の契

    大竹直子

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 宇喜田直家の名前は聞いたことがありましたが、どんな人物だったのかは全く知らなかったし、岡剛介(清三郎)に関しては名前すら知りませんでした。ほぼ真っ白な状態で読んだからか、違和感なく楽しめました。大竹先生の作品は、衆道が描かれることが多いけれど、それがメインではなく歴史を描く中に衆道がある感じなのが良いです。恋愛がメインになる普通のBLにはない萌えを感じます。
    家臣と相談して決めた作戦ではあったけれど、直家が清三郎に実父の首を取ってこいと命じたのには、主として忠誠心や能力を試す意味合いに加えて、個人的に愛を試す行為でもあるところにグッときました。愛を知らない直家の孤独に、命懸けで寄り添う清三郎が健気です。また、首を狙われる元常という男がカッコイイ!見た目はムサイけれど、人間として器が大きくて、優しく情け深い人柄に、清三郎が父とは知らず惹かれていく気持ちがよく分かります。元常の最期には泣いてしまいましたが、そこでくじけることなく最後までやり抜いた清三郎の強さに男を見ました。架空の設定がいちいち効果的で、直家と剛介が強い絆で結ばれる過程に物語としての説得力がありました。そして、戦国武将たちの鎧姿や着物姿の美しさたるや!女性も清楚な感じなのに艶やかで女性の私でも見惚れてしまうけれど、大竹先生の描かれる日本男児は別格です。私はこれ以上の絵にまだ出会ったことが無いです。先生にはもっともっと歴史ものを描いて頂きたいです。
  • 源平紅雪綺譚

    大竹直子

    作者買いです
    2025年10月6日
    少し古い感じの絵柄でしたが、とても上品な美しさで、男女ともに何とも言えない色気があって引き込まれます。そしてその正反対に位置するような品が無く荒々しい武骨な男もいて、しっかり描き分けがなされており、分かりやすいです。話自体はフィクションですが、作者様の膨大な知識に裏打ちされ厚みのある物語に仕上がっており、歴史が苦手で避けて通ってきた私でも思わず没入して読むくらい絵もストーリーも素晴らしかったです。
    「青蓮華」は平経正のお話で、琵琶の師匠と恋に落ちるお話。「源平紅雪綺譚」は源義経と平敦盛が恋に落ちるお話です。どちらもハピエンとは言い難いけれど、そこに歴史ものの良さがあるような気がしました。読後余韻に浸れる、もの悲しいけれど素敵なお話でした。「遮那王宵月記」は源義経が奥州に行く決意をするまでの成長記みたいなお話。義経の魅力がよく伝わってきて、こんな才気走った弟がいたら、兄としては脅威以外の何物でもないだろうなと思いました。「紅顔受難」は平敦盛の首をとった熊谷直実視点で描かれたコメディです。あと、源氏と平氏のお話とは別に中国の昔話のような短編が最後に収録されています。骨董品店の店主が妖しい色気を放っていて素敵でした。
  • 蒼究の十字架

    大竹直子

    作者買いです
    2025年10月6日
    特攻隊を題材にしたお話は、読後必ずやるせなさでいっぱいになります。出撃する前の晩まで数学の問題を解いていた男の子の話は、切なかったなぁ。きっと実話なんだろうな。「しのぶれど」のあとがきに何故かこの作品へのコメントがあり、作者様は特攻隊の取材をライフワークにされているとありました。だからこんなに短いお話の中に、大事なことをギュッと詰め込めたんだなと思いました。現代では信じられないような思考回路で、当たり前のように感じて考えている様子を見ていると、時代背景や教育が違うというだけでこれほどの差になることが本当に怖いなと思います。私たちは、自分で感じて考えているという認識は捨てなければいけないのかもしれません。「この思考は本当に私なのか?」常に疑っておくのも大切だなと思いました。
  • 百々之助☆変化

    大竹直子

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年10月6日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 女性漫画のカテゴリで配信されているけれど、内容はBLじゃないかと思います。でもこういう趣向のBLは読んだことが無いかもしれない。主人公がHする相手が沢山いるんです。まず付き人の勝(受)、幼馴染でセ フレの八千代(受)、ライバルの竜太郎(攻)、他にもパトロンのオジサンに掘られてトラウマになっていたり・・・。勝とは衆道のような関係ですが、成長期の勝が大きく育って攻守逆転する未来しか見えません。百々之助の性格から予測すると、勝のようなワンコを可愛がりたい感じなので、本命は勝なのかなと。作者様も百々之助は受けキャラだとあとがきに書いているし、八千代も竜太郎の方がHが上手いって言ってるし、攻めよりも受けとしてのポテンシャル無限大な百々之助が、男を抱いているのを見ていると可愛く思えて仕方ないです。
    百々之助シリーズで5話収録されていますが、「浅草EDEN」「浅草アマテラス」「冷たいのがお好き?!」「浅草アクター」「花」「百々之助☆変化」の順番で読むと時系列で読めます。BLを嗜まれる方にとっては地雷が散見されるお話なのかもしれませんが、私はこの百々之助シリーズが大好きです。広い範囲で人間として多くの人達に愛されている百々之助だからこそ、下半身に節操が無くても憎めないし許せてしまう。気持ちのない相手にヤられちゃっても、悲壮感が無くて笑って読めてしまう。生粋の江戸っ子って感じの竹を割ったような性格で、芝居バカなところも魅力的。読んでいると百々之助が大好きになって、百々之助を愛する脇役達も大好きになって、「もっともっと色んなエピソードを読みたい!」ってなります。百々之助が勝を尻で抱いているところが見たいです。続きを描いていくつもりだと、あとがきにあったので、同人誌ならナンバーナインさんとかから配信されないかなと期待しています。
    ちなみに「幸福の王子」という現代ものの短編が最後に収録されていますが、それは何と言うか、大好きな作者様なのでこんなこと書きたくないんですけど、正直なところ微妙でした。大竹先生には現代ものじゃない作品を描いて頂きたいと思いました。
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  • 白の無言

    大竹直子

    作者買いです
    2025年10月6日
    「しのぶれど」と「貴様と俺」を先に読んで、こちらを購読。「しのぶれど」の翌年くらいの話になると思うのですが、最初読んだ時は余りの落差に呆然としました。作者様が「しのぶれど」のあとがきで、別の物語として読んでもらっても構わないと書いていたので、私はそうすることにしました。だって、「しのぶれど」の高橋が桐島にこの状況でこんなことするなんて考えられないんです~。でも、「白の無言」を単品で読むなら、一つの悲しい恋物語としてまとまっていて、正直「この攻め、肝心な時に何やってんだ・・・」って呆れましたが、これはこれで良かったです。
    「白の無言」「古痕」を読んで気分は暗く沈んでいましたが、「青蝉」「患者H」を読んであっという間に上昇し、お釣りがくるくらいでした。この作品集の美味しいところは全部持って行った感がある森先生×大樹君カップル。森先生、現実にいたら完全に犯罪者ですが、漫画だと何故か許せてしまうから不思議です。この悪びれなさが良いですね。成長した大樹君にすぐに気付いたところも、変態ここに極まれり、もとい、愛の深さが伺えて良いですね。しかし何より良かったのは、大樹君!君、本当に可愛いね!質の悪い痴漢に遭ったのに、その反応。どこのエロ漫画だって感じですが、絶妙なユーモアを効かせて、いかがわしさはスパイス程度に、可愛いお話に仕上がっていました。ショタ好きな私としては、森先生にはその道を突き進んで欲しいけれど、その結果、大樹君がオジサンになった時に振られちゃわないか心配です。
    最後に収録されていた「紅蕾」は源義経と平敦盛のお話でしたが、このお話を気に入った方がいたら、ぜひゴマブックスさんから出ている「源平紅雪綺譚」で「青蓮華(平経正の話)」「遮那王宵月記(義経の幼少期の話)」「紅顔受難(おまけのコメディ)」と併せて読まれることをお勧めします。絵柄は少し古い感じになりますが、とても読み応えがあります。
  • エルマの騎士

    香月律葉/和才爽

    作者買いです
    2025年10月3日
    「大正艶浪漫」「1ポンドの純情」がとても良かったのでこちらも購入。今回は全く雰囲気が変わって、ちょっとだけファンタジーが入っていました。先に読んだ2作品があまりにも読みやすかったので、このお話の読みにくさに驚きました。エルマがロボットみたいに味気なくて、今時のAIの方がエルマよりマシな会話ができるのでは?と思うくらいでした。自分の世界だけで完結していて、どうにもエルマだけが浮いている。生い立ち故なので仕方ないのですが、仕事の書類とか家電の取説読んでるみたいで、読み続けることが辛かったです。何度も挫折しかけながらも何とか最後まで読んでいくと、ラスト近くになってエルマも少し人間らしくなり、自分の人生を生きようという意思が感じられ、味気なさは消えました。人と関わることで人間らしさを取り戻せて良かった。
    あと少し気になったのは、誤字が多かったことかな。でも作者様が伝えたいことは何となく伝わってきたし、総じて満足です。
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  • 1ポンドの純情

    香月律葉/蔦木圭

    作者買いです
    2025年10月3日
    「大正艶浪漫」が良かったので作者様の他の作品も読みたくて購読。こちらもとても読みやすく、あっという間読めました。あまりにも読みやすいので何故なんだろうと考えたのですが、たぶん、話の筋がシンプルな上に、必要な言葉だけで無駄なく構成された文章だからなのかなと思いました。心情描写も分かりやすいし、辞書を引くほど難しい単語も使われていないし、読むことに不慣れな人でも気楽に楽しめる作品だと思います。人によっては、ありきたりで先が読めてしまってつまらないと感じるかもしれませんが、安心して読める王道モノとしては十分満足できる内容でした。
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  • 大正艶浪漫 千花繚乱

    香月律葉/和才爽

    表紙に惹かれて
    ネタバレ
    2025年10月2日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 良い感じに艶めいている表紙を見て、試し読みもせずに購入。表紙買いは当たりハズレがあるけれど、こちらは当たりでした。表紙のままの世界観というか、期待通りのお話が読めました。
    両親が幼い頃に他界し、引き取られた先で大切に育てられ、そこの長男(慶一)に想いを寄せるようになるけれど、女としては意識してもらえず、そろそろ見合いして結婚しないといけない主人公(千花)。恋人にはなれないけれど、妹として溺愛されている状況が、だんだん辛くなってきた。しかし慶一が千花に対して一線を引いているのには理由があって・・・。という、なんともベタな設定と展開なのですが、それを最高に楽しみ味わわせてくれる演出が随所になされており、物語の世界に没入して読むことができました。
    個人的に、このお話を面白くしている立役者は慶一だと思います。ミステリアスで行動が読めないから千花も読者も翻弄されます。最初はちょっと何を考えているのか分からない芸術家肌の人って感じで無害そうな顔して千花の懐に入り込み、「食事の後に歯を磨く」くらいの当然のような流れで手籠めにする。まだ世間を知らない女学生である千花が戸惑っている間に深みにハマってしまったのも良く分かります。傍から見ていると、なぜ千花は慶一に想いを伝えないのか、慶一に自分をどう思っているか問わないのか、かなりイライラさせられますが、愛されたいという思いが強い子ってこういう状況を積極的に打破できないんじゃないかな。その気持ちも何となく分かるので、読んでいて複雑な心境でした。
    一つだけ気になったのは、千花が自分の倫理観を捨てて慶一を受け入れようと決めた瞬間。これ以上抗うのは無理だと諦めただけのようにも見えて、少しだけモヤりました。まぁでも、彼女の境遇で、思春期くらいの女の子で、精一杯考えて出せた結論と思えば、ベストアンサーなのかもしれません。
    私は字を読むのが遅いのでノベルは読むのに時間がかかるのですが、このお話はとても読みやすくて2時間もかからず読み切れました。話の筋も心情描写もシンプルで的確で分かりやすかったかもしれません。サクッと読めるのに、読後の満足感はしっかりあってお勧めです!
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  • 三千世の心中【ペーパー付】

    D・キッサン

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年9月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙の絵が本当に美しくて、息をのみました。中の絵は、いつもの線より少し太めで、全体的にシンプルに描かれていて、お話の内容に馴染んでいます。キッサン先生は絵で伝える技術が高いなと毎回思います。
    作者様の作品はいくつか読ませて頂きましたが、この作品の読後感だけ他と全然違って戸惑いました。作者の意図のようなものがどの辺にあるのか見当がつかなくて・・・。読後に説明が欲しくなってしまうなんてことは、今まで読んできたキッサン先生の作品では無かったので、たぶん私が気付けていないだけなのだろうと思います。三千世と言う名前も「三千世界」からとっているのかなと思ったのですが、「だから何?」と言う感じで、物語のパーツ一つ一つが繋がらなくてモヤモヤ・・・。
    難しく考えずシンプルに「全て運命だった」と片づけてしまえば良いのかもしれない。一真レベルの人間性と優しさを持った跡継ぎが山室家に育ったことで時が熟し、齢をとらずに待機していた三千世の出番となり、一真と三千世に育てられた息子が厄を受け継いだからこそ、迷子になっていた胎児の魂を母親のところへ連れていくことができて、、、、とまぁ、全てこのためにあったのだと言わんばかりの流れだから、それで良いんだけど、私は何でこんなにモヤモヤしてるんだろう?たぶん、一真と三千世には、今まで苦労した分、厄を断ち切った後に、穏やかな余生を過ごしてほしかったのかもしれない。勝手な願望からくるモヤモヤかもしれない。間を置いて読み返せば、このモヤモヤの原因が何なのかわかるかな~。
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  • 平和な学校

    D・キッサン

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年9月30日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「しかし何も起こらなかった」全3話、「英雄の親」全4話、表題作+表題作の数分後を描いた描き下ろし。
    「しかし何も起こらなかった」は表題作のプロローグ的なお話で、平定者というシステムが導入された当初の高校が舞台になっています。平定者とは生徒全員が卒業できるように、学校生活で起こる問題が顕在化する前に陰で根回しして、その芽を摘み取る人間のことで、クラスメイトに擬態して紛れ込んでいます。一回読むだけでは何が何だかわからなくて、何度も読み返して何となく話の筋は理解できましたがモヤモヤは残り、何とも難しい問いを投げかけてくるなぁと思いました。表題作では、峯の卒業後、20年くらい経ってるのかな?平定者というシステムが定着した社会が描かれています。何も起きないように立ち回り、何も起こさず「平和」に生きていた峯がその平和をぶち壊されたあの日から、ずっと自分の中の空洞と向き合っていたことが分かり驚きました。平定者として子供達から学びの機会を奪いながら、別の形で学びの機会を与えるという、一見空しい行為のようですが、彼なりの落としどころなのかもしれない。彼がそのような不器用な生き方をしていることが意外でしたが、一度自分の中の空洞に気付いてしまったら、それを埋めようとせずに生きることなど不可能なのだという暗示なのかな。
    もう一つの収録作品である「英雄の親」は全く違う世界線のお話でしたが、特殊な設定から物事の本質を問いかけるように描いている感じが表題作と共通していて、読後は「う~ん」と唸ってしまいました。「これは愛なのか」という問い自体がナンセンスだなと思いました。たぶん、全部愛なんだろうな。
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  • 告別にはまだ早い~遺言執行人リリー~

    D・キッサン

    作者買いです
    2025年9月30日
    キッサン先生の短編集①に収録されている「矢継ぎ早のリリー」は吸血鬼のお話でしたが、こちらでは遺言執行の別の案件のお話を読むことができます。エピソードは遺言ごとに全然雰囲気が違って千差万別。こんなに多様なケースが次から次へと出て来ても、一本筋が通っていて統一感があるのは、根底に流れるものが「愛」だからだったのだとラストを読んで思いました。短編の時には描かれなかった、リリーたちが何故この仕事をしているのかについてにも触れられており、色々思うところがありました。2巻で完結していますが、もっともっと色んなエピソードを読みたかったです。
    世の中には「気付いたら死んでた」っていう人も多いと思うので、死んだ後に残せる遺言って便利だなと思いましたが、理想は心残りを作らないように生きることなので、できればリリーたちの世話にはなりたくないかな~。
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  • 電子特別版 ゆり子には内緒

    D・キッサン

    作者買いです
    2025年9月30日
    キッサン先生2冊目の短編集。十編の短編に加え、電子版には描き下ろしでもう一編収録されており202ページ。500円とは思えないボリューム満点の一冊でした。これだけ数があっても全部完成度が高くてハズレが無いのもスゴイです。短編って説明不足で消化不良になることが多いけれど、そういうのが全くなくて読後もスッキリ爽快大満足。意図的に謎のままの部分はあっても、それは作品の一つの魅力として成立しており、モヤモヤさせられることがありませんでした。一番印象に残ったのは「四年目」でした。結局あの女性はどういう行動をとったんだろう?目的は達成されたようですが、血にまみれた簪が落ちていたのを見て、色々想像が膨らみました。
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  • 電子特別版 矢継ぎ早のリリー

    D・キッサン

    作者買いです
    2025年9月30日
    キッサン先生初の短編集。4作品に加えて、電子版には描き下ろしが収録されています。2冊目の短編集よりも一つ一つのお話が長めです。多種多様な世界観で、似たような話が見当たらなくて、どれも本当に面白かったです。ラストも様々、読後の余韻がそれぞれ違うので、読んでいて飽きません。どれも良かったけれど、私は「鞠めづるヒトビト」が好きでした。蹴鞠に勝ち負けが無いなんて知らなかったし、なんだかとても日本人らしいスポーツだなと感じました。あとがきで各作品に対するコメントが添えられており、そちらも興味深かったです。
    「千歳ヲチコチ」で作者様のファンになり、こちらも購入しましたが、長編をあれだけ完璧に仕上げられる力量を持った方が短編を描くとこうなるのか~と思いました。短編にするとその切れ味がいっそう際立ちます。素晴らしい作品をありがとうございました。
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  • 千歳ヲチコチ

    D・キッサン

    めっちゃくちゃ面白かった~!!
    2025年9月30日
    試し読みで興味がわいて購入したのですが、ここまでハマるとは思わなかったです。楽しく笑っている間に伏線が張り巡らされていたことに全然気付かなかったので、ラストにかけての怒涛の展開に息をするのも忘れる程、夢中になって読んでしまいました。
    平安時代の生活をそのまま現代語訳したような感じで、歴史のことに疎い私には、平安時代の生活文化を現代の感覚でイメージできて凄く勉強になりました。現代人のように話すのでニュアンスを理解しやすい上、ちゃんと視点は平安人なので、目の付け所の違いにハッとさせられて新鮮でした。現代の強い刺激に慣れてしまった私にとって、昔の人達の、僅かな変化に心を寄せて愛でる姿勢は、とても魅力的に見えます。あと、これは作者様の技量の成せる業なのかもしれませんが、何気ないふとした瞬間に、そこはかとない色気が漂っているんですよね。こういうエロチシズムの表現って素敵だなぁと思いました。特に印象的だったのは、ラスト近く、恐らく眠れないまま朝を迎えた亨が、寝巻姿のまま外を窺い、朝の光の中佇む姿でした。彼らしい穢れない純粋さの中に男の色気を感じました。それまではDKみたいに子供っぽく見えていたけれど、そこまでの過程でしっかり大人になる階段を一段ずつ昇ってきていたことに気付いて、「今までのあれやこれやは、ここに繋がってくるのか~!」と作者様にしてやられた感が半端なかったです。
    登場人物が端役に至るまで全員存在感があり、しっかり物語の一部として役を担っているところも素晴らしかったです。どのキャラも愛おしくて、どこか身近にいそうな感じがするのも良いです。それに、綺麗で分かりやすく見やすい絵柄で、人物や表情の描き分けもしっかりなされており、とっても読みやすかったです。読み返す度に、キッサン先生の才能に圧倒されます。こんな出会いがあるから漫画読むのを止められないんですよね~。あ~、幸せ。
  • マッシュル-MASHLE- 特別編 帰ってきたマッシュ!

    甲本一

    特別編読めて嬉しい!
    2025年9月27日
    本編が綺麗なフィナーレだったので、こんな風に特別編を読めるとは思いませんでした。ウォールバーグ校長の孫が教育係の男と共にイーストン魔法学校を見学に来るお話。マッシュと愉快な仲間たちは2年生になっていて、相変わらず個性的でマイペースに学校生活を営んでいる模様。出会う人みんなの気持ちを軽くして、前に進む勇気をくれるマッシュはカッコいいなと思いました。
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  • モノノ怪 化猫

    蜷川ヤエコ/~モノノ怪~製作委員会アニメ「化猫」より

    モノノ怪シリーズ コミカライズ最終章
    ネタバレ
    2025年9月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 最終章はいきなり時代が下り近代になっています。薬売りは見た目に全く変化が無いので、「やっぱり人間じゃなかったのか~」と思いました。モノノ怪の出るところなら、いつでもどこでも現れる時空間を越えた存在なのかもしれません。
    シリーズの集大成ともいえるラストシーン。読者に向けて薬売りが語り掛けるセリフは、とても興味深かったです。モノノ怪の「真、理、形」を明らかにすれば、薬売りがモノノ怪を斬り祓ってくれるというもの。シリーズ通して、話の筋が分かる程度で事の詳細はハッキリ描かず、読者が察するように仕向けられている感じでしたが、それは一人一人がモノノ怪を自分の中から引き出せるように、敢えてそういう描き方になっていたのかもしれないと思いました。誰の中にもどこにでも生まれる可能性のあるモノノ怪を、認識して浄化するためのハウツー本みたいに思いました。
  • モノノ怪 のっぺらぼう

    蜷川ヤエコ/~モノノ怪~製作委員会アニメ「のっぺらぼう」より

    モノノ怪シリーズ コミカライズ第5弾
    ネタバレ
    2025年9月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ モノノ怪シリーズは事実を詳細に描くわけじゃなく、美しい絵柄と演出で「察してください」と匂わせてくる作品だなと思います。ハッキリしないところが多いけれど、そこが魅力でもあります。
    蝶さんに恋したのっぺらぼうにとって、一家惨殺は彼女と一緒になるための手段に過ぎず、無邪気に喜ぶ姿はあどけなくて、真性の悪とは思えませんでした。一方で蝶さんは、大好きな母親を喜ばせたくて自分を殺し続けた結果、自分を見失い、知らぬ間にモノノ怪に憑りつかれていた。最悪の事態に陥る前に、何故逃げなかったのかと薬売りに問われていましたが、彼女が逃げなかった気持ちは良く分かります。時代的な背景もあるけれど、現代であっても、何より大事なものを失わないために自分を殺す選択をしてしまう事ってあると思います。薬売りとの問答の末、蝶さんは必死になってしがみついていたものを手放すことができ、納得した上で薬売りの男に斬られることができて良かったです。ラストは蝶さんの存在そのものが消えていて不思議でしたが、切なさの中に温かさを感じる素敵なお話でした。
  • モノノ怪 鵺

    蜷川ヤエコ/~モノノ怪~製作委員会アニメ「鵺」より

    モノノ怪シリーズ コミカライズ第4弾
    2025年9月26日
    前作の座敷童が切ないお話だったのに比べ、今回はちょっと怖いけどブラックなユーモアが効いている明るめ(?)なお話でした。薬売りもいつになく緊張感が無い感じで新鮮でした。話の筋はわかりやすいというか予測しやすいですが、これはネタバレなしで読む方が絶対面白いと思います。香道についても少し知ることができて勉強にもなりました。何だかんだで薬売りって、情け深い優しい人だよな~って思いました。
  • モノノ怪 座敷童子

    蜷川ヤエコ/~モノノ怪~製作委員会アニメ「座敷童子」より

    モノノ怪シリーズ コミカライズ第3弾
    ネタバレ
    2025年9月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 今回は元女郎屋だった宿屋が舞台。モノノ怪の気配に誘われてやって来た薬売りの男。そこに居合わせるのは、奉公先の若旦那の子を身籠り命を狙われて逃げてきた娘と、宿屋の女将とその使用人の男の3人。ラストは胎児が母親を守ったように見えましたが、はっきりとは分からず・・・。座敷童子は納得したような表情を浮かべて、一瞬で薬売りに斬られてしまい、どんな気持ちの変化がそこにあったのか察せられませんでした。いつもは派手に立ち回るのに、変身した姿が一コマしか拝めなかったのも少し残念。でも相変わらずアニメを見ているような躍動感にあふれた美しい作画が素晴らしかったです。モヤっとするラストでしたが、十分楽しめました。
  • モノノ怪 海坊主

    蜷川ヤエコ/~モノノ怪~製作委員会アニメ「海坊主」より

    モノノ怪シリーズ コミカライズ第2弾
    ネタバレ
    2025年9月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ こちらの作品だけでも十分楽しめる内容となっていましたが、薬売り以外にも前作から引き続き登場するキャラ(加代)がいるので「前日譚」にもチラッと触れる下りがあり、併せて読むとより楽しめます。加代が薬売りに質問攻めしてくれたおかげで、ほんの少しだけ薬売りという男がどんな人物なのか見えたような気がするようなしないような(笑)相変わらずミステリアスで、どの角度から見てもカッコいい!ちなみに下巻の表紙は、薬売りが退魔の剣でモノノ怪を斬る時に変身した姿です。これもワイルドでカッコいい。
    今回は江戸へ向かう船がモノノ怪に襲われるお話。死んだお庸ではなく、生きている源慧の負の感情がモノノ怪の元になっていたのが興味深かったです。本人が反省の色を示している点で、前日譚の坂井家のゲス共に比べると、だいぶマシでした。最後の最後で新たなるモノノ怪が誕生したかに見えましたが、薬売りさんはスルーしていたから、これは問題ないのかな?これからもこの魔のトライアングルでは船が沈められるかもしれないですね。
  • 怪 ~ayakashi~ 化猫 モノノ怪前日譚

    蜷川ヤエコ/怪~ayakashi~製作委員会アニメ「化猫」より

    アート作品のよう!
    2025年9月26日
    独特な美しい絵柄に惹かれて購入しました。他の方のレビューを読むと、かなりアニメに忠実にコミカライズされているようで、蜷川先生のこの作品に対する思いが伝わってきます。私はアニメは見ていないのですが、まるでアニメを見ているかような動きを感じさせる臨場感あふれる絵と展開で、400ページを超えるボリュームでも、あっという間に読めました。
    話の筋はあえてはっきりさせない方向で描いているのか、私が察しきれていないのか、ちょっと分からない部分が多いけれど、薬売りがモノノ怪を斬ることで、そこに残った無念を救い上げ、昇華していくお話だという事はわかりました。
    あと、薬売りの男が妖しい色気を纏うイケメンで、刀を振るう時は別次元のイケメンに変身したりして、まぁとにかくカッコいいんです。彼が何なのか明らかにはされませんでしたが、他のシリーズ作品読むと分かるのかな?
  • ユートピアズ

    うめざわしゅん

    作者買いです
    2025年9月24日
    他の短編集と比べると、吹き出すくらい笑ったり、内容が分かりやすかったり、全体的に読みやすかったです。かといって薄っぺらい話という訳ではなく、読後は心に何かが残るお話ばかりです。
    「センチメンタルを振り切る速度」これを初めて読んだ時は、青春の後悔がサラッと短くまとめられた、まぁよくある感じのお話なのに、何かが引っかかるというか、「何でみんな歩かないのかな?歩くという概念が無い世界のお話ってことか、でも何の意味が?」と喉に小骨が刺さったような読後感でした。しばらくモヤモヤしていて、ようやくタイトルに意識が行って、「あ、そういうことか~」と笑いました。歩いているのを走らせるだけで、センチメンタルが吹き飛ぶなんて誰が想像しただろう。シンプルなだけにツボりました。
    個人的に一番面白かったのは「どつきどつかれて生きるのさ」でした。話の筋はよくある感じなのに、ボケとツッコミに特殊な設定を加えて日常の中に紛れ込ませるだけで、こんなに笑えるものなのかと心底驚きました。「センチメンタル~」と似てるのですが、こちらの方が完璧なまでに特殊設定が現実世界に馴染んでいて違和感がないです。「センチメンタル~」は違和感が大事な要素だと思うので、それはそれで完璧なんですけども・・・。それにしても、ここまで違和感なく読めるのは、大阪弁だからというのも大きいでしょう。大阪の人達って、呼吸するようにボケてつっこんでいますよね。こういう会話が日常的に繰り広げられていたら毎日楽しいだろうな~。
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  • えれほん

    うめざわしゅん

    作者買いです
    2025年9月24日
    コメディ要素はほとんどないにもかかわらず、皮肉が凄すぎて笑いを誘う世界設定。セリフやモノローグなど読むところが多いのに隅々まで必死になって読んでいました。知らない単語や作者様の造語が沢山出てきて、国語能力の低い私としては、日本語として理解するだけでも大変でした。うめざわ先生の作品を読んでいると、自分とはかけ離れた話であっても、普段の自分がしていることって結局こういうことだよな・・・って自分自身を別角度から見る機会を得られます。今回収録されているデストピアたちは恐ろしいほど隅々まで辻褄が合っているので、頭ではありえない世界だと分かっていても、この狂った世界に自分を投影できるのかもしれません。一番印象に残った話は「もう人間」でした。主人公の水迫さんが最終的に選んだ道は、すごくシンプルに大事なことを教えてくれました。どちらも選べる状況で、自分の望む方を選ぶということ。それは、自分を生きる事に他ならないし、その身体に宿った魂がそれを望んでいるんじゃないかなと思います。どちらを選んでも地獄が待っているような選択を迫られる時、いっそ選択肢などなくなれば、少なくとも迷う苦しみからは解放されるのに、って思う気持ちもよく分かります。他のデストピアにも通じると思うのですが、国とか社会とかの大きな力に支配されていれば、流されているだけでよいから楽ではある。私自身も悩み過ぎて性根尽き果てるような時、支配される方に魅力を感じることは多いです。でもその状態では生きている実感が得られないのも人間なんだろうなと思います。どんなに楽でも生きている実感を失ってしまっては本末転倒です。ラストで有藤さんがとった行動は衝撃でしたが、それが水迫さんが提示したパラドクスを考え抜いた先に導き出された答えだとするなら、ハッピーエンドに思えました。
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  • パンティストッキングのような空の下(分冊版)

    うめざわしゅん

    作者買いです
    2025年9月24日
    「一匹と九十九匹」よりも人間に対する愛を感じて、どのお話を読んだ後も、読む前より世界が優しく感じられました。支離滅裂なようで筋が通っている気がするのですが、どんな筋かは理解できていません(笑)とにかく、人間というどうしようもない生き物に対する大きな愛が詰まっているように感じました。
    うめざわ先生の短編を読む時は、いつも傍観者のような、読んでいる自分も含めて俯瞰しているような感覚で読むことになるのですが、「唯一者たち」では初めて登場人物達の視点で読むことができました。自分の努力ではどうにもできないことを自分の努力でどうにかしようとあがき、結局変われない自分に絶望して、自分は他人に迷惑をかけるだけで生きている価値が無いから死のうと思うんだけど、怖くて死ぬこともできない・・・、主人公のような性癖を持っている人に限らず、こういうことって割とあるのではないかと思います。自分に生まれたら自分しか生きられないし、それは誰にとっても自分ではどうしようもないこと。他の作品と比べたら感情移入して読めましたが、最後にはやはり登場人物達の視点から解放されて、ただありのままを眺めるだけの私に戻っていました。本当に、うめざわ先生の作品って不思議だけどおもしろいなと思います。
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  • ピンキーは二度ベルを鳴らす

    うめざわしゅん

    作者買いです
    2025年9月24日
    「一匹と九十九匹と」に収録されていた「オーバー ドーズ」を読んで、ピンキーさんに惚れました。こちらで続きが読めるようだったので購入しました。プロローグ+全五話という構成で、ピンキーさんと女たちのエピソードを堪能できます。
    読みながら何度「惚れてまうやろー!」と心中で叫んだことか。とにもかくにもピンキーさんが男前!堅気じゃないから仕事では下手な情けはかけないけれど、出会った女達には結局情けをかけてしまう中途半端な自分を笑うピンキーさんに、腰が砕けそうでした。登場する女性は各話で異なりますが、みんなイイ女ばかりで、恋とかじゃなくて人として惚れたから、ピンキーさんは彼女たちを助けたんだろうなと思いました。また助け方も粋なんだな~、これが。
    ピンキーさんが小人症という設定がすごく効いていて、舐められたら仕事にならない裏の世界をこの身体で生き抜いてきたということ。チーフと同じ画面に映っても、圧倒的な存在感で、むしろピンキーさんの方が大きく感じられるということ。「そういえばピンキーさんって小人症なんだった」と気付く度に、彼が内に秘める底知れなさを実感します。こういうのを漫画で表現できる作者様の才能も底が知れませんが・・・。
    今は「ダーウィン事変」の連載でお忙しいと思うので難しいと思いますが、いつかピンキーさんの話の続きを描いて下さったら嬉しいです。
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  • 一匹と九十九匹と

    うめざわしゅん

    知らぬ間に、でも確実に溜まっていく何か
    2025年9月24日
    1巻は短編が5篇、2巻は丸っと1冊一つのお話が収録されていました。「オーバー ドーズ」は「ピンキーは2度ベルを鳴らす」にも収録されています。絵が上手くて読みやすいです。購入のきっかけも、印象的な表紙の絵でした。青年漫画によくあるエロやグロはしっかりあり、特に2巻は描写がキツイので苦手な方にはお勧めしません。
    どのお話も、今までギリギリで均衡を保っていたところに、何かのきっかけでバランスが崩れて崩壊していく様子が描かれていました。一旦バランスを失うと、日常の全てが破滅を助長するというか、行くところまで行かないと止まれない。決壊したダムの様に、もう元には戻れない。登場人物達に感情移入することが難しいのに、画面から目が離せなかったです。成り行きを、ただただ何も判断せず、傍から眺めているような感覚。ラストも、それが希望なのか絶望なのかわからなくて、やはり眺めているだけな私。だからなのか、読後は精神的に疲れることもなく、むしろ心が凪いでいました。何年後かに読み返したら、また違う見え方をするかもしれない。万人にお勧めできないけれど、私は読んで良かったと思います。
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  • 真昼の百鬼夜行

    比嘉史果

    良い感じにイラっとさせられる
    2025年9月22日
    古今東西の空想上の生き物たちが、毎話1匹ずつ登場して、人と関わり合うお話。持ちつ持たれつの関係性が良かったです。クダンのクーちゃんだけ最初と最後のお話に登場して、その一筋縄ではいかぬ可愛さを披露していました。個人的には人魚の話の笑いと切なさの配分が良い塩梅で、ラストもシュールなのにさっぱりとした読後感なところが好きでした。1巻よりも2巻の方がダークな色合いを強めていましたが、ストーリーが多岐にわたっていたので読んでいて楽しかったです。
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  • 【特装版】怨霊奥様

    若狭たけし/アンブル編集部

    絵だけ怖いw
    ネタバレ
    2025年9月21日
    このレビューはネタバレを含みます▼ おどろおどろしい絵がめっちゃ上手くて、しっかり絵だけはホラーなんだけど、ストーリーは心温まるハートフルコメディでした。笑いの方もツボで、何度も吹き出して大変でした。怨霊になるくらいだから、情が深い女性だったであろう麗美さん。怨霊になるきっかけとなった過去については最後まで触れられませんでしたが、きっと行き場の無い大きな思いを持て余してしまったんだろうなと思いました。たまに見られる元の顔はとても穏やかで柔和な表情ですし、普段の言動などからも、麗美さんの心がとても綺麗で繊細で優しいことが伺えます。一生懸命良い奥さんになろうと頑張る姿も健気です。陸と結婚できて、エネルギーを良い方へ注げるようになって良かったなと思いました。怨霊的には不本意かもしれませんが(笑)
    みんなに祝福されて結婚式をできたのも、麗美さんの人徳の成せる業だと思います。式の途中で一体の怨霊が目覚めて、2人で育てる決意をして物語は幕を閉じましたが、ここからは続編の「怨霊お子様」に続いていくようです。怖い絵が苦手な方でも慣れちゃえば可愛く見えてくるかもしれないし、薄目を開けて読めばイケるのではないかと思います。出てくるキャラはみんな個性的で良い人(または怨霊)ばかりで、いっぱい笑って読後感は最高でした。お勧めです!
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  • ブラッディチャイナタウン

    杉本亜未

    作者買いです
    2025年9月20日
    ファンタジウムがとんでもなく良かったので、こちらも購読。ファンタジウムの良君もそうだったけれど、主人公たち無鉄砲過ぎやしませんか(笑)「ヤバいから!やめときなよー!」って心中叫びつつ、どんな窮地が待ち受けているのか期待を胸にドキドキハラハラしながら夢中で読みました。サスペンス要素入ると尚更、呼吸すら忘れるくらい没入しちゃいます。猟奇殺人が話の軸になって進むので、死体は沢山出てきますが、絵が綺麗なのでグロさはないです。事件の方は割とあっけなく解決しちゃった感じでしたが、事件を通じて交わる人間たちの言葉や心のやりとりがすっごく面白かったです。特にかなやと柘植の心が少しずつ近づいて行って、お互い無くてはならない存在にまでなる過程が、とても分かりやすく丁寧に説得力を持って描写されていて萌えました。
    柘植の能力である「手を握るとその人の視界が見える」というもの。詳しい説明がされていなかったので、どれ位過去まで見えるのか分かりませんでしたが、見えてしまうと分かった気になってしまうところが危ういなと感じました。思い込みで捜査を進めて失敗するんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、私の杞憂に終わって良かったです。
    このお話、ドラマの相棒のようにいくらでも続いていきそうな題材だと思うので、いつか続編読めたら嬉しいです。かなやと柘植のバディをいつまでも見ていたいです!
  • ファンタジウム

    杉本亜未

    これは名作だと思う!
    2025年9月19日
    何気なく1巻を試し読みして、一瞬でハマり込んでそのまま全巻読破。主人公の良君の器のデカさが半端なくて、かなり酷いいじめにあったり、金の亡者みたいな大人に騙されたり利用されたり、ありとあらゆる理不尽を経験しても、悩み苦しむ一方で、その状況を俯瞰して眺める冷静さが常にある。まぁそのせいなのかはわからないけれど、平気で危険を冒したりするので、めちゃんこドキドキハラハラさせられましたが、本当に魅力的な主人公でした。
    私はこの作品を読むまで、読み書き障害についての知識が無く、この障害があると社会生活を営むのにどれほどの困難があるのか全く知りませんでした。特に日本で生まれ育つと、読み書きできることが当たり前という認識で生きているので、私も知らぬ間に誰かを傷付けていたかもしれないと思い、反省しました。
    いろいろ勉強になり、考えさせられることが山盛りでしたが、それ以上に心に響いたのは、良君が投げかける問いでした。どれも本質をついていて、物事の捉え方を見直さざるを得なかったです。当たり前のように思っていることって、本当にそうなの?そんなことを自分にいちいち問いかけていたら日常が回っていかないから、違和感に気付かないふりして毎日生きているけれど、時々この作品を読んで、立ち止まって改めて日常を見つめ直すようにしたいと思いました。
    良君以外の登場人物たちも揃って魅力のある人ばかりで、みんな一生懸命生きているというのが伝わってきて、作者様の描写力の高さがうかがえます。私自身はマジックに興味を持ったことはないのですが、好きな人でも満足できそうなくらい専門的な話もでてきますし、私みたいな門外漢もストーリーの方でグングン引き込まれて読んでいるうちに、知らぬ間に魅力的なマジックの世界を垣間見させてもらえます。続編が出たら絶対読みます。素晴らしい物語をありがとうございました。
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  • なつめさんは開花(ほころ)びたい

    マミタ

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年9月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「なつめさんは開発かれたい」の続編!綺麗にまとまったラストだったので、まさか続編が読めるとは思っていなくて超嬉しいです。今回はなつめの親友、胡桃が登場。マミタ先生って魅せ方がお上手だなと常々思っているのですが、胡桃の登場シーンの演出が素晴らしすぎて天を仰ぎました。なつめと話すセリフだけのシーンで期待させて、ページめくったら贅沢に1Pドドーンと胡桃!「タバコ吸ってい?」が私の脳内でリフレインして、胡桃に目が釘付けになり、痺れてそのページから動けなくなったのは言うまでもありません。キュートななつめをヤンチャにしたような感じで、最初は双子の弟かと思いました。度を越えたブラコンのため超過保護なのかなと思いきや、兄弟ではなく親友とのこと。こういう時、大抵のBL作品はどちらかに恋心があることが多いんですが、ほんとに紛れもなく友情しかなくて、でもその友情が恋人としては嫉妬するに値する深く固い絆なものだから、お話が大いに盛り上がりました。なつめの一部分とさえ言える胡桃の存在を受け入れられたら恋人としては最強になれそうな気もします。
    個人的には胡桃が全部持って行った感じですが、なつめさんも安定の可愛さで、八の字眉毛で笑ったり泣いたり怒ったり、コウと居る時も可愛いけれど、胡桃と居る時のなつめも別の可愛さがあって好きでした。そして新しいアジェンダの中身が、全然新しくないところも何だか可愛い~。あと、経験だけは豊富な海千山千のコウが、初めての恋とかって最高以外の何物でもない!嫉妬している自分に気付かなかったり、自分に自信が持てなくなったり、初めての経験に振り回されるイケメンが堪能できます。エッチの時の興奮しながらも余裕を見せるコウの表情も素敵ですが、冷静でいられず感情的な言葉を放つ時の表情や、不安そうに「嫌いになっちゃった?」って言う時の表情に胸がギューンってなりました。
    前作では描かれなかった、なつめとコウの一面が、胡桃との関りでわかりやすく読者に伝わって、なぜこの2人が強く惹かれ合うのかが腑に落ちました。なつめの良さって、ぱっと見じゃ分からないというか、付き合いづらい人に分類されがちな損な性格というか、私自身もなつめの内面的な魅力には全然気付けていませんでした。だから、この続編読めて本当に良かったです。同棲編に繋がりそうな予感のラストに、今から期待で一杯です!
  • なつめさんは開発(ひら)かれたい

    マミタ

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年8月18日
    このレビューはネタバレを含みます▼ マミタ先生のお話に出てくる受けが大好き!八の字に下がるまゆげで困ったように上目遣いされれば、どんな攻めでも落とせます。マミタ先生の描くこの表情には、それくらいの破壊力があります。
    このお話のなつめさんは繊細で気は小さいけど、気遣いのできる優しい人。生真面目で、いつもキチンとしていて表情にも出さないので、何考えてるか分かりづらい。そんな彼が一生懸命床上手になろうと頑張るのですが、エッチな練習してる時にする表情や仕草が無防備で、好きな人としている時に滲み出るものとは別の、素のままのエロさとでもいうのか。赤ちゃんみたいな生まれたての可愛さがなつめさんにはあるんですよね~。攻めのコウは百戦錬磨の手練れですが、なつめさんのイノセントな魅力に知らず知らずハマり込んでいく様子がすごく伝わってきて最高でした。なつめさんもコウの言葉や態度に救われることが何度もあって、元カレに対するモヤモヤを昇華できた後は、腹が決まって自分の気持ちに正直に行動できてて、変化と成長が感じられました。この元カレの件にケリがついた後の2人の流れるような自然な展開と盛り上がりが、本当に素晴らしくて、読んでいる私もひたすら幸福感に包まれ、満たされた気持ちになれました。
  • ふれないでリトルスター【電子限定描き下ろし付き】

    マミタ

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年8月17日
    このレビューはネタバレを含みます▼ マミタ先生の描くオメガバースの世界。Ωが社会的に虐げられて、ひたすら辛い思いをするというような類のお話ではなくて、誰よりも大切な人と一緒に生きるために、αもΩも、それぞれ苦しみもがきながら、共に困難を乗り越えていくお話でした。

    Ωのユキは、ずっとヒートがこないまま過ごしてきたけれど、長年αのハルと暮らしてきたせいで体質が変化して、18歳のハルの誕生日にハルからキスされたのがきっかけで35歳までの分のヒートが一気に押し寄せ、命にも関わるような大事態に発展してしまいます。ユキとハルは家族の死を2人で寄り添いながら乗り越えて、10年間お互いを支えに生きてきました。そんな彼らにまた更なる試練を課すなんて、「神様そんな殺生な~!」って思いました。2人の葛藤が凄まじくて、それでも何としてでも一緒に居ようと身を削るように足搔く様が痛々しくて、傍で見守るβの洋乃もどれほど辛かったことか。マミタ先生の丁寧な心情描写のおかげで全員に感情移入しまくって読みました。割と最後の方まで辛い状況は続くのですが、試練を乗り越えた先には、大きく成長したハルと心身ともに安定して落ち着いたユキがいて、そこからはもう幸せしかありません。大学を卒業して帰ってきたハルとユキが気持ちを伝えあうシーンには泣きました。

    オメガバには珍しく、βの存在感が際立っているお話で、2人の良き理解者である洋乃がとんでもないファインプレー連発で、彼無しに2人の幸せはありえないと思えるほど。一見不愛想で厳しい言葉を放つこともあるけれど、ペットのピコちゃんに対する思いなど、洋乃の言動の根底には気遣いや優しさがあるんだなぁと分かります。
    また、マミタ先生の作品と言えば動物キャラですよね。今回はオウムのピコちゃんでしたが、いつになく主張が激しくて、登場の度にその場の空気を全部持っていくから目が離せませんでした(笑)人間の心に敏感に反応してしまうピコちゃんが、ラストは情緒が安定して大人しくなってて、こういう演出もマミタ先生らしくて大好きです。
  • ねえ、おんなのこにしてあげる 【電子限定特典付き】

    マミタ

    作者買いです
    2025年8月16日
    マミタ先生の作品は5作品目ですが、遂に理想の女装オジ受けに出会ってしまって大興奮!BL読み始めて女装する男性の色気に新しい扉を開かれ、いろいろ探して読んできました。最初は女性に見える女装の可愛さに萌えていましたが、ズブズブと深みにハマっていくうちにゴツイ身体で似合わない女装をする姿にときめくようになりました。このお話の真鍋は似合ってないのはもちろんなのですが、似合わせようと、女性に近づけようとしていないところが魅力的に見えました。女装バーでのバイト中も、客からはいじられて人気も微妙で良いことは無いはずなのに、あんな笑顔で堂々と接客できるのは凄いと思いました。
    昼間の仕事では勤続年数も長いのにケアレスミスを連発して、仕事ができない男の典型みたいな真鍋。見た目も歳より老けて見えるような締まりのないオッサン顔なので、イライラした客の格好の餌食になったり、部下からダメ出しされたり、日々ストレスをためています。でも、仕事ができない鈍臭い自分をよく分かっていて、行き場の無い鬱憤を他人にぶつけることなく、秘密の趣味に注いでいる。女装している時間はもとより、無心で女装の服を作っている時も、真鍋にとっては自分を取り戻す大事な時間。日々すり減っていく何かを放置していたら、そのうち自分が自分じゃなくなって生ける屍になってしまう。そうなる前に手を打てた真鍋はすごい。メイクしないで女装するのも、化粧が下手で似合わないというのとは別に彼なりの想いがあるのではと思いました。
    攻めの青天目は28歳で容姿も良くて仕事もできて真鍋の正反対みたいな人だけど、彼に無いものを真鍋は沢山持っていて、女装する真鍋を初めて見た時から猛烈に惹かれているのも、ただの性癖というだけじゃ無さそうです。硬い鎧を身に纏い、自分を守ってきた青天目が、職場やプライベートで真鍋と接する内に少しずつ変わっていく。また真鍋の方も何も隠さず一緒に居られる人ができて足場が固まったような安定感を手に入れた感じがしました。これからも2人で良い影響を与え合って幸せに暮らしてほしいなと思いました。
  • 「となりのメタラーさん」番外編集【電子限定版】

    マミタ

    愛しさしかない番外編
    2025年8月14日
    小冊子や特典ペーパーなど9つが収録されています。本来私には読めないはずのものが、このように電子で配信されて大変ありがたいです。
    マミタ先生の作品は全部好きですが、メタラーさんは別枠で、私にとってはBL本というより壮志さんを愛でる本と化しています。壮志さんの出す音が可愛くて、特に喋る時の「ぽそぽそ」っていうのが見る度にギュンギュンきます。エッチなことをしてキャパを越えると気絶するとか、もう何なの、壮志さんて人間じゃなくて妖精なの?エチとかなくてもこれほど満たされる番外編も珍しいなと思いました。2人が本当に幸せそうで、それを眺められるだけで大満足です。続編が出たら嬉しいな~。
  • ヨルの鍵

    高村真耶

    めちゃくちゃ良かった!
    2025年8月13日
    ものすごく綿密に作り込まれた世界観で、深く厚みのあるストーリー、展開も波乱続きでドキドキワクワク、繊細で美しい絵柄は眺めているだけでファンタジーの世界に誘ってくれます。物語の後半に入ってもドンドン話が拡がっていくので、正直なところ読んでいる途中は「これ、ほんとに5巻完結?打ち切りとかじゃないよね?」と不安がよぎりました。しかしそれも杞憂に終わり、足早ではありましたが、きちんと伏線は回収されて読者が置いて行かれることもなく、納得の堂々5巻完結。ジャンプ系の少年漫画の定石のラストではあったけれど、主人公が最後に気付いたことは人間の本質だなと思いました。いやほんと、濃いお話だった、10巻くらい読んだ気がする。描き切れなかった設定の詳細は、余白のページに書いて下さっていて、それがまた滅茶苦茶ちっさい字でミッチリ埋め尽くすように書かれていたので、作者様の作品に対する熱量が伝わってきました。拡大して必死になって読んだけれど、あまりに小さすぎて解読できない字があって悔しいです(笑)悔しくなるくらいこの物語のことを少しでも知りたいと思ってしまう自分がいます。こんな名作に出会えるなんて、漫画読んでて良かった~って思いました。レビュー数が少なくて歯痒いです。もっともっと多くの人に読んで欲しいし、作者様にはこれからもたくさん作品を生み出してもらいたいです。応援しています!
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  • 花月姫

    響ワタル

    設定が素敵
    2025年8月11日
    絵が綺麗だな~と思って購入。死んだ人間が悪魔から心臓を借りて、返すまでの15年間延命できる。悪魔の方は人間に心臓を貸している間、心臓を通してその感情を体験できる。っていう設定が、他にはない感じで凄く良かったです。心臓を返してもらわなければ悪魔もタダでは済まないので、情が移っても返してもらう悪魔もいれば、返してもらわない選択をする悪魔もいて、15年間の体験で悪魔の中に芽生え育まれたものを想像すると、切なさで胸が痛くなりました。恋愛というよりは、もっと大きな愛の物語でした。こういう終わり方もアリだとは思うけれど、その後の幸せに暮らす二人が見たかったなぁ。2巻という短さながら、読み応えのあるファンタジーでした。
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  • 魔女は三百路から

    松本救助/原田重光

    深夜番組みたいなテンションで読むと楽しい
    2025年8月11日
    自分のお一人様生活の参考にと思って読み始めました。300歳代の美魔女、御影が主人公。ダメンズにしか惹かれないというか、尽くしすぎてダメンズ化してしまうというか、とにかく昔から恋人と長続きしない。もう恋なんてしないで独り身を満喫しちゃおう!ってことで、何事も一人で楽しむ術を模索するお話。一生懸命工夫してソロ活を楽しもうとする一方で、虚しさや寂しさも感じていて、そういう揺らぎの中で、過去に縁があった男が生まれ変わって登場したり、恋をして迷ったり・・・。人間じゃないけど人間くさい、割り切れない思いを抱えながら奮闘する御影が、すごく好きだなと思いました。ラストも御影らしい選択で、良かったなぁと思いました。私は御影の師匠の腐魔女さんのように、とことん好きなことに没頭して生きていけたらいいなと思いました(笑)
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  • アイドルよ、国を抱け。【コミックス版】

    ハルノナツミ

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年8月10日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 「山下君には飲ませるな!」が面白かったので、こちらの作品も読んでみました。女性が攻めるお話は大好きなので期待を胸に読み進めたのですが、TLとして読んじゃうとちょっと物足りないかもしれないです。でも異世界転生コメディとして読んだら面白いと思います。人気絶頂のアイドルが急死して、異世界の小国の王女に転生し、アイドルの時に培ったスキルや天賦の才を駆使して、祖国を窮地から救うお話。祖国を救うためには大国の王子との結婚が必須なのですが、なんと彼は女性に攻められるのが好きで、主人公の嗜好とピッタリ合ってラブラブになります。そこまでは良いのですが、そのラブラブの部分が毎回同じようなイチャ付き方で、もう一段上のエロさが欲しいんです!あくまで私の個人的な考えなのですが、女性が攻める時は、男性をどれだけ魅力的に乱れさせるかにかかっている気がします。「山下君~」でも思ったのですが、この作者様はあまりエロに重きを置いてないのかな?でもストーリー重視って感じなので読み応えはあるし、そこそこ笑えるので、とりあえず完結まで読んでみようと思います。
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  • 山下くんには飲ませるな!【コミックス版】

    ハルノナツミ

    表紙に惹かれて購入
    2025年8月10日
    単話も単行本も表紙の山下君の表情がえっろ~い!試し読みをしたら中の絵はちょっと違っていたけれど、主人公の香子の心の声が面白いのと、勢いのある話運びに引きずられて最後まで読んでしまいました。香子の好きなことに対するブレなさがカッコ良くて、これくらい情熱を注げる何かがあるのって羨ましいなと思いました。
    TLというよりはコメディかな?ってくらい笑いの方に振り切っていて、エチシーンは毎回サクッと済んでしまうけれど、それが気にならなかったのは、割と最後の方まで山下君と香子さんの関係が不安定だったからかもしれない。どうなっちゃうのかな~ってドキドキしてるうちに終わっていました。山下君、酔うとエロくなるだけで、香子に恋してるのかどうかが、いまいち彼の言動や表情からは読めなかったんですよね~。
    「TL読みたーい!」って時には向かないかもしれないけれど、ありきたりな話に飽き気味の方にはお勧めです。
  • λの箱舟

    秦和生

    作者買いです
    2025年8月9日
    「召喚獣士の学校」を読んで作者様の他の作品も読みたくなり購入。初めてのお話、初めての本とあとがきにあり、初期作品が読めて嬉しいなと思いました。秦先生独特の、どこか緊張感が無い感じの絵柄やストーリーが大好きなのですが、このお話はそんなユルい雰囲気で、緊張感バリバリのシリアスな展開を見せていて面白かったです。最初は話の筋が見えなくて混乱しましたが、読んでいくうちに彼らの背景などが明らかになっていって、その都度それぞれの心情も丁寧に描写されて、最後の方で全てが繋がると、とても温かい気持ちになる素晴らしいお話でした。親子愛の話で終わると思いきや、意外にもラブ要素まで加味されて驚きました。2巻はラブが芽生えた2人のその後が読めます。欲を言えばルディの母親の生前のエピソードをもっと読みたかったな~。
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  • 美軍師張良

    秦和生

    作者買いです
    2025年8月9日
    「METEO」を読んでから、こちらを購読したのですが、「METEO」で張良が登場していてザックリ予習できていたお陰で、チンプンカンプンで話の展開に置いて行かれることなく読めました。中国史の知識などほぼ無いに等しい私としては、張良という人物を通して史実の流れを知れたので、「METEO」の理解が深まった気がします。4コマなので、リズミカルにオチを挟みながら進んでいくのも読みやすくて良かったです。張良の人生が一段落したところで終わっていて、生涯を描いた訳ではないのですが、世界史大嫌いだった私でも楽しく学べる素晴らしい作品だと思います。「METEO」が気に入った方は合わせて読まれると良いと思います。
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  • 楚漢列伝α METEO

    秦和生

    作者買いです
    2025年8月9日
    「召喚獣士の学校」を読んでファンになった作者様。絵柄が大好きなので、全然違う世界観の作品だったけど購読してみました。8巻まで読みましたが、なかなか興味深いお話でした。体感型のゲームの世界と現実を行ったり来たりするので、ちっとも話が進まない感じがしますが、パソコンのゲームをしたことがないのでゲームの設定の理解にやや手こずり、個人的にはこれくらいのテンポで行きつ戻りつしてくれるのは有難かったです。更に、学生時代、世界史は毎回赤点だった私は、中国史なんて項羽と劉邦という単語しか記憶になくて焦りましたが、主人公のタツキ君が私以上に何も知らなかったお陰で丁寧な解説が入り、彼と共に学びながら読んでいけたので、そこも有難かったです。
    基本史実に基づいてゲームが創られているのですが、プレイヤーの行動如何でその先が変わってくるという設定なので、中国史に詳しい方でも、これからどうなるのか予測できないのでドキドキが味わえるのではないでしょうか。「召喚獣士の学校」よりは地味な感じのお話だけれど、特別中国史が好きでもない私が読んでも面白い作品でした。こちらの続きもどんどん描いて下さると嬉しいな。
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  • 召喚獣士の学校

    秦和生

    こ、これは!!
    2025年8月9日
    表紙の絵とタイトルから自分好みのファンタジー臭がプンプンして、試し読みもせずにポチりましたが、大当たりでした!まずこの絵が大好き。サッパリしてるけど安定した絵柄で超読みやすい。お話の雰囲気にもピッタリです。ストーリーに関しては、私の好きが大渋滞してて、心中で歓喜の雄叫びをあげました。主人公コーラの性格や育った背景も良いし、キリアンのコーラに対する執着心が重くて最高。コーラの担任のライナス先生の設定も面白いし、脇役達も皆キャラが立っていて良い仕事をしてくれてます。舞台になる学校なんてワクワクしかないです。淡々と穏やかな空気感の中で、コーラたちの故郷の謎や、その他様々な不安定要素が絡み合って、めちゃくちゃ面白い展開になっています。激しいバトルが繰り広げられる展開の早いファンタジーより、じっくり、でもしっかり確実に物語が進んでいく手応えのあるお話が好きなので、この作品に出会えてラッキーでした。続きを読むのが楽しみです!
  • 神崎君はペットシッター

    山崎あろえ

    作者買いです
    2025年8月6日
    「ダーリンは絶滅危惧種」と地続きで、時間軸としては完結後のようで、その後の登場人物達がチラホラ出てきて嬉しいです。
    前作以上に変態を極めた感じの登場人物達がやりたい放題暴れるので、なんかちょっと最初はついていけなくて傍観するような視点で読んでいました。しかし、それも束の間。読み進めれば無意識のうちに自分の感覚を変態へ寄せて読み始めていて、普通にめっちゃ笑っていました。みんなあまりにも当たり前のように変態だから、読んでいる私も何かが解放されるのかもしれない(笑)そんな中でも笹原先生が必死になって自分の恋心を律しているところは教師の鑑だなと思いました。教師が生徒を好きになるのは仕方ないにしても、未成年に手を出すのはダメだと思うので、笹原先生には神崎君が卒業するまでとことん葛藤して苦しみ抜いて欲しいです!
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  • ダーリンは絶滅危惧種

    山崎あろえ

    作者買いです
    2025年8月5日
    「墓守魔女ビアンカ」を読んで気になっていた作者様です。知らぬ間にBL作品を描かれていることに気付き、早速読んでみました。ビアンカは話の途中で終わってしまった感じだったから、とても好きなストーリーだっただけに残念に思っていました。この作品は最後まで読めて嬉しかったです。純愛で、描写はキスどまりでしたが、大成の理性が常に試されているのを見ているのは楽しくて、エチなくても満足できました。恵太と大成も大概変わっているけれど、脇役達の癖の強さは変態の域でした(笑)みんな魅力的で大好きになりました。また、BLでは珍しく女性キャラが存在感を放っていて、そういうところも良かったです。
    コメディ寄りのラブコメなので、いっぱい笑いたい方にお勧めです。私は山崎先生の笑いのセンスが大好きで、読んでいる間中ずっとニヤニヤして、時々吹き出して、読後は抱えていたストレスが軽減されて気持ちが上向きになっていました。
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  • 責任取ってくれるよな?~イジワル幼馴染の異常な愛情~ 【短編】

    西海ミナト

    単行本未収録の8.5話だけ購読
    2025年7月21日
    本編の大ファンで、何度も読み返すくらい大大大好きな作品!他の方のレビューを拝読して、本編に収録されていないお話が単話で配信されていることを知りました。いやこれ、「何で上下巻の方に入れなかったんだろう?このお話、番外編じゃなくて最終話だよね?」っていう内容だったので、「関係のない短編を入れるんなら、これ入れて下さいよ~」って、正直思いました。まぁでも、こちらで読めたので満足です。本編読んで良かったなと思った方、こちら必読ですので是非お読みください。
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  • 狼さん、そろそろ準備はいいですか

    山田2丁目

    作者買いです
    ネタバレ
    2025年7月14日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作はDK同士のお話で、山田先生のツンデレ受けの安定の可愛さが堪能できてとても良かったです。受けの中間は、見た目はヤンキーだけど、中身は家族思いの優しい兄であり、通りすがりに弱きを助ける優しい男。甘いものには目が無いスイーツ男子なくせに、恋愛の甘々は慣れなくて苦手な様子。1年前に中間に助けられ恋に落ちた攻めの津田は、あの手この手で中間を落としにかかるけれど、これがなかなか落ちそうで落ちない。口喧嘩のやりとりが、山田先生にしか描けない絶妙なセリフ回しで、なんか知らんうちにエッチな流れになっちゃうんだから、面白い!一体どんな裏技を使っているのかと思うくらい、言い争っていた2人が、とっても滑らかにラブラブハッピーに落ち着いていて、思わず笑みがこぼれました。
    2作目は表題作の津田の叔父でパティシエの工藤と、彼のかかりつけの整体師のお話。工藤が自分に恋しているのだと盛大に勘違いして観察しているうちに、自分の方が恋に落ちちゃったっていう、よくある展開。整体師×患者という設定は、エロの王道ですが、山田先生にかかれば、よくある展開だろうが王道だろうが、全然違って見えて面白いです。
    3作目は、家庭教師と元教え子のお話。この受け、めっちゃ好き~!過去に教え子にいかがわしい事をしていた罪悪感があるせいかもしれないけれど、ちょっと心配になるくらい状況に流されまくる受けの手塚。本人自覚してて自衛してるはずなのに、気付けば流されているっていう・・・。もう笑うしかないですね。攻めの大久保はそんな手塚の性格を分かっていて、しっかり自分の望む方向に誘導しているから怖いです(笑)大久保の意味不明な理屈で簡単に納得しちゃうところも危なっかしいけれど、そこが手塚のたまらなく可愛いところでもあるし、大久保がいれば変な人に引っかからないように守ってくれそうだし、なんだかんだで流され続けて3カップルの中でも一番長続きしそうな2人だなと思いました。
    カバー裏で表題作の受けの親友千葉君が、彼女の兄との関係を、斜め上に進展させていて笑いました。今後の展開が全く予想できなかったので、どこかで描いて下さると嬉しいです。
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    山田2丁目

    作者買いです
    2025年7月4日
    2作品収録されていて、先生独特のファンタジー設定が今回は登場せず、今まで読んできた中では一番シリアスでした。と言っても、やはりそこは山田先生で、2人に暗い過去があっても覆いかぶさってくるような重い空気は無くて、どこか力が抜けているので気楽に読めます。たぶん共依存の関係なのかなと思うのですが、全然そう見えないところが面白いです。単純に乳繰り合っているようにしか見えず、むしろ微笑ましいくらいでした。受けはもとより、攻めは話が進むほど実はやべぇ奴であることが明らかになっていきますが、これまた全然そう見えない(笑)本人たちが自分のヤバさを自覚したうえで言ってるから普通に見えるのかな?いや、違うか。お騒がせ要員として出てきた小名田君も現実にいたら絶対関わりたくない人間だけど、ちょっとめんどくさい友人くらいに見えちゃうし。きっと山田先生がお住いの世界には、悪い人なんて居ないんだろうな~。ファンタジーでもないのに、今回も山田先生の不思議ワールドに引きずり込まれて感覚が麻痺している感はあります。でもこれがやみつきになるというか、普段の自分の感性から離れて気分転換したい時にぴったりなんですよね~。
    2作目はガラッと雰囲気は変わるけれど、これも共依存のお話でした。そうは見えないくらい楽しく依存しあっているように見受けられました。依存させ合うって楽しいよね!っていうのが伝わってきました(笑)私は1作目の病み深い方が好みですが、これはこれで面白かったです。特に受けの久国の心の声が、読んでいて笑えました。憎めない人ですね。
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