Loved Circus
」のレビュー

Loved Circus

朝田ねむい

「BL」と簡単には括れない

ネタバレ
2020年9月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 平凡なリーマン、ケイが、風俗嬢に入れ込んで多額の借金を背負った事から勤める羽目になったゲイの為の風俗店『サーカス』。そこで共同生活を送る従業員4人の群像劇です。
表紙や扉絵はケイとシロですが、『サーカス』を軸に話が進むので、4人全員が主役ですね。
ぃや、『サーカス』その物が主役かも。
訳ありな彼らが新たな人生を選択する中で、『サーカス』を去る者、残る者、各々にドラマがありました。
そして、ケイを救い、後にシロ自身をも救ったシロの言葉に、同じ様に救われる方は多いのではないでしょうか。
ゲイ専用風俗店というある種特殊な場所が舞台なのに、最後は爽やかな読後感すら感じる、BLという枠には収まり切らない作品です。
根っからの悪人は出て来ないし(オーナーに至っては本当にいい人だし、キャラも可愛い♪)、痛々しい描写もなく、会話もテンポよく進んでいくので読みやすいです。
ただ、あまあまエロエロを期待して読むと肩透かしを喰らうので、注意は必要かも。
シロやジョー各々が主役で、シロの凄絶な過去が明かされたり、ジョーのバイオレンス色の強いスピンオフも見てみたいですね。
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