両片思いの擦れ違い大好き民にオススメ

長年の擦れ違いを経て、大人になった２人が漸く気持ちをぶつけ合う。サスペンスも絡めつつで、読み応えありました。過去の事件で擦れ違いが起きるのですが、受けの子の絶望感がヒシヒシと伝わってきて堪らなかった。唯一の光を信じられなくなった絶望と、確かめる気力もなく逃げるしかない気持ち。あれは誰でもあんな風になると思う。13年の時間があって、やっと聞けた真実も２人の視点から理解できる内容で納得出来た。攻めの子が音信不通になった受けを『大学で会えるはず』と希望をつないでいたのが凄く刺さった。両片思いの擦れ違い大好き民なので、置き去りにされて辛いと思いつつエモいと思ってました（笑）そっから13年受けを探し続けてた攻めの後悔と哀惜たるや！想像するだけでヤバイ！受けの子は裏切られたと思って絶望してるから探さないけど、攻めの子はあの時に会っていれば違ったと分かってる訳だから、めっちゃめちゃ切ない。刑事になって事件を調べ直したり、受けの子を今度こそ助けると身体張ったり、昔より愛情表現ストレートなのも、全てあの時の後悔から何だろうなと。学生時代にもっときちんと好きだと言葉にして伝えていればって後悔もいっぱいしたんだろうな。２人の擦れ違わせ方が最高に好みだったので、作者さんに感謝しかない。納得いく擦れ違いって最高にエモだなって感じさせてくれる作品！オススメ！