ご主人さまとけだま
」のレビュー

ご主人さまとけだま

小石川あお

童話のような綺麗な話

2020年9月14日
妻を亡くした不愛想なリーマン×化けそこない猫のハートフルファンタジー。
エロは控えめで、BL作品では珍しい大ボリュームの全250ページ。番外編や4コマとおまけもたっぷり。
まるで長編の童話を読んでいるようでした。読後は温かい気持ちになります。
ストーリーはふたりの物語としては、起承転結がしっかりしていて読みやすかったです。
でも割と既視感のある展開だったからか、感動的な話ではあるけど残念ながら泣けはしませんでした。
その辺りは高評価レビューに期待しすぎた感がありますね。
何となくですが、子供の頃に「あらしのよるに」という絵本を読んだ時のドキドキ感を思い出しました。
受(けだま)がご主人のために何かしたいと動く際、結構ドジっ子を発揮しているので、それを健気でいじらしく思うか鼻につくかどうかでも評価が変わりそう。
あと細かいですが、妻帯者設定が後半にかけて一切触れられなくなったのが個人的に気になりました。
重い過去設定に使われただけのようなおざなり感…。
もちろん恋人をつくるのが駄目という意味ではなく、そういうことにケジメをつけるシーンがあれば尚よかったのになぁと思ってしまうんです。
ふたりの物語としては☆5ですが、細かい部分を気にすると☆3.5というところですかね。
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