執事たちの沈黙
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執事たちの沈黙

桜田雛

最初は良かった

ネタバレ
2020年9月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最初の頃は色々と突っ込みどころはありつつ(子どもの頃からお世話になってる執事が多少身なりを変えたくらいで別人だと思い込むか…?など)面白かったのですが、後半にかけて失速しているような気がします。エロいだけになりつつあるような……。

11巻で記憶喪失になり、精神年齢が一時的に16歳の状態になった父親を、12巻で元に戻そうと主人公たちが頑張るのですが、中身が16歳になった父親は椿(娘)を、当時の想い人であった椿の母親(つまり元妻)だと勘違いします。
そこまではいいのですが、父親が椿の胸を見て興奮したりなどするため、正直少し気持ちが悪かったです。元々娘を溺愛しているタイプの父親でしたが、記憶が一時的に失われているとはいえ、実の娘に興奮しているのはちょっと……。そういうのが苦手な方にはオススメできません。

また、無事記憶を取り戻した父親は以前と同様結婚に反対します。そんな父親の固い意志を打ち砕くために、何かしら二人の想いの強さが主張されるシーンが必要だったんだろうと思います。椿が冷えた味噌汁を急激に加熱し沸騰、それを守る執事。文字で書くと良い感じですが、実際はキッチンの向こう側にいた執事が一瞬でキッチンにいる椿を熱湯から庇う…という瞬間移動でもしないと無理がある描写でした。

最初はまあ面白かっただけに、後半の失速ぶりは非常に残念です…。所構わずヤるのも興醒めです。脚のリンパマッサージや飛んできたタピオカが胸に当たったくらいで喘がないでほしい。後半はただエロいだけ。前半はあったハラハラ感も殆どありませんし、ありきたりだったり無茶だったり、単調な展開が続きます。執事のキメ台詞もいちいちちょっとサムいです。
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