このレビューはネタバレを含みます▼
期間限定読み放題。
シルバーシャー国に関わる人々を主役にした全6冊のシリーズの1作目。
幼い時からシルバーシャー国の王子と政略結婚が決まっていた小国王女なヒロイン。そんなヒロインの初恋は王子と共に国に来ていた公爵ヒーロー。役割を理解し、王子の態度にうんざりしていた二人は同調もあって親しくなり、キスを交わす。しかしその後すぐにヒーローは王子と共に帰国し、その後二人は会うこともないまま成人する。
ついに王子との結婚が迫り、嫌がる王子に代わってヒーローが迎えにくるところから事件は動き始める。
王子は子供の時からろくでもない思考の持ち主で、長ずるほどクズ度が上がる。正直これが王になったら国も終わりじゃないの?と思うほどで、一人息子とはいえこれを可愛がる国王はアホっぽいし、ヒーロー周囲の人間は王に王子の態度を忠言したりしなかったのかなあと疑問。王政も弱って来ていて、あれだけ不品行な王子が王を継ぐとなったら、反体制派ももっと突っ込んでいくか、革命ぐらい起こせばいいのにと思ってたら、唐突に王子毒殺。お互い恋愛感情を持ってたヒーローとヒロインが棚ぼた的に結婚することになる。
立場と個人感情が絡んで若干揉めるが、結果として両想いで恋愛的には一応ハッピーエンド。ただ王子に隠し子がいることがわかったり、王子が完全なる取替え子だと判明したり、その事実にショックを受けて王は倒れたりと王家の問題が盛り沢山に出てきた矢先に唐突にエンドマークがつくので、見ているこっちはずっこける。
シリーズだから解決しないネタがあるのは仕方ないけど、二人の話は一応終わってるんだから、もうちょっと綺麗にしめて欲しかったかな。
正直同じ作者で後編があるのかと探してしまったが、この二人の話はここで終わりで、ヒーローの方は他のシリーズに顔や名前が出てくるもようだが、完璧に脇役なのがまたモヤモヤ。
事件のオチだけ知りたければ、取替えられた本物の王子がヒーローを務める6冊目を見ればよいようだが、作画が違いすぎてお金払ってまで見る気がしない。誰か大体のオチだけ教えてほしい。