いとしさの行方
」のレビュー

いとしさの行方

ケイト・ウォーカー/三浦浩子

真相がわかるとヒーローの態度が地味に酷い

ネタバレ
2020年9月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 期間限定読み放題。
記憶喪失ネタは当たり外れがひどくハズレが多い印象なので読むのは抵抗があったが、作画の三浦さんが好きなので読んでみた。
自動車事故に遭い、事故に遭う前の一年間の記憶を失ったヒロイン。記憶にある住居とも全く違う土地で男と一緒に事故に遭ったと聞かされ戸惑うヒロイン。元々天涯孤独だった上、唯一頼れそうな友人の連絡先も失い、困った立場に置かれたヒロインに居場所と仕事を与えてくれたのが、事故後目覚めてすぐに出会ったヒーローだった。
ヒーローの私生児と思われる赤子を世話しつつのヒーローとの生活。時折覗くヒーローの冷たい態度と記憶の影に戸惑いながらも、ヒーローへ惹かれていくヒロイン。
ヒロインの記憶を追う手がかりが上手いこと散りばめられていて、ミステリ好きならヒロインの失われた記憶の内容を想像しながら楽しめるところはよかった。が、恋愛面ではヒーローの態度に不快感を感じることが多々ある上、真相が分かると、ヒロインが善人だと薄々気づいててあの態度?とヒーローへの憤りが増す。
ヒーロー弟ほどではないが、ヒーローも女性軽視の傾向があるのも気になった。結婚を考えるほどの女性が自分の子を妊娠しているのがわかっているのに、白血病と知ると結婚もしないという冷たさだから、察せられるところは早々にあったか。
ヒロインの過去は、ハーレクインものとしてはひねってあって想像外で意外性はあったが、ハーレクインはミステリじゃなくてロマンスをメインに楽しむものと考えると、ロマンス面はいま一つ物足りなかった。
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