封神演義外伝~仙界導書~
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封神演義外伝~仙界導書~

藤崎竜

夢の国をさがす君の名を誰もが心に刻むまで

ネタバレ
2020年9月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 紀元前11世紀の中国を牛耳る権力者達との闘争に始まり、そこから当初の目的を何度となく書き換えながらも、仲間を得て時に失う経験を経て成長し、裏で世界を操っていた創造主を倒し、本当の自由を手に入れた主人公達のその後。
18年前に見事な物語の収束で完結した封神演義の新作と聞いて、大好きな作品だったゆえに懐かしさ半分、不安半分で読み始めましたが、すぐに立ち上がって拍手喝采を送りたいほど素晴らしい続編でした。空気感も連載当時そのままで、絵柄もほとんど変わらず、ここだけ時間が止まっているかのよう。
未来過去へ自由に行き来する新キャラ妖怪・地鶏精こそが藤崎竜先生で、私達読者は太公望と四不象となり、過去に飛ばされた感覚。そうして再会を果たせた懐かしい顔ぶれに、ただただ感激の嵐。また、もう一人の新キャラ・神農は今時っぽい外見と宝貝で新しさを感じつつも、ちゃんと従来の世界観に馴染んでいて、好感が持てました。
さすがにこれで最後か...と今度こそ旅の終わりに切なさがよぎったのも束の間、まだまだ太公望たちの冒険はこの先も続く形で幕を閉じて、嬉しかったです。
神農が言ったように、私にとっても太公望は、いえ、封神演義は、希望そのもの。再アニメ化がなければ生まれなかった外伝。アニメスタッフの方達に感謝のきもちでいっぱいです。
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